老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

ジャンケレヴィッチの代表作 ~ 「死」

2022年02月06日 | シニアライフ&終活

冒頭に掲げたのは、

「 読書がそれ程までに

私を熱中させることは

めったにない 」

と森有正を唸らせた

ジャンケレヴィッチの代表的著作、「死」。

石原慎太郎氏も

(先日拙ブログご紹介した)

「老いてこそ生き甲斐」

の中でこの書について

ふれている。

「 人間の永遠のテーマである〈死〉

を主題として奏でる

ポリフォニックな思索世界。

三つのモチーフ

〈死のこちら側の死〉

〈死の瞬間における死〉

〈死のむこう側の死〉

の展開によって、完璧に、

精妙に演じられる一大交響曲といえよう。

〈 昨日『死』を読み始めた。

一挙に私は、密度が高く

胸の高鳴る文章に熱中し、魅了された。

ソルボンヌ大学で彼の講義をしばしば聴講し、

私の内的苦悩に照応する稀な哲学者の一人だ

という印象を得た。

この本もそれを証拠立てている。

私の心を打つのは、人間的経験のさまざまな秩序だ。

この差異が

内的に深く「人格」の差異と結びついている。

この間題は、

日本語文法の人称の問題を取扱う必要のあった時、

私の心を占めていたことだ。

「実存」の問題が

はじめから記述の中心に位置している。

「経験」の単独性は、

死の事実によって否み難く実証される。

それは経験の最も鋭い特徴ではないか。

愛と死の近似性に私は強い関心をもっている。

それがどうあろうと、

それを深める前に先ず、

この驚くべき書物を読まねばならぬ。

読書がそれ程までに私を熱中させることはめったにない 〉。

(森有正『砂漠に向かって』より)   」(内容)

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