DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

町田市講演会での質問にお答えします②その3

2021-12-06 13:22:08 | 【DV加害者更生教育プログラム】

真の謝罪が見込めない時の心の持ちようですが、

以前、私が東京犯罪被害者ボランティアセンターにボランティア登録所属している時のことです。

その時に被害者遺族の声を聞く本(もう一度会いたい)や講座がありました。

時期を違くして二つの同じ被害に遭った遺族の声です。

 一つは、お子さんを交通事故で亡くされたお父さんの声です。子どもの命を奪った憎い加害者は逮捕され、収監されました。とても許せるはずもなく、ずっと悲しみに暮れていたそうです。でも加害者の彼は毎月謝罪の手紙を送り続け、刑期を終え出所してからも命日にお線香をあげに来たそうです。毎年毎年それは続けられ、何年目だったか、お父さんはその彼に「もう来なくていい。自分の人生を考え、生きなさい。」と言ったそうです。

真の謝罪は相手の恨みを氷解させます。絶対許せるはずもないことでも相手の未来を大切に考えられるようになるのだと感じました。

 もう一つは大変怒っているお父さんでした。お子さんを交通事故で同じように奪われ、その加害者は一度も謝ることもなく、謝りの手紙もない、出所後も何もすることのない加害者でした。

そのお父さんは、昨日事故が起こったかのように怒りに震えていました。
もうずっと何年も前のことでも、ずっと怒りに震えていました。

これは本当につらいです。

真の謝罪は被害者も加害者も双方が救われる。それに比べて、謝罪をされないことって被害者側がずっと苦しむのだ、と。

リエゾンは真の謝罪ができるように学びを深めていきます。ただし、これはその①の冒頭にも書きましたが、非常に難しいのです。

なぜなら、禁止令という存在があるからです。

禁止令は子どもの時に生き延びるために決断する決めごとですが、大人の自分には非常に息苦しい生き方となっています。自分が本当に感じている思いが正しく分からない大人になっているのです。例えて言うなら、重たい鎧(禁止令)を纏っているような状態で日々生活をしているようなものです。

真の謝罪が出来るには、まず、禁止令の解決をする必要があります。重たい鎧を外すことが必要です。

本来感じられる感覚を取り戻した上で、自分の行為を振り返るのです。その時、周りの景色が変わって見えるでしょう。

しかし、ここにも一つ問題が出てきます。

被害者(パートナー)からの仕返しであったり、過度な要求があると相互DVとなり、加害者からの謝罪の形を取ることが難しくなっていくのです。

ここで大切なことは、双方(加害者、被害者)が許される仕返しと、許されない仕返しの違いをわかっていることになります。

許される仕返しと許されない仕返しの説明は次回に続きます。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DVには専門のカウンセリングが必要です

2021-12-06 13:17:21 | 【DV加害者更生教育プログラム】

DVは治らないと思っていませんか?

DVは病気ではなく、認知の歪みだから認知を直せばいいとDV加害者グループが行われています。そのグループで認知の歪みを直すことはできるかもしれません。

だけど治せないものがあります。

それは生い立ちから受けた心の傷です。頭で学んだものは頭しか変わりません。
心で学んだものは心への対応が必要になります。

私はDVの原因は心の傷つき(感情)と、社会・家庭(認知)からの学びだと思っています。

心の傷から来るDVに対応するにはカウンセリングが必要です。

それをインナーチェンジングセラピーと呼んでいます。

リエゾンでは心の傷つきの手当てはインナーチェンジングセラピーを中心に行います。それは私が長年、カウンセリングを学んできた結論なのです。認知行動療法、傾聴カウンセリングも使います。

そしてもう一つは社会(家庭)からの学びです

こちらはグループミーティングで学び直しを行っています。

これは巷に聞くDV加害者グループとは違います。自己肯定感が落ち、自分の存在が揺らぐような事態にはなりません。自己肯定感が落ちることによるDV改善は健全な改善とは言えないのです。

リエゾンのグループは構成的グループエンカウンターを行っています。

エンカウンターグループでは
自己開示力と共感力を身につけていきます。それはパートナーとの関係性が映し出されます。ここでは練習を主にしていきます。最近、グループと聞くと恐れおののく方もいますが、決してそのようなグループではないことを断言します。重ねて言いますが、エンカウンターグループは、安全な守られた非日常の空間で自己開示力とパートナーの気持ちを汲み取れる共感力を身につけていく場です。

リエゾンちょうふは母性原理でカウンセリングを、父性原理でグループエンカウンターを行うことによって
感情と認知の両面のケアを行い、行動を変えていきます。グループのみ参加は行っていません。
未来はあきらめないで、何とかしたいというあなたの勇気とやる気が道を築いていくのです。

男性も女性も過ちに気が付いて何とかしたいと思った時、一歩踏み出す時が来たのだと私は思います。
カウンセリングによって楽になる人が1人でも増えることを願ってやみません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

町田市講演会での質問にお答えします②その2

2021-12-01 07:16:21 | 【DV加害者更生教育プログラム】

前回、力の強い者が「気が付いて欲しいこと」を載せました。

では言葉同士の暴力だったらどうなのか、を考えてみたいと思います。

 

私がインナーチェンジングセラピーを行っていて感じる事なのですが、DV加害を行う男性に親からの様々な負担を受けている事例が多いという事です。

様々な負担とは何か。

それは、身体的暴力であったり、精神的暴力であったり、ネグレクト(養育放棄)であったり、過度な期待であったりします。

すると、妻の言葉が非常に攻撃的に聞こえたり、挑発されている、嫌味を言われたなどと聞こえたりしてしまうのです。幼児期の体験が繋がっています。

そんな馬鹿なこと、と思われるでしょうが、インナーチェンジングセラピーを受けていくと妻の言葉が攻撃に聞こえなくなってくるようになります。「同じ言葉なのに」です。

妻が嫌味で言っていたわけではなかった、攻撃されたわけではなかった、と自分の受け取る感覚が変わった体験をしていくのです。

それ(攻撃的に聞こえる)とは逆に感情を感じないようにしている場合もあります。親からの負担をなるべく軽くしようと無意識に試みた結果だと思います。

当たり前に分かっても良いことが男性には分からない。妻の必死の訴えも分からないのです。女性が無力感に陥る瞬間でもあります。この場合もインナーチェンジングセラピー後に感覚が戻っていきます。

 

では、女性はどうなのでしょうか。

女性もインナーチェンジングセラピーを受ける事によって変わってくることがあります。

それは、他者の顔色をあまり見なくなることです。

顔色を見て、飲み込んでいた言葉を出せるようになった、と言った方が正しいかもしれません。

どちらにしても女性は強くなっていくことが起きます。

男性と女性のこの違いは私の感じる所なので本当にそうかは分かりませんが、たぶん子どものジェンダー問題に由来している気がします。

男の子は男らしく、女の子は女らしく。

あとは脳機能の差も関係していると思います。

男性は目的脳、女性はコミュニケーション脳、のように。

最初の言葉同士の暴力だったらどうなのか、に戻りますが、つまり女性側の言葉の暴力が実は暴力でなかった場合があるという事です。

でも今、関係改善に必要なことは「相手が嫌だと感じたらそれはやめる」ことです。しかし、顔色を見やすい女性と、攻撃的に受け取りやすい男性、若しくは感じにくい男性とでは、そのことが難しく、益々難しい関係性になっていくでしょう。

ここで私の持論になってしまうのですが、「DVはインナーチェンジングセラピーで解決できます。」です。家族の揉め事もしかりです。

私が皆さんに勧めたいことは、子どもの時の幼児決断を解決することです。幼児決断とは自分を守るために幼い自分がどう考え行動しようと決断したのか、という事です。禁止令とも言います。大人になった今では不必要な決断になっています。

本当の感覚が戻った時、目の前にいる家族が色鮮やかに違う存在に見えると思います。

お近くにインナーチェンジングセラピーのできるカウンセラーはいますか?

もし分からない時は

メンタルサポート研究所のホームページをご覧ください。

ms-ken.com

注意)インナーチェンジングセラピーは倉成央先生の提唱したセラピーで、再決断療法とは異なります。

インナーチェンジングセラピーは万能ではありません。発達障害には効果がありませんのでお伝えしておきます。

少し見えてきたかもしれませんが、質問(真の謝罪が見込めない時の心の持ちよう)の続きはまた次回に。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする