空飛ぶ自由人・2

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電動アシスト自転車でお台場へ

2023年04月24日 23時00分00秒 | 身辺雑記

自転車で、お台場まで行って来ました。

↑のような約15キロの道程。
昔はよく自転車でお台場まで映画を観に行ったものですが、
さすがに、寄る年波には勝てず、やっていなかったのですが、
電動アシスト自転車という便利なものが出来たので、
挑戦してみました。

電動アシスト自転車は、
原動機付き自転車(バイク)と違い、
ペタルをこぐのをアシストする自転車
電池で動くモーターで、車輪の動きを補助( アシスト) します。
あくまでペタルを後押しするので、
それ自体では、動きません。
道路交通法施行規則第1条の3は、
電動アシスト自転車を以下のように定義しています。
①電動機がついていること
②時速が10㎞未満までは、人の力が1に対して、アシスト比率は2以下
③時速が10㎞以上24㎞以内では速度が上がるに従って徐々にアシスト比率が下がり、 
 人の力が時速24㎞の場合アシスト比率は0であること

出典元 YAMAHA「PAS SION-U」の取扱説明書

これらの条件を満たした自転車を
電動アシスト自転車と呼んでいます。
バイクとは違い、運転免許は不要です。

最近増殖しているレンタル自転車は、
ほぼ、電動アシスト。
↓のように、都内はステーション多いですが、

浦安市内には、まだ数か所。

近所にステーション↓が出来たので、借りに行きました。

あらかじめ会員登録が必要です。

4台ほどの中から電池の充電が一番良いものを選び、

予約すると、開錠のための暗証番号が送られて来ます。

車体の番号を確認し、パネルに番号を打ち込んで、開錠。

ファルコンⅦ号と、勝手に命名。

ECO、坂道、急坂の3つのモードを自由に変えられます。

時速、電池の残量、あと何キロアシストが得られるかが表示されます。

発進。

舞浜大橋への坂。
前は降りて押しましたが、電動アシストでは、スイスイ。

舞浜大橋で旧江戸川を渡ります。

渡ったところが葛西臨海公園

ここで寄り道

ここは、野鳥の観測所。

こうして覗きます。

舞浜のホテル群が見えます。

ここには水族館があります。

観覧車。お客はいるのでしょうか。

湾岸道路を越して、

再び橋への坂。スイスイ。

荒川を渡ります。

橋からの眺め。

豊洲のマンション群。

有明コロシアム。

ゆりかもめの下をくぐります。

お台場は、道路が整備されています。

着きました。

証拠写真。

行きは寄り道をしたため、1時間半ほどかかりましたが、
帰りは50分
ステーションに戻って「返却」を押すと、
メールが送られて来ます。

3時間8分借りて、料金は1230円
安いものです。

料金は、最初の30分130円
以降15分ごとに100円
4、5時間過ぎると、
12時間で1800円
自動的に切り替わります。
(料金体系は、地域によって異なります。) 

また、充電は自動ではなく、
地域の運営会社が巡回して交換しています。

とにかくペタルが軽く、
楽で、汗もかかず、快適。
ちょっとクセになりそうです。

 


小説『燕は戻ってこない』

2023年04月22日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

桐野夏生による生殖医療の話。

北海道の人口数千人の田舎町出身で、
介護職を辞めて上京、
憧れの東京で病院事務の仕事に就いたが、
派遣の非正規雇用ゆえに
手取り14万円の薄給で、
家賃5万8千円を払うと、
残りの8万2千円で生活する、
29歳のリキは、
生活を切りつめた希望のない生活を送っていた。
「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、
アメリカの生殖医療専門クリニックの日本支部に赴くと、
国内では認められていない「代理母(だいりぼ)出産」を持ち掛けられる。
不妊治療のあげく、
出産不可能の結論を突きつけられたある夫婦が、
夫の精子で人工授精の上、出産してくれる女性を探しているというのだ。
自分の子宮を提供することに抵抗感をおぼえるものの、
高額な謝礼(1千万円)につられて受け入れ、
妊娠にまで到達するが、
中絶しようかとリキは揺れ動く・・・

昔、子どもは「さずかりもの」とされていたが、
科学の発達で生命誕生の仕組みが解明されてしまうと、
人工受精だの、代理出産だのという
それまでは想定しなかった事態が起こってきた。
子どもが出来ない夫婦の希望を叶える「人助け」というのは建前で、
結局は金の問題
金持ちの願望を貧困にあえぐものが金で売買するという構図だ。

この物語も、金持ちと貧者の間でのビジネスとしての契約だが、
しかし、生身の人間のすることだから、
感情の揺れ動きはなんともしがたい。
そのあたりをていねいに描いている。

子どもを代理出産してほしいというセレブは、
有名ダンサーの家系で、
夫の基(もとい)は、
自分の遺伝子を継承した子どもをダンサーとして育てたいと思っている。
夫の母の願望はもっと生臭い。
というのは、自分の遺産を息子が相続した後、
息子が死ねば、その遺産は嫁の悠子が相続し、
悠子が亡くなれば、その兄弟が相続する。
悠子の弟はニートで、
そんな血のつながりのない、しかも低劣な人々に
自分の遺産を持っていかれるのは耐えがたいというのだ。
だから、息子の代理母の計画にかかる2千万は自分が出す、という。

金持ちの感覚はそういうものかと、興味深かった。

結局、リキは代理母となることを承諾するが、
その仕組みが驚きの内容。
日本では人工授精は夫婦間にしか認められていないので、
まず、基が悠子と離婚
リキと結婚した上で、
妻として人工授精をしてもらう。
そして、出産した暁には、
リキと離婚し、基は悠子と復縁して、
戸籍上も正式な子供として育てるというのだ。

代理母は、東南アジアの人を使ってする方法もあるが、
その方法は取らない。
提供された卵子と精子を掛け合わせて
胎内に戻す膣外受精の方法も取らない。
となると、
上記の方法が合法的だという。

実は、クリニックのコーディネーターが
リキをこの夫婦に勧めた理由があった。
というのは、リキの顔が悠子と似ているというのだ。
なるほど、生まれた子供が悠子にも似ている可能性が高い。
そんな理由もあるかと感心した次第。

リキは他の男性との性交は禁じられる契約だが、
リキは帰省した時、元の上司とホテルに行ってしまう。
もう一人、男性売春の男とも交わってしまう。
一応避妊具はつけたが、漏れている可能性もあるという。
出産後にDNA鑑定の必要など、
というサスペンスも用意されている。

この揺れ動くリキや悠子の心の動きを描くと共に、
妻の友人で春画作家のりりこなどが介入してくる。
りりこは春画を描くのに男性経験がなく、
セックスも拒絶するという、不思議な人物。

生命の誕生にまつわる話で、
倫理的なものもからむ難しい題材を選んだ、
いかにも桐野夏生らしい小説だが、
やはり読んでいて爽快な気持ちになれないのは、
登場人物がことごとく自分勝手の塊であることだ。
自分のDNAの継承、家の職業(ダンサー)の継続、
遺産の相続、そして金・・・

だが、今日的な題材であることは確か。

卵子にもランク付けがあり、
学歴の高い人や美人の卵子は高い、というのは笑った。
そのことを聞いたリキが、
スーパーで売っている安い玉子と
高いブランド玉子を想起するところなど、面白い。

自分の卵子がCランクか、それ以下かと思うと不快だった。
自分の卵子は、ミヨシマートの1パック198円の卵なのか。
ブランド卵は1個50円なのに、
30円もしない卵か。

エッグドナーに選ばれた場合、
日本国内では採卵できないため、
海外に行って処置をしてもらう。
2週間も勤め先を休むのは勇気がいるが、
報酬は50万円だという。
海外旅行先は、はじめタイかと思ったが、ハワイだという。
海外旅行をさせてもらって50万円。
貧困者にとっては、おいしい話だ。

と、生殖医療について知識は増えたが、
不快感はつのる。

第57回吉川英治文学賞受賞作、
第64回毎日芸術賞受賞作。

                


映画『ハンガー 飽くなき食への道』

2023年04月21日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

タイ・バンコクの旧市街。
家族で営む大衆食堂で料理を作る20歳のオエイは、
ある日、客としてやって来た
有名シェフの部下が、オエイの才能を認め、スカウト、
タイの高級料理チーム「ハンガー」にシェフとして誘われる。
「ハンガー」は、カリスマシェフのポールが率いる創作料理集団で、
セレブたちの会合のために、
かつてない料理を提供して、高い評価を得ていた。
厳しい採用試験を突破したオエイは、
ポールの下で修行していく。
ポールは料理の才能は確かなものの、
偏屈で傲慢な独裁者だった。
反発しながらも、ポールのような“特別”な存在になろうと努力する。

ある日、ポールチームは狩猟が趣味の金持ちと一緒に森へ行き、
狩猟後の鳥を調理するが、
それは保護鳥を調理するという違法な行為だった。
耐えきれずオエイはポールと袂を分かつが、
その後、フードプロデューサーの支援を受けて
高級レストランのチーフシェフを任されるようになる。
オエイの料理は評判を呼び、
人気のシェフになるが、
自分の中にポールの影が差していることに気づく。

そんな時、富豪夫人のパーティ料理を担当することになったオエイは、
その場がポールとの師弟対決の場であることをあかされる。
そして、その結果は・・・

タイで作られた料理に関する格闘技映画
タイといえば、庶民的な屋台料理が有名だが、
これは、大衆的な料理と
セレブのための創作料理の対決を描いている。
タイ社会の格差社会を背景にした骨太作品

4月8日に全世界で配信されると、
Netflix 映画部門のグローバルTOP10で、
第1週は2位、第2週で1位に輝いた

貧困層のストリートフードの料理人を演じたのは
モデルから俳優に転身したチュティモン・チュンチャロエンスキイン
(絶対憶えられない)
どこかで見たことがある、と思ったら、
この人、「バッド・ジーニアス」(2018)で
カンニングの指導者になった人だった。
あの時は、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
といったが、改名したのか、
それとも読み方が違うのか。
美人とは言えないが、個性的風貌を生かした役作りが成功。
中華鍋を振るために、どれだけ練習したのだろう。


そして、ポールを演ずるのが
ノパチャイ・チャイヤナーム
カリスマシェフを演じて、圧倒的な存在感を見せる。

映画技法は、タイ独特というより、
グローバルな手法。
監督のシティシリ・モンコルシリの手腕は確かだ。

原題の「HUNGER」とは、「渇望」の意。

 


東京ミッドタウン八重洲

2023年04月20日 23時00分00秒 | 様々な話題

東京ミッドタウン八重洲に行ってみました。

場所は東京駅八重洲口の真ん前。

六本木、日比谷に続く3番目のミッドタウン。

三井不動産の持ち物です。

1階は、よくある外国有名ブランド店ではなく、

日本文化を発信する店舗ばかり。

2階に上がると、

ここも、同じ日本文化発信のお店が。

しかし、何と言っても、このスペース。

ヤエパブという、パブリックスペースに、

様々な店が出店するフードコート。

東京駅を眺めながら食事が出来ます。

中でも一番人気が、この店。

かき氷店の1か月替わりの出店。

ご覧の行列。

3階はレストラン。

4,5階は、イノベーション・フィールドというスペースで、

喫茶店があります。

5階には、緑のスペースがあり、

ここでも東京駅を見下ろして休憩が取れます。

八重洲の空中に浮かんだ庭園。

7階から38階はオフィスフロア
既に、満室だそうです。
そりゃあ、立地は最高ですからね。
「ミッドタウン八重洲に勤めています」と
言ってみたいでしょう。
↓こんな景色を見ながら仕事をすれば、士気も上がります。

ということは、他のビルに空きが出来るわけで、
東京のビル事情は、どうなっていくのでしょうか。
「2023年問題」と言われ、
オフィスが余ることが予測されているそうです。

地下はちょっと庶民的な店ばかり。

コンビニもあります。

更に下がると、

地下2階は、バスターミナル

全国各地にバスが出発します。

こうして、新しい名所が出来て、
まだまだ変化する町、東京。

しかし、一方では、このように、

終了するビルもあります。

この店には、よく行ったので、残念。

 


小説『ぼくせん 幕末相撲異聞』

2023年04月18日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

ちょっと風変わりな時代もの。

時は幕末の文久3年。
前頭七枚目の三峰山岩蔵は、
勧進相撲で張出関脇の陣幕と対戦し、
髷を掴むという禁じ手を使って、角界追放となってしまう。
薩摩島津家お抱えの三峰山が、
松江松平家お抱え力士の陣幕に禁じ手を使ったということから、
薩摩藩からお抱えを解かれた三峰山は、
明日の食い扶持にも窮するほど追い込まれてしまう。
行き場がなくて困っていたところ、
行司をやめてきた式守庄吉の提案で、
大阪相撲からやって来た磯助と組んで、
新たな格闘技を立ち上げる。

その格闘技とは、足の裏以外の体の一部が地面に着いたら負け、
という相撲のルールはそのままに、
拳骨で殴ったり、足で蹴ったりすることも許す、
早い話が、今のボクシング
更にはキックボクシングと相撲を融合したものだった。
相撲のように押し出しはない。

しかも、基本的に八百長
最初から試合の流れと勝ち負けを決めておいて、
格闘の最後に大技で倒す。
一方的に勝負が付くと盛り上がらない、
お互いの攻防が行われたうえで
決着が付くのを前提とする、
その過程の技の出し合いを楽しんでもらう、というもの。
今のプロレスみたいなものだ。
(ご存じだと思うが、
 プロレスの技は、相手の協力がないと決まらない。
 腰を引かれたら、技はかからないのだ。)

また、善玉と悪玉を役割分担して、
最後は善玉が勝つようにする。
そうすれば芝居だと言って興行が打てる。

「歌舞伎だって実際に人は死にませんが、
本当に人を殺すよりも迫力のある舞台をつくることができます」

名付けて「ぼくせん」
ボクシングの訛ったものか。
実際はオランダ語でBOKUSENとは、
ボクシングのこと。

昨年、「慶応三年の水練侍」で
朝日時代小説大賞を受賞した木村忠啓(きむら・ちゅうけい)。
受賞作も、幕末の動乱期に
藩の行方を左右する水泳勝負に挑むこととなった侍の奮闘を描く、
「スポーツ時代小説」という、新ジャンルの小説だった。
そして著者2作目となる本作でも、
幕末を舞台に、元力士が
観客に見せるための格闘技を立ち上げるという、
奇想天外な物語。

競技の時に着る半纏にそば屋や饅頭屋の名前を染めるなど、
庄吉の営業力もなかなかのもの。
手にはなめし皮を巻くのも、ボクシングのグローブのようだ。
選手(?)の入場には、お囃子を付けるというのも、
現代と同じだ。

やがて、噂を聞きつけた力自慢や荒くれ者たちが集まり、
誰も見たことない格闘技「ぼくせん」に、
次第に観客が集まり始める・・・・

幕末に、相撲興行を観戦したイギリス人が
力士を挑発して対戦が行われるなどの事実があったらしい。

もともと相撲には土俵がなかった。
土俵ができたのは、
織田信長の頃という説もあるが、
存在が確認される確かなところでは
元禄年間(1688~1704年)であり、
相撲の歴史からすれば、
かなり後になってからである。
土俵がない時代の相撲では、
力士の回りを観客が囲み、
これを「人方屋」(ひとかたや)と称した。
土俵がないから、
押し出しや寄り切りもなかったと考えるほうが自然である。

などと、蘊蓄も豊富。

市村座の座元である十三代目市村羽左衛門も登場し、
岩蔵は言う。

「西洋相撲などと呼ぶ者もいるそうですが、
あっしはそうは思いやせん。
むしろ、ぼくせんこそ
古来の相撲の姿に近いと思っておりやす」

日本で初めてプロレスの興行が行われたのは
明治20年だという。
(ホントかね)

ネットで「ぼくせん」で検索すると、
砥上裕將(とがみひろまさ)の小説「線は、僕を描く」が
が沢山出て来て、笑った。


「ぼく」と「せん」で、
そういう検索結果を生むらしい。