「真の謝罪が見込めない時の心の持ちよう」ですが、仕返しの話まできました。
仕返し、これは実際大きな問題となっています。
一つのDV加害者更生プログラム内にとどまらない、日本全体の問題点かもしれません。
女性が専業主婦だった頃とは違い、社会全体が共稼ぎでないと苦しい生活になっているために起きていると予想できます。
「家庭とは何か」のあり方が男性と女性で違った状態で結婚し生活がスタートします。
男性は癒される家が出来たと思うし、女性は協力し合う家ができたと思います。
だから男性は家事をしません。そのことで喧嘩が頻繁に起きるようになり、別居へと進んでいきます。別れたくない男性は認知の修正をして、再スタートします。その時に女性は今までのうっぷんを吐き出します。うっぷんが出てきたあとは2つのパターンに分かれていきます。
その1、男性の我慢⇒男性の我慢の限界⇒揉める⇒直らないの断定⇒別居、離婚
その2、男性の我慢⇒女性の仕返しの強化⇒男性のウサギ化
今、この二極化になっていると思います。
どちらも大切な視点が抜けているからこの成り行きになるのです。
それは、男性に女性が訴えていることを感じる力なのです。
女性がいつも言うのは同じ事ばかりだと思います。
「あの時あなたはこうだった、私は辛かった。」(フラッシュバック)
「本当にごめん、もう絶対しない。」
この会話が何度も繰り返されます。そのうちに
「どうしてわかってくれないの。私は辛かった気持ちを分かってほしいの。」(フラッシュバック)
「どうしろっていうんだよ。何度も謝っているじゃないか。家事も前より全然やっているし、子どもだって充分みてる。」
「それを言っているのじゃない、怖かった気持ちを分かってほしいの。」(フラッシュバック)
「だから、謝っているじゃないか。何回謝ればあなたの気持ちが済むようになるわけ?だいたい、あなただって、僕を傷つけたよね。お互い様なんじゃないの?今なんか、あなたの方がDVを僕にしているよ。いくら頑張っても認めないのだから。」
女性はあきらめていく。
この会話はその1のパターンになっていくと思われます。
その1の場合、過去の事を持ち出して訴えている時、フラッシュバックを起こして止まらなくなっている場合が多いと私は感じます。この時の男性の受け止め方が大切なのです。
またか、いつまで言うんだ、いい加減にしろ、これは禁句です。
男性が言う「ごめんなさい」は、真に謝っておらず、(早く終わってよ)という言葉にならない非言語の気持ちが女性に伝わってくるのです。だから終わらない。何度もしつこく出てきます。
それに女性がフラッシュバックを起こすには、何か、男性側が地雷を踏んでいる可能性があるのです。リエゾンではその地雷を探すように言います。踏まないようにします。女性もフラッシュバックを起こしたくないのです。でも地雷を踏まれると体の中からムカムカと怒りが湧きおこってきて止まらなくなっていくのです。
ある例では「普通じゃない、お前はおかしい」と言葉のDVにあっていた女性は夫婦関係修復後、男性が何気ない会話の中で「普通」と言われると毎回フラッシュバックを起こし怒りまくっていました。男性も急に怒られるのですから、何が何だか分かりません。原因は「普通」の単語にあると分かってから、極力その単語を使わないように会話をすることでおさまっていきました。
大切なことは、女性がそのような状態なのだと男性側が分かってあげる事、地雷を探すこと、踏まないこと、です。切にお願いします。踏まれると女性もつらいのです。
これが許される仕返しです。別名「フラッシュバック」です。
次回に「許されない仕返し」について書きたいと思います。(その2のケース)