高校の倫理といえば、大学受験に殆ど関係ない科目ということで、倫理の時間にはほかの勉強をしている人が多数いました。
ある時、あまりにも目に余る状態だったのでしょう。
「どうせ倫理なんて、受験に関係ないもんね。あんたたち、授業聞く気ないんでしょ」
と倫理の担当であるよしこちゃん(55歳位の女性)が静かに怒ったのです。
その時、わたしはというと、別の勉強をしようと思ってはいたのですが、よしこちゃんの倫理の授業って、けっこう面白くて、思わず、聞いてしまっていて…。
他の人もじつは授業を聞いていたのか、あるいは、内職をしていた生徒たちに罪悪感があったのか、わかりませんが、みんな倫理をしっかり理解してテストに臨んだのです。
その結果はというと…。
「このクラスの平均点は他のクラスよりかなり高かったわ。あんたたち、倫理をちゃんと勉強してくれたのね。テスト前にあんなこと言って悪かったわ」
と答案用紙を返し終わったよしこちゃんがぼそっと言ったのでした。
倫理の授業は受験には全く役立ちませんでしたが、人生では時々顔を出します。カント、ヘーゲル、ベンサム、ミルのあたりが特に印象に残っています。
「倫理をちゃんと勉強してくれたのね」というよしこちゃんの声が時折、聞こえてきます。
ところで、ミルといえば、父親から猛烈な英才教育を施され、青年期に精神の危機に陥った人として、早期英才教育は危険であるというような話の際によく登場します。
他方、カール・ヴィッテというドイツ人は、天才で人格も優れているということで、早期教育の分野で日本でちょっとした有名人。カール・ヴィッテ方式とかありませんでしたっけ?
ミルは知っているけれど、誰よ、カール・ヴィッテって?とじつは前から思っていたのですが、これを機にウィキペディアで調べてみました。が、ない…。
Karl Witteを英語で見てみたら、ありました!9歳でドイツ語(←母国語だから当たり前だけど)、フランス語、イタリア語、ラテン語、ギリシャ語を話し、13歳でギーセン大学で博士号を取得したと書かれています。
ヴィッテの父親が、息子の教育についての著書を書いたものの、ドイツでは批判にさらされ、すぐに忘れられたそうです。しかし、中国では21世紀の初めにベストセラーになったといった内容が…。日本語からの翻訳の際、Carl Weterと名前が変わってしまったらしいです…。
ミルにしてもヴィッテにしても、お父ちゃんが教育熱心だったのですね。
さて、ミルはある女性と出会い、精神の危機を乗り越えたとのこと。人妻であったその女性の身辺整理を待っての結婚。そして、その女性の早すぎる死によって、その結婚生活は7年ほどと短いものだったそうです。ミルは死後、その女性の隣の墓に眠っているそうです。そして、なんと、ミルは東インド会社で働いており、職業学者であった時代はないのだとか。
ミルのお父さん、相当、毒親だったのかもしれませんが、ミルはそんな境遇から立ち直って、静かな幸せを得たようです。人妻との恋愛だったので、十分、劇的だったのかもしれませんが。そんな苦悩の人生がミルを哲学者として育てたのかもしれません。ソクラテスには悪妻が、そして見るには強烈な父さんが…。哲学者には苦悩がつきものなんでしょうね。
ある時、あまりにも目に余る状態だったのでしょう。
「どうせ倫理なんて、受験に関係ないもんね。あんたたち、授業聞く気ないんでしょ」
と倫理の担当であるよしこちゃん(55歳位の女性)が静かに怒ったのです。
その時、わたしはというと、別の勉強をしようと思ってはいたのですが、よしこちゃんの倫理の授業って、けっこう面白くて、思わず、聞いてしまっていて…。
他の人もじつは授業を聞いていたのか、あるいは、内職をしていた生徒たちに罪悪感があったのか、わかりませんが、みんな倫理をしっかり理解してテストに臨んだのです。
その結果はというと…。
「このクラスの平均点は他のクラスよりかなり高かったわ。あんたたち、倫理をちゃんと勉強してくれたのね。テスト前にあんなこと言って悪かったわ」
と答案用紙を返し終わったよしこちゃんがぼそっと言ったのでした。
倫理の授業は受験には全く役立ちませんでしたが、人生では時々顔を出します。カント、ヘーゲル、ベンサム、ミルのあたりが特に印象に残っています。
「倫理をちゃんと勉強してくれたのね」というよしこちゃんの声が時折、聞こえてきます。
ところで、ミルといえば、父親から猛烈な英才教育を施され、青年期に精神の危機に陥った人として、早期英才教育は危険であるというような話の際によく登場します。
他方、カール・ヴィッテというドイツ人は、天才で人格も優れているということで、早期教育の分野で日本でちょっとした有名人。カール・ヴィッテ方式とかありませんでしたっけ?
ミルは知っているけれど、誰よ、カール・ヴィッテって?とじつは前から思っていたのですが、これを機にウィキペディアで調べてみました。が、ない…。
Karl Witteを英語で見てみたら、ありました!9歳でドイツ語(←母国語だから当たり前だけど)、フランス語、イタリア語、ラテン語、ギリシャ語を話し、13歳でギーセン大学で博士号を取得したと書かれています。
ヴィッテの父親が、息子の教育についての著書を書いたものの、ドイツでは批判にさらされ、すぐに忘れられたそうです。しかし、中国では21世紀の初めにベストセラーになったといった内容が…。日本語からの翻訳の際、Carl Weterと名前が変わってしまったらしいです…。
ミルにしてもヴィッテにしても、お父ちゃんが教育熱心だったのですね。
さて、ミルはある女性と出会い、精神の危機を乗り越えたとのこと。人妻であったその女性の身辺整理を待っての結婚。そして、その女性の早すぎる死によって、その結婚生活は7年ほどと短いものだったそうです。ミルは死後、その女性の隣の墓に眠っているそうです。そして、なんと、ミルは東インド会社で働いており、職業学者であった時代はないのだとか。
ミルのお父さん、相当、毒親だったのかもしれませんが、ミルはそんな境遇から立ち直って、静かな幸せを得たようです。人妻との恋愛だったので、十分、劇的だったのかもしれませんが。そんな苦悩の人生がミルを哲学者として育てたのかもしれません。ソクラテスには悪妻が、そして見るには強烈な父さんが…。哲学者には苦悩がつきものなんでしょうね。