空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

映画『ノートルダム 炎の大聖堂』

2023年04月17日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

2019年4月15日夕刻に
パリのノートルダム寺院で起きた火災事故を題材にした実録ドラマ。

ノートルダム寺院といえば、
数ある世界遺産の中でもトップクラスに入る文化遺産。
のみならず、パリの象徴であり、フランスの魂でもある建造物。
その建物が燃え、崩落したのだから、只事ではない。

↓横から見たところ。

本作は、その経過を克明にドキュメンタリータッチで追う。

石作りの聖堂がどうして燃えるかというと、
天井部分は重さを軽減するために、木製であるため。
丁度その時、大聖堂は尖塔のメンテナンス作業を行っていた。

火災の原因は、作業員の煙草、
(実際修復作業員の吸い殻が7本、現場で発見されている)
鐘を鳴らすための配線の上に小鳥が乗って負荷がかかって発火、
等々と言われているが、
映画では、その原因のどれもが可能という作りをしている。
(検察当局の最終結論は、「詳しい出火原因は不明」。)

警報が鳴り、行われていたミサを中止し、
参列者を一旦外に出すなどの措置が行われるが、
機械の誤作動と判断し、
参列者を再度中に入れ、
ミサを再開する。
しかし、その間に火は広がり、
煙が出ていることが外部から通報されて、
初めて火災発生と認める。
それまでは防災責任者も火災を信じようとしなかった。

(第1回の火災警報が6時20分、
 第2回の火災警報が6時43分、
 出火の確認が6時50分。)

絵に描いたような現場の気の緩みだが、
外にいた観光客の撮影した動画で初めて当局が事態を把握、
その時点で、肝心の大聖堂からの通報はなかった。

その後の消防隊の奮闘も諸事情により困難を極める。
まず、交通渋滞で消防隊の到着が遅れる。
通れない細道を引き返したりする。
野次馬の整理にエネルギーを割かれる。
螺旋階段を登って火元に行こうとするが、
施錠されたドアが開かず時間を浪費する。
放水では、ホースがねじれて水圧が上がらない。
パリの消防署では梯子車の高さが足りないので、
応援をお願いしたヴェルサイユの梯子車が遅れる。
その間に炎は広がり、
屋根の鉛が溶けだし、消防隊員の上に降りかかる。
高温で溶けた鉛が滝のように落ち、ホースに穴を開ける。
聖遺物を救出に必要な
カギを持っている責任者が
ヴェルサイユ宮殿に出張中で、
電車を乗り継ぎ、自転車で駆けつけるが、
途中で警察に阻止される。
マクロン大統領が現場にやって来て、エネルギーを割かれる。
(この場面で福島第一原発にやって来て邪魔をした菅元総理を思い浮かべた人も多いはず。)
大統領視察にダミーの指揮系統を用意したこともあかされる。

火災発生位置は、正面から見て後方の尖塔部分で、
聖堂内部のドームに穴が空き、
そこから炎が落ちて来る、身の毛もよだつ光景も描写される。


そして、正面の鐘楼にも火が回り、
そこが崩落すれば、聖堂の外観も失われる。
そこで、決死隊が組織され、
鐘楼内部を上がり、消火作業をする・・・

等々、息を飲むリアルな映像の続出
まさか聖堂内部で撮影したはずがなく、
セットを組んだのだろうか、と思っていたら、
実際に実物大のセットを作って燃やしたというから驚く。
身廊の大部分、螺旋階段、屋外の通路、北側翼廊の梁、
巨大な鐘楼の内部・・・。
そうでなければ、
この臨場感は出せなかっただろう。

本作は、
実際に大聖堂の内部で撮影できたシーンと
外観の似ている他の大聖堂で撮影した場面と
スタジオで大聖堂を模したセットで作り上げたシーンとで構成されている。
更に、外から撮影された当日の映像を
うまく組み合わせて編集し、
マルチ画面で見せる。
マクロン大統領の映像も出て、リアルだ。

実際に現地で起こったとされる「アヴェマリア大合唱」も描かれている。


聖遺物「いばらの冠」を救出したと思えば、
「それは展示用のレプリカだ」と指摘され、
本物が置かれている金庫を開けようとするが、
担当者がパニックで開け方を思い出せない。
スマホで連絡を取るが、電池の残りはわずか、
などというサスペンスも用意されている。
消防隊員の上司が
「大聖堂は再建できるけど、命は取り戻せない」
と言うセリフが印象的。
消火活動で死傷者は出ず(実際は軽傷者が一人)、
朝までに消し止められ、
全面崩壊は阻止された。

リアルな映像撮影を指揮したのは、
「愛人/ラマン」(1992)「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(1997)の巨匠
ジャン= ジャック・アノー
79歳でのこの仕事。
さすが。

ラストカットは、
少女が聖母マリア像に捧げたロウソク。
憎い映像だ。

面白い、と言っては不謹慎だが、
興味津々で画面に魅せられた映画だった。

全編IMAXカメラで撮影したが、
残念ながら、IMAX上映館は少ない。
「IMAXで上映」と書かれているから調べると、
実際は上映されていなかったりする。

5段階評価の「4.5」

シネスイッチ銀座他で上映中。

 


浦安市郷土博物館

2023年04月16日 23時00分00秒 | わが町浦安

浦安市郷土博物館が、
4月1日にリニューアルしたというので、
行ってみました。

入場無料。

ゆるキャラの「あっさり君」

こういう展示。

昔の浦安。今よりずっと狭い。

漁師町でしたので、その展示。

主な海産物はアサリ。

キャラクターの「あっさり君」も、そこから。

海苔も産物。

↑のような道具で、アサリをむきます。

アサリを獲る網。

ここからが新展示。

映像で歴史を辿ります。

東西線が来て、「陸の孤島」から脱却。

昔は、「東葛飾郡浦安村」。

「浦安町」を経て、「浦安市」へ。

そして、東京ディズニーランドの開園。

今年で40周年。

南の方には、京葉線も。

ここからは浦安の自然。

「べか舟」のことは、欠かせません。

造船技術も発達。

焼玉エンジンというのがありました。

屋外の展示。

べか舟。

日曜には試乗体験も。

 

古い民家を移設。

 

 

こういう路地がありました。

こういう作りもなつかしい。

天ぷら屋。

その内部。

山本周五郎「青べか物語」の説明。
周五郎は、1年間ほど浦安に住んでいたことがあるのです。

なつかしい風呂屋。

映画館もあったようです。

中に入ってみました。

駄菓子を売っていました。

魚屋さんも。

ここでは、古い写真を見ることが出来ます。

別の家の中。

こういう電灯でしたね。

タバコ屋さんというのは、今もあるのでしょうか。

帰り道では、上から見ることが出来ます。

私が浦安に引っ越したのは、1977年のこと。

 

それから46年。

すっかり、「わが町」となりました。

 


エッセイ『旅する力』

2023年04月14日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

バックパッカーのバイブル「深夜特急」を書いた沢木耕太郎
その誕生秘話を記す<最終便>
<最終便>というのは、
「深夜特急」が3部作で、
<第一便><第二便><第三便>とされていたことから。
筆者は26歳の1973年、
インドのデリーからイギリスのロンドンまでのおよそ2万キロを、
(鉄道を使わず)乗合バスだけを使って一人旅をするという試みをする。
その若い頃の旅行体験をつづったのが「深夜特急」。
第一便は、香港からシンガポールまで、
第二便は、インドからテヘランまで、
第三便は、トルコからロンドンまで。
文庫版を含め、250万部という、記録的なヒットをした。

<第一便><第二便>は1986年の発刊。
(新聞連載はそれより前の1984年から)
旅行からは13年経っている。
それなのに、なぜ詳細な記述が出来たかというと、
旅行の際、克明な出納帳と記録を取っていたから。
その記録を見ながら記憶を呼び覚ましたのだ。
「深夜特急」をプロデュースした新潮社の石井昴が
「あの旅は作家が二十代の頃の体験で、
実際に書いたのは10年後。
旅の本質は年月を経て結晶するんだ」
と言ったという。
発酵するのにそれだけの時間が必要だったのだ。

<第三便>は1992年の刊行。
<第二便>から6年経っている。
それから更に16年たった2008年に刊行されたのが、
この<最終便>だ。

「深夜特急」では書かれなかったエピソードや、
旅に出るまでの経緯のみならず、
デビュー直後の秘話などが書き連ねられている。
沢木耕太郎という作家は、このようにして生まれてきたんだな、というのが分かる。

本の題名が、
映画「ミッドナイト・エクスプレス」アラン・パーカー監督)による、
という話も興味深い。


アメリカ人の若者がトルコを旅し、
ハシシの密輸の罪で捕まり、
4年後に脱獄する話。
「ミッドナイト・エクスプレスに乗る」
というのは脱獄の隠語。
筆者は、この映画を観て、
ひとつ間違えば著者も同じ目にあったかもしれないと痛感する。
筆者の旅行は、病気は一度だけで、
盗難にも事件にも巻き込まれない幸運なものだった。
この本は若者の冒険心を刺激し、
沢山の類似体験希望者を生んだが、
極めて危険なものだ。
しかも、筆者が旅行をした26歳になる若者たちを刺激したというのだから。

年齢について、次のような記述がある。

あの当時の私には、
未経験という財産つきの若さがあったということなのだろう。
もちろん経験は大きな財産だが、
未経験もとても重要な財産なのだ。
本来、未経験は負の要素だが、
旅においては大きな財産になり得る。
なぜなら、未経験ということ、
経験していないということは、
新しいことに遭遇して、感動できるということであるからだ。
もしそうだとするなら、
旅をするには幼ければ幼いほどいいということにならないか、
という疑問が湧いてくるかもしれない。
しかし、そうはならない。
極めて逆説的な言い方になるが、
未経験者が新たな経験をしてそれを感動することができるためには、
あるていどの経験が必要なのだ。
経験と未経験とがどのようにバランスされていればいいのか。
それは「旅の適齢期」ということに関わってくるのかもしれない。

そして、こうも書く。

やはり旅にはその旅にふさわしい年齢があるのだという気がする。
たとえば、私にとって「深夜特急」の旅は、
二十代のなかばという年齢が必要だった。
もし同じコースをいまの私が旅すれば、
たとえ他のすべてが同じ条件であったとしても
まったく違う旅になるだろう。
残念ながら、いまの私は、
どこに行っても、どのような旅をしても、
感動することや興奮することが少なくなっている。
すでに多くの土地を旅しているからということもあるのだろうが、
年齢が、つまり経験が、
感動や興奮を奪ってしまったという要素もあるに違いない。

私も旅行の時は、
「感動のインフレ化」というものに注意した。

猿岩石が、1996年、バラエティ番組で、
香港からロンドンまでの無銭旅行をしたが、
それについては辛辣な批判をし、
虚偽を指摘している。

 


映画『ザ・ホエール』

2023年04月13日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

ブレンダン・フレイザーが奇跡のカムバックを遂げて、
アカデミー賞の主演男優賞を取った作品。
という関心で観た。

40代のチャーリーは、
リモートで大学のエッセイ講座の講師をして生計を立てている男。
272キロの超肥満体で、
歩くこともままならず、
巨体をもてあましながら、
自宅に引きこもっている。

その男の境遇が次第に明らかになってくる。
8年前、教え子の男性と駆け落ちして家庭を捨て
その恋人アランが拒食症で亡くなって以来、
その喪失感から過食に走り、
ついに、この巨体になったという。


容貌が「おぞましい」ため、
リモート画面でもカメラの故障を理由に、
講師の顔は出さずにいる。

アランの妹で看護師のリズが
心配して様子を見に来て、
入院を進めるが、金銭的理由で断っている。
「うっ血性心不全」の発作を起こし、
リズの見立てでは、余命1週間だという。

チャーリーは、死期を悟り、
最後の願いとして、疎遠だった娘との関係改善を望む。
訪れて来た娘エリーは、
17歳のティーンエイジャーで、
学校生活と家庭でトラブルを抱えて心が荒んでおり、
父親にことごとく反発する。

これに、伝道で訪問してきた
カルト教団の宣教師の青年の話がからみ、
別れたも登場する、5日間の出来事。

観ていて、ああ、これは原作が舞台劇だな、
と思ったら、予想どおり、エンドクレジットで判明。
劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇が元だった。
セットが一つ、
主要な登場人物が5名という、
いわゆる「ウェルメイドプレイ」というやつだ。
登場人物がやたらと葛藤対立するのは、
舞台劇の手法だから。

その舞台劇を、
安易に回想などで手を加えずに、
密室劇のまま終始したのは、
監督のダーレン・アロノフスキーの矜持だろう。

死期を悟った男が、
疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする、
喪失と絶望、許しと救済の物語だが、
感動的なはずが、
私は最後まで乗れなかった。
原因は明白で、
主人公に少しも共感するところがなかったからだ。

教え子の男性と恋仲になって、
妻と娘を捨て、
その恋人の死で、
過食症に陥り、
生命の危機にまで陥っていながら、
金を理由に治療をしない。
12万ドルの資産を持っていながら。

可哀相な境遇で、同情はするが、
それは全部、自分がそうしたのだ。
自業自得。
家庭を捨てるという、人間として最低の行為をしていながら、
今度は、その娘との絆を取り戻したいという。
甘ったれるのもいい加減にしろ。
さんざん周囲を不幸にしておいて、
自分だけ救われようというのか。
全ては自分のした過ちの結果として、
七転八倒しながら、苦悩のまま、潔く死んでいけばいい。
娘に会いたいなどという願望は、
その資格がない、という形で自分を律すればいい。

本来、宗教に救いを求める性質のものだが、
どうもキリスト教系新興宗教「ニューライフ教会」が
アランの死に関係しているらしく、
その道も閉ざされている。
大体、恋人をなくしたことが過食の原因だというが、
連れ合いをなくしても、気丈に生きている人はいくらでもいる。
もっと喪失感の大きい、子どもを失ってもいないのだ。

もちろん、そういう人間を描くことは、
芸術作品の題材としては悪くない。
だが、過食症の肥満体、という設定は、
作りすぎていないか。
肥満が進む途中で、
これではいけない、と立ち戻ることが出来ない人は、
同情の余地がなく、
娘との絆の復活など、求めてはいけない。
まして、最後にリモートの画面に自分の姿をさらした後、
自分が学生たちに教授したことを全否定して、
パメコンを放り投げるなど、
どうかしている。

ラストで、それまで雨で暗かった外から
陽光が差し込み、
ラャーリーの症状を緩和するために読んでいた
エッセイが何だったかが判明するが、
それは、救いではない。
そのエッセイとは、メルビルの「白鯨」に対するもので、
題名の「ザ・ホエール」はこそこに由来する。

むしろ、死期を悟った主人公に、
周囲が娘との絆の復活を勧めるが、
本人が「俺には資格がない」と言って固持する、
それをまわりが手を回して・・・
という話だったら、共感したのだが。

というわけで、
「主人公への共感」という
最低限の要素を欠如したこの作品、
評価は「3」だが、
ブレンダン・フレイザーの演技は見事の一言。


看護師役のホン・チャウの演技と、
素晴らしいメイクの技術も合わせて、
1点を加えて、5段階評価の「4」

TOHOシネマズ他で上映中。

4:3のスタンダードサイズだが、
劇場ではスクリーンはワイドのまま。
左右の黒い部分はスクリーンに残る。
昔はサイズに合わせて黒幕を移動した。
どうしてそんな手間を惜しむようになってしまったのだろうか。

以下は、与太話。

チャーリーが死んだ後、
葬儀はどうしたのだろうか。
つまり、は、そんな大きなサイズがあるのだろうかという心配。
更に、日本だったら、火葬しなければならないが、
火葬場は、そんな巨体に対応できるのだろうか。
実例はあると思うので、
誰か教えて下さい。

 


京葉線の新駅                                                

2023年04月12日 23時00分00秒 | 様々な話題

京葉線に新しい駅が出来たというので、行ってみました。

新しい駅は新習志野駅と海浜幕張駅の丁度中間にあり、
名前は「幕張豊砂」(まくはりとよすな)。

千葉県内のJRの駅としては
武蔵野線の東松戸駅以来25年ぶりの新駅

京葉線の18番目の駅になります。

3月16日オープン。

何もかもが新しい。


まだ売店はありません。

ものすごく広いバスターミナル。

その前に大型商業施設イオンモールが。

まるで、この施設のために新駅が出来たかのようです。

新駅の建設が決まったのは、
5年前の2018年4月。
幕張新都心には幕張メッセや、ZOZOマリンスタジアムなどがありますが、
駅は海浜幕張駅しかなく、混雑の緩和が大きな課題でした。
このため、地区の西側に大型商業施設(イオンモール)を構える地元企業と
千葉県、千葉市でつくる「協議会」が
海浜幕張駅と新習志野駅の間に新駅を設置するよう
JR東日本に要請し、
建設費用110億円の2分の1 を地元企業が、
県と千葉市、JR東日本がそれぞれ6分の1 ずつを負担することで合意し、
3年前の令和2年5月から建設が始まりました。

イオンモールは、海浜幕張駅から少し距離があり、
バスで客を移送。
新駅が出来たことで、その必要もなくなり、
最も新駅の恩恵を受けることから、
費用の半分を、この施設の運営会社が負担したのもうなずけます。

駅名は、一般公募で行われ、
応募総数1万4715件、
4300種類を超える候補の中から「幕張豊砂駅」と決まりました。

この名称は応募者数の第1位ではなく、13番目
エリア全体を表す「幕張」に、駅の南側にある
「豊砂」という地区名が組み合わさったもので、
JR社内で検討した結果、
利用客への親しみやすさや分かりやすさで選定。

幕張豊砂駅は他の駅にはほとんど見られない、不思議な構造をしています。
列車の上り線と下り線は、駅の同じ階にあるのが普通ですが、
幕張豊砂駅では、下り線のホームは地上部分に、
上り線ホームは2階の高架上にあり、段違いの構造となっています。

京葉線の下り線は、
新習志野駅を過ぎると次第に下り始め、
やがて地上に降りていきます。
それが幕張豊砂駅を過ぎると今度は上がり始め、
海浜幕張駅の手前で上り線と同じ高さに戻ります。

下りホーム。

見上げると、上にもう一つホームが。

階段を上がると、

上りホーム。

見下ろすと、下りホームが。

このような構造になった理由は、
京葉線がかつて貨物用の路線だったことにあります。
貨車の入れ替えなどを行う操車場=貨物ヤードが、
幕張豊砂駅の南北の土地に計画されていました。
この貨物ヤードに貨物列車を分岐して引き込む際、
スムーズに交差できるよう、上り線と下り線の高さを変えて作られたのです。
その後、貨物需要が減ったため、
京葉線は旅客線に変更され、
貨物ヤード計画も幻となりましたが、
片側が高架となった構造がそのまま
今の駅に生かされたため、珍しい構造となったのです。
このように上下線が同じ高さではなく、段違いに配置されているのは、
JR東日本管内では埼玉県久喜市にある宇都宮線「東鷲宮駅」くらいで、
極めて珍しい。

開業の1 年後、再来年の春には
駅の前にJR東日本系列のホテルもオープンする予定となっています。
大型商業施設の南側には
広い駐車場や空き地もあり、
駅の開業をきっかけに
ますますの発展が期待されています。