余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

腕も足も

2021-06-09 23:24:13 | 時の世
腕も足も
鷲掴みにされている
口角は囀りを忘れて
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朗読者

2021-06-09 23:20:54 | マイブック(さ)
「朗読者」
      ベルンハルト・シュリンク 著
              松永美穂 訳

朗読という行為はむつかしい。
どんな声で読めばいいのだろう。
どんな抑揚をつければいいのだろう。
会話のようにはいかないし、
役を与えるのは大変だ。

15歳のぼくは恋に落ちた。
ハンナという女性に。
36歳の年上でストッキングをはく姿をみた
その時から。
ふたりで過ごしたある時からハンナに朗読をしはじめる。
ハンナは夢中に本の物語のなかの人たちをそれぞれおもう。

それからいっぺんに場面はかわる。
戦争の裁判へと。

ふたりの関係はつかずはなれず、
ハンナ・シュミッツ、ミヒャエル・ベルク、
ふたつの物語が交錯する。
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悪の華

2021-06-07 23:30:42 | マイブック(は)
「悪の華」
      シャルル・ボードレール 著
             安藤元雄 訳

語彙に与えられ、
雰囲気に潤み、
流れる血潮が徐々にゆるやかに沁みていく。
詩は一文のため息継ぎをする。
言葉に救われる。
ある時期の光や闇に声を震わせ、
または口をつむぐ。
唇にある影と陽当たりに
月は海を泳いでいる。
夕日は色で美しくなる。
太陽は肌を華にさせる。
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明るさを

2021-06-07 22:37:41 | 時の世
明るさを
失くした底無しの
針もつ虫が
追随をする
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幻影が

2021-06-07 22:34:26 | 時の世
幻影が
目の淵をかすめ
見やるが
机の上の
鏡のあるじ
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