響焔の刊行物のひとつに
「季語のある風景」があります
これは、響焔誌に連載されていた
山崎主宰による「季語のある風景」というコーナーを
響焔40周年を記念してまとめられたものです
響焔は来年で60周年ですので
もう20年も前になるんですね
月毎にその季節に相応しい季語をチョイス
エッセイと例句が拾い出されて掲載されています
久しぶりに手に取ってみて
昔の響焔俳人の句のすばらしさに興奮しております
勿論、今の響焔俳人の方々の句だって
いつも
「響焔の句は何か違う!レベルが違う!かっこいい!」
と自慢に誇らしく思っています
20年前の句は何が違うんだろう・・・
今より硬派
そして格調高い
一言でいうとそんな感じでしょうか
これからしばらく月ごとにその中のいくつかを
ご紹介していきたいと思います
もう故人の方、俳句から離れられた方の句もあります
お懐かしいお名前もあります
今日は少し季節が遡りますが「10月」から・・・
「鰯雲」
耳遠くなり美しきいわし雲 庄中健吉
正面から「美しき」と言っていますが、「耳遠くなり」だからいいな、と。
聴覚が薄くなり、一層視覚が冴えるという理屈だけではなく
誰よりも美しいいわし雲を感じている姿が切なく迫ってきます。
「葡萄」
ひとつぶずつ葡萄を減らすものがたり 川嶋隆史
ひとつぶずつ葡萄を食べていく、ただそれだけの事なのかもしれませんが
「ものがたり」としめたところに詩心が。
少しだけ言い方を工夫するだけで
日常の些事も俳句になるのですね。
「コスモス」
コスモスに風の生まるる午前五時 酒井雪子
コスモスと風はつきもの。
風が生まれるという感覚は俳人ならば納得できると思いますが
それが「午前五時」・・・朝方ですね。
野生の動物と早起きの人間だけが知っているコスモスの秘密。
「霧」
斑鳩鳴くとき山霧の公爵家 駒志津子
なんて格調高い!一読、痺れました。
「斑鳩」「山霧」「公爵家」どの言葉も過不足なく素敵(過ぎる)。
こういう句、作れたらいいな~と
もう鑑賞するとかどうでもいい気持ちにさせる句です。
「濁酒」
濁り酒傷舐め合うてゐるごとく 北登猛
これは男性ならではの句でしょうか。
一読「男!」を感じました。
「濁り酒」だから「傷舐め合う」が納得できるのだと思いました。
こういう句は私にはできない。でも好き。惹かれます。
「柿」
どの柿も柿の重さになっている 北迫正男
こういう言い回しは何にでも出来そうですが
やはりここは「柿」だからいいのだと思いました。
柿が木になっている様子はまさにこんな感じ。
程よい重さのある果実。民家の軒先でよく目にする気取らない果実。
少しの発見が俳句になっているのですね。
以上、10月より挙げてみました。
お亡くなりになった方も
あちらの世界から苦笑いされているかもしれませんね
「季語のある風景」は現在も「新・季語のある風景」として連載中です。
(アメリカのドラマ風にいうと「シーズン2」というところでしょうか)
来年の響焔60周年を記念して
再び一冊の本として発行される予定だそう。
楽しみです

バックの色を変えるだけで印象が違う~
だから塗り絵がやめれらない~
「季語のある風景」があります
これは、響焔誌に連載されていた
山崎主宰による「季語のある風景」というコーナーを
響焔40周年を記念してまとめられたものです
響焔は来年で60周年ですので
もう20年も前になるんですね
月毎にその季節に相応しい季語をチョイス
エッセイと例句が拾い出されて掲載されています
久しぶりに手に取ってみて
昔の響焔俳人の句のすばらしさに興奮しております
勿論、今の響焔俳人の方々の句だって
いつも
「響焔の句は何か違う!レベルが違う!かっこいい!」
と自慢に誇らしく思っています
20年前の句は何が違うんだろう・・・
今より硬派
そして格調高い
一言でいうとそんな感じでしょうか
これからしばらく月ごとにその中のいくつかを
ご紹介していきたいと思います
もう故人の方、俳句から離れられた方の句もあります
お懐かしいお名前もあります
今日は少し季節が遡りますが「10月」から・・・
「鰯雲」
耳遠くなり美しきいわし雲 庄中健吉
正面から「美しき」と言っていますが、「耳遠くなり」だからいいな、と。
聴覚が薄くなり、一層視覚が冴えるという理屈だけではなく
誰よりも美しいいわし雲を感じている姿が切なく迫ってきます。
「葡萄」
ひとつぶずつ葡萄を減らすものがたり 川嶋隆史
ひとつぶずつ葡萄を食べていく、ただそれだけの事なのかもしれませんが
「ものがたり」としめたところに詩心が。
少しだけ言い方を工夫するだけで
日常の些事も俳句になるのですね。
「コスモス」
コスモスに風の生まるる午前五時 酒井雪子
コスモスと風はつきもの。
風が生まれるという感覚は俳人ならば納得できると思いますが
それが「午前五時」・・・朝方ですね。
野生の動物と早起きの人間だけが知っているコスモスの秘密。
「霧」
斑鳩鳴くとき山霧の公爵家 駒志津子
なんて格調高い!一読、痺れました。
「斑鳩」「山霧」「公爵家」どの言葉も過不足なく素敵(過ぎる)。
こういう句、作れたらいいな~と
もう鑑賞するとかどうでもいい気持ちにさせる句です。
「濁酒」
濁り酒傷舐め合うてゐるごとく 北登猛
これは男性ならではの句でしょうか。
一読「男!」を感じました。
「濁り酒」だから「傷舐め合う」が納得できるのだと思いました。
こういう句は私にはできない。でも好き。惹かれます。
「柿」
どの柿も柿の重さになっている 北迫正男
こういう言い回しは何にでも出来そうですが
やはりここは「柿」だからいいのだと思いました。
柿が木になっている様子はまさにこんな感じ。
程よい重さのある果実。民家の軒先でよく目にする気取らない果実。
少しの発見が俳句になっているのですね。
以上、10月より挙げてみました。
お亡くなりになった方も
あちらの世界から苦笑いされているかもしれませんね

「季語のある風景」は現在も「新・季語のある風景」として連載中です。
(アメリカのドラマ風にいうと「シーズン2」というところでしょうか)
来年の響焔60周年を記念して
再び一冊の本として発行される予定だそう。
楽しみです


バックの色を変えるだけで印象が違う~
だから塗り絵がやめれらない~