休日の贅沢は、下拵えとして、前夜程々の寝酒をして
く、っと寝入ることから始める。
寝酒は睡眠導入には効果があるが、その代わり
深更、もしくは夜明け頃に、交感神経に作用して
目覚ましの役割を果たすという副作用もある。
これを逆手にとって、二度寝の快楽を貪ろう、と
いう魂胆だ。
全身に、ゆったりとした心拍が木霊している
寝起きの気だるく緩慢な状態を、
ぬっくりとした布団、毛布に包んでおくことの
溶けてしまうような心地よさ。
子宮の中の胎児のような格好で寝具に潜り込む
えもいわれぬ、ほっこりとした心持。
明らかな退行現象を呈しつつも気にもとめず、
寝入る。
**************************
午前も10時をすぎた頃、のそのそと這い出して、
そのまま朝食を作りにかかる。
いつもなら、パンを焼いてたっぷりバターを塗り
ハーブティーと、ヨーグルトにブルーベリージャムを
添えたものに、
時間に余裕があれば卵を焼くか、ウィンナーを焼いて
一皿加える、という程度なのだが、
気兼ねなく時間を使える休日には、冷蔵庫のなかを
見回して、その日その時に自分の舌がもとめる味に
合わせたレシピを考えることも出来る。
ものごとは、実行に移すよりも、そのまえに色々と
思案しているときのほうがよほど楽しい。
これまでも味噌汁を作ったり、納豆にちりめんじゃこと
大根おろしを添えてみたり、
めざしを焼いたり、とろろ芋をすりおろしたり、
卵かけごはんに花かつおを散らしたり、
中華粥を作ったり、ミネストローネを作ったり、と
さまざまのバリエーションを試してきている。
たまたま今日は、朝から炒飯が食べたくなった。
ボールに飯をよそい、そこにみじん切りのたまねぎ、
にんじん、刻んだウィンナーをいれ、卵を入れてよく
掻き混ぜておく。
一見、ハンバーグでも作るような作業であるし、
見た目にもおじやのようで、あまり品がよい状態とは
いえないのだが、
これを、油を引いてよく熱したフライパンにいれて
よく炒めていくうちに、
卵が油を吸って飯の粒をコーティングして、見事に
パラパラとした状態に仕上げてくれる。
あとはここに鶏がらスープの素をいれ、酒を振り入れて
よく馴染ませたあと、塩、胡椒、醤油で味をつけて完成。
葱、ベーコン入りの中華スープを添えて食する。
************************
午後、ようやく心身ともに覚めた頃にピアノに向かう。
平均律、ソナチネ、ハノンあたりから始めて、
手当たり次第に弾き進める。
今日は、ショパンのエチュードやワルツ、幻想即興曲等を
たどたどしく探りながら、脱力奏法を試みる。
腕をゆったりと波打たせて、その重みを自然に指先に
伝えるというのは案外むずかしい。
とかく肩に力が入りがちで、力みやすい性分でもあるから、
ゆったりと呼吸して、ゆったりと身体を穏やかな寄せ返しに
委ねてしまうことにも、努力が要る。
このごろの練習では、落合博満の言葉を心訓としている。
一流と二流の差がもっともよく現れるのは、練習だという。
一流選手の練習は、一日にたった一つの事柄を集中して
改善しようと試みる明確なものであるのに対し、
二流選手の練習は、あれこれと複数の事柄に手を出して
目的も成果も明確にならないのだそうだ。
よって、今日は脱力のみ、即興はせず。
とはいえ、疲労するので、午後4時過ぎより午睡を貪る。
ジム・ホールとビル・エヴァンスの「アンダーカレント」を
ヘッドホンで流しながら。
横たわる女性のジャケット。
西洋絵画において、無数に描かれてきた横たわる女性の姿。
女性の身体の曲線の美しさは、やはり横たわったときに
最もよく現れるものだと思う。
目覚めると午後7時、部屋は暗い。
************************
夕飯はクラムチャウダーにワインを添える。
心地よく酔い、あとは風呂で身体を温めて眠るのみ。
漱石の「野分」など、このごろの枕頭の書としておく。
漱石には根気がいる。
それ以上に、鴎外にも根気がいる。
一つのことばに込められた意味の深さゆえのもの。
***********************
12月初旬、及び年末のスケジュールを立てる。
いずれも、大阪、ということになりそうだ。
賞与の季節でもある。
何を買おう、とて、
セーター、チケット、家電くらいしかないので、
どうせなら、我が家のピアノを整調しようと思う。
問題は、平均律442hzにするか、
ヴェルクマイスターにするか、
キルンベルガーにするか、といったところか。
寒く乾いた季節には、ピアノの倍音も透き通るから、
それに合わせた音を求めようと思うのだが、
さて、どうしようか。
く、っと寝入ることから始める。
寝酒は睡眠導入には効果があるが、その代わり
深更、もしくは夜明け頃に、交感神経に作用して
目覚ましの役割を果たすという副作用もある。
これを逆手にとって、二度寝の快楽を貪ろう、と
いう魂胆だ。
全身に、ゆったりとした心拍が木霊している
寝起きの気だるく緩慢な状態を、
ぬっくりとした布団、毛布に包んでおくことの
溶けてしまうような心地よさ。
子宮の中の胎児のような格好で寝具に潜り込む
えもいわれぬ、ほっこりとした心持。
明らかな退行現象を呈しつつも気にもとめず、
寝入る。
**************************
午前も10時をすぎた頃、のそのそと這い出して、
そのまま朝食を作りにかかる。
いつもなら、パンを焼いてたっぷりバターを塗り
ハーブティーと、ヨーグルトにブルーベリージャムを
添えたものに、
時間に余裕があれば卵を焼くか、ウィンナーを焼いて
一皿加える、という程度なのだが、
気兼ねなく時間を使える休日には、冷蔵庫のなかを
見回して、その日その時に自分の舌がもとめる味に
合わせたレシピを考えることも出来る。
ものごとは、実行に移すよりも、そのまえに色々と
思案しているときのほうがよほど楽しい。
これまでも味噌汁を作ったり、納豆にちりめんじゃこと
大根おろしを添えてみたり、
めざしを焼いたり、とろろ芋をすりおろしたり、
卵かけごはんに花かつおを散らしたり、
中華粥を作ったり、ミネストローネを作ったり、と
さまざまのバリエーションを試してきている。
たまたま今日は、朝から炒飯が食べたくなった。
ボールに飯をよそい、そこにみじん切りのたまねぎ、
にんじん、刻んだウィンナーをいれ、卵を入れてよく
掻き混ぜておく。
一見、ハンバーグでも作るような作業であるし、
見た目にもおじやのようで、あまり品がよい状態とは
いえないのだが、
これを、油を引いてよく熱したフライパンにいれて
よく炒めていくうちに、
卵が油を吸って飯の粒をコーティングして、見事に
パラパラとした状態に仕上げてくれる。
あとはここに鶏がらスープの素をいれ、酒を振り入れて
よく馴染ませたあと、塩、胡椒、醤油で味をつけて完成。
葱、ベーコン入りの中華スープを添えて食する。
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午後、ようやく心身ともに覚めた頃にピアノに向かう。
平均律、ソナチネ、ハノンあたりから始めて、
手当たり次第に弾き進める。
今日は、ショパンのエチュードやワルツ、幻想即興曲等を
たどたどしく探りながら、脱力奏法を試みる。
腕をゆったりと波打たせて、その重みを自然に指先に
伝えるというのは案外むずかしい。
とかく肩に力が入りがちで、力みやすい性分でもあるから、
ゆったりと呼吸して、ゆったりと身体を穏やかな寄せ返しに
委ねてしまうことにも、努力が要る。
このごろの練習では、落合博満の言葉を心訓としている。
一流と二流の差がもっともよく現れるのは、練習だという。
一流選手の練習は、一日にたった一つの事柄を集中して
改善しようと試みる明確なものであるのに対し、
二流選手の練習は、あれこれと複数の事柄に手を出して
目的も成果も明確にならないのだそうだ。
よって、今日は脱力のみ、即興はせず。
とはいえ、疲労するので、午後4時過ぎより午睡を貪る。
ジム・ホールとビル・エヴァンスの「アンダーカレント」を
ヘッドホンで流しながら。
横たわる女性のジャケット。
西洋絵画において、無数に描かれてきた横たわる女性の姿。
女性の身体の曲線の美しさは、やはり横たわったときに
最もよく現れるものだと思う。
目覚めると午後7時、部屋は暗い。
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夕飯はクラムチャウダーにワインを添える。
心地よく酔い、あとは風呂で身体を温めて眠るのみ。
漱石の「野分」など、このごろの枕頭の書としておく。
漱石には根気がいる。
それ以上に、鴎外にも根気がいる。
一つのことばに込められた意味の深さゆえのもの。
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12月初旬、及び年末のスケジュールを立てる。
いずれも、大阪、ということになりそうだ。
賞与の季節でもある。
何を買おう、とて、
セーター、チケット、家電くらいしかないので、
どうせなら、我が家のピアノを整調しようと思う。
問題は、平均律442hzにするか、
ヴェルクマイスターにするか、
キルンベルガーにするか、といったところか。
寒く乾いた季節には、ピアノの倍音も透き通るから、
それに合わせた音を求めようと思うのだが、
さて、どうしようか。
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