小学校の修学旅行で日光に訪れたのは1969年(昭和44年)。あのアポロ11号が月面に着陸したとされる同じ年だ。翌年には大阪で万国博覧会も開催。日本は高度経済成長のただ中にあり、TVではスポ根ものが流行ったりしていたが、今になって振り返れば、どこかのんびりしたレトロな雰囲気が漂っていた時代だった。
あれから40年。昭和が終わって平成時代となり、21世紀に突入し、周囲の社会は大きく変化した。しかし、久しぶりに日光に来てみると、そこでは、40年前からほとんど時が流れていないかのように思えた。もちろん小学生時代の記憶はおぼろげなので、細かいところまでは定かでないのだが、受けた印象は不変。1999年に「ユネスコ世界遺産」という箔がついたことで、外国人観光客が増え、若い日本人観光客も意外に多かったことを別とすれば、日光はやはり昔の日光のままだった。
その日光の中心的存在と言えば、東照宮。あの「陽明門」も、「見ざる・言わざる・聞かざる」も、「眠り猫」も健在。あわただしく流れゆく時代の中で、「変わらないもの」というのは、不思議な安心感がある。やはり、昔から伝わるものは残しておくべき。そう強く感じたひとときだった。
★日光東照宮の入口、高さ9mの「一ノ鳥居」。「東照大権現」と書かれた黒い額は、畳1枚分の大きさを持つ。
★鳥居を入ってすぐ左側にある、高さ35mの「五重塔」。
★阿(あ)吽(うん)の形相をした2体の仁王像に見守られながら、「表門」をくぐる。
★表門を入ってすぐ左側には、あの三猿の彫刻で有名な「神厩舎」が建つ。
★「見ざる・言わざる・聞かざる」。悪いものは見ない、悪い言葉は言わない、そして聞かないようにして、子供に素直に育ってほしいという親の願いを表現した傑作。
★手を清めるだけにしては、あまりにも豪華な「水盤舎」。
★神厩舎の向かいにある「三神庫」の屋根の近くには、有名な絵師・狩野探幽による2頭のゾウの彫り物がある。
が、想像で描いたらしく、どことなく妙な姿に…。
★「鳴龍」で有名な薬師堂。堂内の天井に巨大な龍が書かれており、拍子木を打つとキーンと済んだ音が反響するため、その名がある。内部は撮影禁止のため、鳴龍のフォトは断念。
★階段を上り、いよいよ「陽明門」へ。
★東照宮の象徴、「陽明門」。まさに日本の造形美の粋とも言える、絢爛豪華な芸術品だ。
★陽明門には、おびただしい霊獣彫刻が施されている。これは中国から伝来した「唐獅子」。
★龍にもいろいろな種類がある。最上段の髭のない龍は「息」、下にいる白い馬のような龍は「龍馬」と呼ばれる。
★一本の木を丸彫りにした、精巧な「目貫の龍」。
★陽明門を入ってまっすぐ進むと、本殿への入口「唐門」がある。右端に描かれた「昇り龍」の寄木細工が見事。
★ここから先は、あの眠り猫のある「東回廊」と、徳川家康の眠る「奥宮」へ通じている。
★「眠り猫」を見上げる人たち。一瞬、どこにあるのか? と戸惑うほど小さい。
★左甚五郎作といわれる「眠り猫」。神秘的な謎に満ちている点では、ダ=ヴィンチの「モナリザ」並みの傑作。実は眠っていないのだ、という説も。
★東回廊を抜け、207段の階段を上り切ると、黒漆塗りの「奥舎拝殿」がある。かつては、将軍以外の昇殿は許可されなかったらしい。
★徳川家康が眠る、高さ5mの御宝塔。
★御宝塔の近くにある「叶杉」。樹齢600年以上のご神木で、願い事をするとなんでも叶うと伝えられている。
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昔の人はすごかったです。
温泉は翌日の午後、中禅寺湖の「湖畔の湯」に行きました。
レトロでのんびりした雰囲気がよかったです。
圧倒されますよね!!
温泉は行かれましたか?