空飛ぶ自由人・2

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映画『ローマンという名の男』

2022年07月28日 23時00分03秒 | 映画関係

[映画紹介]

2017年度アカデミー賞(「シェイプ・オブ・ウォーター」が作品賞を取った年)で、
デンゼル・ワシントン主演男優賞にノミネートされた映画。
日本では劇場公開されず、DVDでのみ発売。
Netflixで鑑賞。

ローマン・J・イズラエルはサヴァン症候群の弁護士で、
尋常でない記憶能力を持ち、
法律は全て暗唱でき、
裁判記録は紙の資料やカードで記録し、記憶している。
ただ、サヴァン症候群特有のコミュニケーション能力の欠陥があり、
人前に出てしゃべるのが得意ではないため、
友人のウィリアムの弁護士事務所で裏方として働いている。

サヴァン症候群・・・
知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、
その障害とは対照的に優れた能力を示す事例。
主に記憶能力、数学、音楽、美術、機械的能力又は空間的能力で、
ランダムな年月日の曜日を言えるカレンダー計算、
航空写真を少し見ただけで、細部にわたるまで描き起こすことができる空間認識、
書籍や電話帳、円周率、周期表などの暗唱、
並外れた暗算、音楽を一度聴いただけでの再現、
語学の天才で数カ国語を自由に操る、などなど。

ウィリアムは人権派弁護士で、
貧しい人のため弁護料を安く仕事をするため、
経営は難しかった。
ローマンは、司法制度に疑問を持ち、
法律の間違いを正す活動も目指していた。

ある日、ウィリアムが心臓発作で倒れ、
ウィリアムの親族は、事務所を閉鎖するという。
ローマンは、この事務所を支えてきたのは自分だという自負から、
自分がやると言うが、
あなたに経営はできないと一蹴されてしまう。
事務所の案件は、ウィリアムの教え子である
ジョージ・ピアスに引き継いでもらうという。

失業したローマンは「公民権を守る会」を訪ね、
再就職先にと希望するが、
所長のマヤ・オルストンは全てボランティアでやっているので雇えないと言う。

その後、どこからも良い返事をもらえなかったローマンは、
仕方なく、ジョージの事務所で働くことを決めた。
そこでコンビニ強盗の犯人の弁護を担当し、
司法取引をめぐるミスで叱責される。
また、マヤに誘われ、ボランティアの会合に参加するが、
若者たちの反発を受け、
時代が変わってしまったことを感ずる。

ローマンは、
なぜ、悪事も不正もせず、真面目に生きてきたのに、
こんな仕打ちを受けるのか、悩む。
入院中のウィリアムに会いに行き、
昏睡状態の姿を見て、ローマンの中で何かが壊れてしまう。

「恩知らずの依頼人に飽き飽きした。これからは、金を稼ぐ」
という心境に達したローマンは、
依頼人との守秘義務を破り
弁護士としての一線を踏み越え、大金を手にしてしまう。

今までの人生に見切りをつけ、
欲と金の世界へと落ちてしまおうと決めたローマンだったが、
そう決めたのに反して、周囲に変化が起こる。
正義感に溢れるローマンに突き動かされ、
ジョージはかつての情熱を取り戻し、
拝金主義よりも地域密着型の、
人に寄り添った弁護をしていきたいと言いだす。
その上、ローマンが提唱する司法取引制度を正す裁判を考えてみたいとも言う。
ボランティア活動に意味はあるのだろうかと迷っていたマヤは、
ローマンの志と姿勢に感動し、希望を抱く。

しかし、不法な手段で大金を手にしたローマンは、
意外な形でしっぺ返しを受け、
命を狙われる羽目になる。
そこで、ローマンは、
自分自身を告発する起訴状を裁判所に提出しようとするが・・・

風変わりなサヴァン症候群の弁護士の生き様を描いて、
なかなかいいが、
感動にまでは至らなかった。
構成要素に何かが足りない
しかし、ローマンを演ずるデンゼル・ワシントンの演技は、
さすがのうまさ。


ジョージをコリン・ファレル


マヤをカルメン・イジョゴが演ずる。


監督は「ナイトクローラー」(2014)のダン・キルロイ

 



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