白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

どうしようもない

2006-09-24 | こころについて、思うこと
Ivan Lins、Keith Jarrett、Ravel、を聴き
張り裂けるようにして
すがるようにして
弾き始めた音の
そのあまりの醜さ




技巧を置き去りにする音の流砂が
頭蓋の奥底の漏斗の中心へと沈み込むとき
感傷との紙一重の差で
紙で手を切るようにして
痛みを残す




取り残されるものの音
見送るものの音
孤独のなか だれひとり 聞き手のない音




狂い 獰猛に鍵盤を掻き毟り
血に染まったアイボリー




力尽きて
突っ伏したはずが
よろけて
床に倒れこんだ




滅びるのを待っていた
けれど 世界は確実にそこにあり
時計の針は たったの1時間を刻んだのみ
音は消え
力尽きた僕の身体が転がるのみ




ぼくは 何のために
こんなガラクタのためにぼくを削るのだろう




す、と、祈るように落とした指
その位置の 何たる憎らしく美しいこと




眠ろう。獣のように。

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