空飛ぶ自由人・2

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映画『フォール』

2023年02月11日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

女性クライマーのベッキーは、
絶壁でのフリークライミングの最中に
夫・ダンを落下事故で亡くした。
それから1年。
悲しみから抜け出せずにいたベッキーを立ち直させようと
親友のハンターが新たなクライミングに誘う。
今は使われていない地上600mのテレビ塔を登ろうというのだ。


人里離れた荒野にポツンと立つ鉄塔。
二人は梯子にへばりつくようにして登り続け、


ようやく頂上に達することができた。


そこでベッキーは夫の遺灰を空から撒いて、
再起の一歩を踏み出す決意を示すが、
老朽化した梯子のボルトが外れ、
梯子は全て地上に落下してしまう。


地上600mの畳半畳くらいの場所に取り残された二人。

どうやって助けを求めるのか・・・

という、身動き取れない極限状況からの脱出劇は、先行作品が多々ある。
ユタ州の岩の裂け目で、腕を挟まれてしまい、
救出を待つ「127時間」(2010)。 (実話) 


サメに囲まれた岩場に取り残され、
満潮になれば、岩場が海面下に沈む危機を描いた「ロスト・バケーション」(2016)。


サメ鑑賞のケージをつなぐワイヤが切れて、
海底に取り残され、酸素が終わりそうになる「海底47m」(2017)などなど。


まだ観ていないが、昨日公開された日本映画「マンホール」も、その手の作品らしい。

この作品は、地上600メートルの中空に取り残される、
という新たなアイデア。
あんな建造物が実際に存在するのか不明だが、
とにかく女性二人を登らせ、孤立させるという無理やりさ。
下界との連絡手段を巡っての工夫。

食料も水もない。
電波は届かず、
アンテナに引っかかったドローンを何とか引き上げても、
電池切れだ。
二人の死を待って、禿鷹が狙っている・・・

次々と繰り出す新たな状況が描かれ、飽きさせない。
なにより良いのは、
描写を鉄塔頂上の二人に限定し、
父親だとか、地上の他の人間の描写を挟まないこと。
それだけ緊迫感が増す。

それにしても、どうやって撮影したのか。
いや、ブルースクリーンの前で演技し、
合成しているのは分かりきっているが、
大変見事につながっている。
高さの表現も十分。
観ている間、しばしば下半身がすーすーした。
観客をだます意外性も用意されている。

観ている間、しばしば下半身がすーすーした。

監督はスコット・マン
主人公の女性二人は
グレイス・フルトンヴァージニア・ガードナーが演ずるが、
残念ながら、
この女優二人の演技力が不足。
もっとうまく演じていたら、と惜しまれる。

5段階評価の「4」

予告編は↓。

2023.2.3(金)公開『FALL/フォール』|予告 - YouTube

新宿バルト9他で上映中。

レビューを読むと、
高所恐怖症の人が
怖いもの見たさで、鑑賞につめかけていることが分かる。
かくいう私も、高い所は苦手。
苦手だが、回りが囲まれていれば、大丈夫。
だから、飛行機の窓の外を観ても全然大丈夫。
台北101もドバイのブルジュ・ハリファも
NYのワールドトレードセンターも
展望台からならなんともない。

ただ、囲まれておらず、
吹きっさらしの手すりだけ、
というのは、足がすくんでしまう。
どうも、自分が、柵を越えて飛び出してしまうような気がするのだ。
パリのノートルダム寺院は、
最初に行った時は、回廊で高さにおののいたが、
二度目の時は、アクリル板で囲まれていたので平気だった。
崩壊する前のワールドトレードセンターは、
展望室には行ったものの、
屋上は吹きっさらしだと聞いて、
階段の前で引き返した。
今思えば、無理してでも登っておけばよかったと反省している。

 



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