余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

蝶と僕

2022-01-17 22:37:48 | 水声の詩
あらゆる君の行動を
夢中になって追いかけて
君の視線の先なんか
見ない振りをしたりして

君はヒラヒラと舞う蝶
「大丈夫よ
あなたには届かないから」
分かっているよ

「あなたは私のための
一つの蜜なのだから
待っておいで」
待っているよ

「あなたと私は違うのよ」
知っているよ

羽をちょうだい
「さよなら」

鱗粉が肩に落ちる
去ろうとする蝶に
思わず羽に触れてしまう
蝶は羽をヒラヒラ動かし
飛ぼうとする
地を這う蝶
心の奥がぞっとする
心の底から湧き上がる
嫌悪と虚無感
分解して紛らわす

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 思い出ひろい | トップ |  »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

水声の詩」カテゴリの最新記事