夜半より母の調子が思わしくなく、
早朝病院へ運び、点滴の後、連れ帰り寝かせた。
重湯を作るばかりでなく、
家族のため、鶏肉の卵とじ、おひたし、味噌汁を作り
葱を刻んで納豆を添えるなど、
前日の様相から一変、慌しい料理に追われる。
食堂から窓越しに外を眺め見た。
晩秋の庭には、山茶花の蕾膨らみが、瑞々しい花色を
そっと、恥じ入るように点している。
南天、千両の実いよいよ熟れて、その真紅の宝玉の房が
様々の小鳥を招き寄せる。
シジュウカラ、メジロ、キビタキ、スズメ、ヒヨドリが
時を同じくして番いで群れ飛び、南天、千両を啄ばんで
飛び去っていく。
数種の鳥が時を同じくして同じ庭に群れ遊ぶことは
相当に珍しい事象である。
併せて十羽ほどの鳥の遊ぶ姿を愛おしく眺めながら、
そのような光景を、今から十二年前にも眺めたことを
思い出した。
1994年の冬、数種の鳥が群れ飛び、我が家の庭に
遊び、木の実を啄ばんで去っていったことがあった。
愛らしさに微笑みつつ、自然の違和、変調といったものを
感じ、しばらく過敏に過ごしたことを覚えている。
神戸を震災が襲ったのは、それから程なくしてのことだった。
何事も無ければよいのだけれども。
早朝病院へ運び、点滴の後、連れ帰り寝かせた。
重湯を作るばかりでなく、
家族のため、鶏肉の卵とじ、おひたし、味噌汁を作り
葱を刻んで納豆を添えるなど、
前日の様相から一変、慌しい料理に追われる。
食堂から窓越しに外を眺め見た。
晩秋の庭には、山茶花の蕾膨らみが、瑞々しい花色を
そっと、恥じ入るように点している。
南天、千両の実いよいよ熟れて、その真紅の宝玉の房が
様々の小鳥を招き寄せる。
シジュウカラ、メジロ、キビタキ、スズメ、ヒヨドリが
時を同じくして番いで群れ飛び、南天、千両を啄ばんで
飛び去っていく。
数種の鳥が時を同じくして同じ庭に群れ遊ぶことは
相当に珍しい事象である。
併せて十羽ほどの鳥の遊ぶ姿を愛おしく眺めながら、
そのような光景を、今から十二年前にも眺めたことを
思い出した。
1994年の冬、数種の鳥が群れ飛び、我が家の庭に
遊び、木の実を啄ばんで去っていったことがあった。
愛らしさに微笑みつつ、自然の違和、変調といったものを
感じ、しばらく過敏に過ごしたことを覚えている。
神戸を震災が襲ったのは、それから程なくしてのことだった。
何事も無ければよいのだけれども。
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