余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

不感症

2021-04-10 00:09:33 | 花弁の詩
顔は無表情
こころはカラッポ
手の平にしわは無く
瞳には無数の傷
涙は枯れて笑い顔
滴り落ちる汗の皮膚
表情を覆う過去の仮面
未来を墜落する唇
優しさの不完

ついばまれるリンゴ
リンゴに群がる虫
冷たい空気
空を覆う灰の雲
タバコの吸殻
一本の砂利道
鈴虫の音
日の暮れかける手前
お墓

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