余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

清らかな毒

2021-06-20 00:16:14 | 花弁の詩
いつも鏡で見ていた自分
今日は違って見える
左右がアンバランスの不恰好
何を失ってしまったのだろう
毎日携えている鏡の中の顔は
切り崩されたステンドグラス
それでも光で色が映える
歪なもの
この顔は
どうせ誰にも愛されない
私は毒を塗る
頬に眉に鼻に唇に
舌に残る微かな色香は
最後に余った支え
別れの言葉を鏡におくる
思い出せる最高の
過去の私に毒の唇を交わして
幻に沈んでいく
私が私を望むために
清らかすぎる毒を飲む

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