エアコンのガスが漏れた場合、原因は以下のように考えられます。
①子供や大人が室外機のガス管や液管を引っ張ったり、無理な力を加えたり、蹴ったり、乗ったりした。 (過失によるガス漏れ)
②室外機を配管の長さがあるので引き伸ばして室外機にガス回収ぜず現在の場所から別の場所に動かした。 (過失によるガス漏れ)
③フレア加工の施工が悪く、ガス漏れした。 (業者施工不良)
④室外機の熱交換部分が塩害で腐食し、ガス漏れした。 (買い替え時)
①、②、③の場合は、ガス補充の価値があります。
①の場合、配管の接続部が変形して漏れていますので、一度工具を使用してフレア加工し直して再接続します。
②室外機を勝手に移動してはいけません。室外機の配管接続部に負荷がかかるとガス漏れにつながるからです。配管が硬化している場合、折れます。
③の場合、施工業者にクレームを付けてください。弊社がこういう工事をした場合、一切料金をいただかずに、手直しします。
④の場合、室外機からガスが漏れているので、買い替えをお勧めします。何故なら錆びたトタン屋根を想像してみて下さい。一箇所に穴が開いたということは他にも候補があるということです。エアコンの場合、内部から圧力がかかっています。新冷媒の場合、圧力は1.6倍増えています。一箇所を直しても次のピンホールが破裂してガス漏れしない保障はどこにもありません。熱交換機のロウ付け溶接で対応できますが、ある箇所を直しても別の箇所からガス漏れした場合、お客様からすれば直っていないと思われ「お客様からまた漏れたよ!!!」と、クレームを付けられるからです。お客様は、「また漏れた!!!直していない!!!ただで直せ!」と思われるからです。熱交換器全体を変えることも考えられますが、まず古くて部品供給が難しい、あったとしても交換費用が高額。だからこういうケースの場合、業者としても修理対応しない方が無難です。ご了承ください。
付記:
ガス漏れは、パンク修理と同じです。漏れ箇所を特定ぜずにガスを補充する業者がいますがナンセンスです。また必ず漏れます。時間の問題で漏れます。
エアコンガスの漏れる可能性のある箇所は、
①室内機側のガス管、液管のジョイント部分
②室外機のガス管、液管のジョイント部分
③ガス管、液管の閉鎖弁(六角レンチで締められる箇所)
④サービスポート (エアコンゲージをつなぐ箇所)
⑤室外機の熱交換器部分(放熱を受け持つ部分)
※ガス管=太いほうの配管。液管=細いほうの配管
※閉鎖弁=室外機側の配管の繋ぎ目に横方向にナットが二つあります。その内部 のガスや液を止めるバルブのことです。サービスポートは、斜め下を向いて小さいキャップで閉めてあります。
まずエアコンのガスを室外機に回収して、閉鎖弁を上下共に閉めます。この段階で室外機と室内機を結ぶ配管内部にはガスが入っていません。そこで真空ポンプを使用して真空状態を確認します。これで真空状態にならない場合、配管の接続部分のどこかにフレア加工の問題があります。大きな漏れの場合、この方法だとすぐにわかります。(微妙な漏れの場合、真空ポンプでは検知できません。窒素ガスを入れて圧力を入れたほうが漏れ箇所が特定しやすいです。本当に微細なもれならそれでも検知は不可能です。)
接続部の問題なら、室内機側室外機側のフレア加工をやり直します。素人は、工具を持っていないためエアコンを取り付ける際にフレア加工ができません。だから、通常加工無しにモンキーを使用して締め付けます。フレア部分を両方加工しないとガス漏れに繋がりやすいです。
もし「ガス補充お願いします。」と依頼して上記のことをチェックせずに、お客様にコメントもせず、ガスだけ補充しようとしたら、依頼しないほうが、無難です。また必ず漏れます。お金の無駄につながります。
家庭用エアコンには、
R22 (旧冷媒)
R410A(新冷媒)
R32 (最新のガス)
の三種類があります。 室外機の配管接続部分の上にラベルがありますが、そこの「冷媒」の項目に記載されています。
新冷媒は、旧冷媒と比べてガスの原価が3倍です。修理代も高価になります。よく修理代が3万円もするなら買い換えたほうがいいというお客様が多いですが、修理したほうが安いです。何故なら買い換えた場合
①エアコン室内機&室外機の購入代
②エアコン取り外し代
③エアコン処分代
④エアコン取り付け作業代
⑤エアコン部材代(配管、ドレンホース、VA線等)
の価格がかかってくるからです。年式が古いなら買い替えがお勧めです。まだ古くないなら修理がお得です。個人的意見としては、「新冷媒」で「インバーターエアコン」なら修理されることをお勧めいたします。
29,800円とか安く入るエアコンは、要注意です。メーカー製でインバーター式なら問題はありません。インバーター式でないなら毎月の電気代が高くなりますから、メーカー品の6万円のものを購入されたほうが長い目で見て元が取れます。インバーター式エアコンは、風量や設定温度によって消費電力が変動します。私の自宅のエアコンの場合、160Wから1400wくらいまで変動します。(1000wを越えるのは暖房の時です。)購入される前に確認をお勧めいたします。お掃除ロボット機能は、お掃除が出来るのは最初だけ。そのうち吹き出し口はカビだらけ、あちこち埃で詰まって使い物にならなくなるのでお勧めしません。