先日の「天声人語」で、今年はナイチンゲール生誕から200年であることを知りました。
そして、先日オススメの本でご紹介した「ミライの授業」の中にも統計学者としてのナイチンゲールの逸話がありました。
更に、コロナ自粛で自宅学習をしている子供の”社会”の課題で、
「憲法の勉強」をして、ナイチンゲールが出てきました。
偶然なのか、必然なのか。
いずれにしても、こんなに近いタイミングで3回、しかも、
200年という節目に巡り合うということに何かご縁を感じたので、
書き留めておきます。
(1) まずは、天声人語の記事から
以下引用************
ナイチンゲールの生誕から、あすでちょうど、200年になる。看護師のやさしさを象徴する英国女性には、忘れてはならない別の側面がある。統計学の先駆者としての顔である。
▶クリミア戦争に看護師団のリーダーとして従軍し、負傷兵たちの手当てをした彼女は、本国に戻ってからは数字と格闘した。兵士の多くが戦闘ではなく感染症で命を落としたことを統計で知らせ、陸軍施設の衛生状態の悪さを世に訴えたのだ
▶当時は珍しかったグラフを使い、死亡率だけではなく、軍のキャンプとロンドン市街地の人口密度の違いも説明したという(丸山健夫著「ナイチンゲールは統計学者だった!」)。統計を医療にいかす方法は進歩を続け、このコロナ危機でも様々な数字を見ない日はない
▶新規感染者数や陽性率、さらには1人が何人に感染させるかを示す「実行再生産数」なる指標も目にするようになった。数字の大切さが強調されるにつれ気になるのは、全ての土台にあるPCR検査がこころもとないことだ
▶検査の数が少なすぎるとの批判に耐えられなくなったのだろう、厚生労働省は先日、熱が4日続くまで待たせるという従来の目安を撤回した。しかし検査が受けられず苦しんだ人への釈明もなければ、検査数が増えない理由も明確に語らない。「謝ったら負け」のゲームを見せられているようだ
▶検査は実態をつかみ、手を打つためにある。患者を増やさないための関所ではない。そう考えを改めてくれたのなら、いいのだが。
天声人語 2020.5.11より
****************************
(2)「ミライの授業」では、
未来を創るための5つの法則のうちの
①世界を変える旅は「違和感」から始まる の中で、取り上げられていた。
天声人語と内容が一部被りますが、このような内容でした。
彼女が生きた時代、看護婦は汚く卑しい職業だった。
上流階級に育った彼女は周囲の反対に負けず、夢を貫き、31歳でドイツへ渡り看護の勉強をし、33歳でロンドンの事前看護施設の総監督に就任。自分で志願して34歳でクリミア戦争の戦地へ赴く。
戦地の彼女は手厚い看護をした中で、戦地の兵士が、戦闘によって負った傷にではなく、現地の劣悪な病院環境での感染症によって亡くなることに気づく。
それを政府に訴えるために、どうしたか。
彼女はどんな権力者であろうと反論できない、客観的な事実を裏付ける手法として、看護に進む前に学んできた数学、統計学を使う。
戦死者の数、死因が感染症か、負傷か、その他か、3つに分類して、月別に集計をし、更にひとめで理解できるように、「コウモリの翼」と呼ばれる独自のグラフを考案。
他にも当時イギリスで不健康な街とされていたマンチェスター市と死亡率を比較したり、兵士たちの年齢別死亡率をイギリスの平均値と比較したり、兵舎とロンドンの人口密度を比較したり、様々な統計データをそろえた。
これによって、戦場や市民生活における衛生管理の重要性が知れ渡り、看護師という仕事が再評価され、感染症の予防にも大きく貢献。
世界の医療・福祉の制度を大きく変えていったのは、看護師としてではなく、統計学者としてのナイチンゲールだった、というわけです。
未来を担う若者は、まだ大人の常識に染まり切っていない。
「大人たちには見えないもの」が見えている。
だから、日常生活で出会う、小さな「違和感」を自分の中で大切に育てて下さい。
疑うのはよくないと思われるかもしれないが、
「人を疑うのではなく、コトを疑う力」が大事。
課題発見、課題解決の力が今求められている。
ナイチンゲールのように、自分の中に芽生えた小さな違和感を掘り下げ、常識を疑い、
嘘を見破る変革者であれ。
(3)十代のきみたちへ -ぜひ読んでほしい憲法の話
この本は、大人の私にとっても憲法のことがわかりやすく勉強になり、本当に心に染みる本でした。
改めて、オススメの本でご紹介したいと思っています。
筆者の日野原重明先生は、「日本国憲法へのわたしの思い」の中で、こう話しています。
ロンドンにあるナイチンゲール博物館には、クリミア戦争でもって使われたランタンが展示されており、それは平和やいのちのシンボルとなっている。
ランタンのようにはっきりした形ではないけれど、同じようにいのちのシンボルになっているのが日本国憲法だとわたしは考えています。
ナイチンゲールのランタンのように、日本国憲法も人々にシンボルとして親近感が深まっていってほしい。
正直なところ、私はナイチンゲールといえば、白衣の天使というイメージが強くて、
統計学者としての姿は初めて知る内容でした。
今回、様々な場面でナイチンゲールという人物像に触れ、その意志・信念の強さ、逞しさ、すごさを改めて感じました。
コロナとの闘いの中で、感染症を防ぐための衛生学を確立したナイチンゲールは
今年は色々な場面で紹介されていくことと思います。
私たちが今、手洗いやうがい、清潔に保つことを当たり前のようにしているのは、ナイチンゲールのおかげなのでしょう。
ご参考
ミライの授業
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/db9c3094793714f68cdc95374a3a0a8b
そして、先日オススメの本でご紹介した「ミライの授業」の中にも統計学者としてのナイチンゲールの逸話がありました。
更に、コロナ自粛で自宅学習をしている子供の”社会”の課題で、
「憲法の勉強」をして、ナイチンゲールが出てきました。
偶然なのか、必然なのか。
いずれにしても、こんなに近いタイミングで3回、しかも、
200年という節目に巡り合うということに何かご縁を感じたので、
書き留めておきます。
(1) まずは、天声人語の記事から
以下引用************
ナイチンゲールの生誕から、あすでちょうど、200年になる。看護師のやさしさを象徴する英国女性には、忘れてはならない別の側面がある。統計学の先駆者としての顔である。
▶クリミア戦争に看護師団のリーダーとして従軍し、負傷兵たちの手当てをした彼女は、本国に戻ってからは数字と格闘した。兵士の多くが戦闘ではなく感染症で命を落としたことを統計で知らせ、陸軍施設の衛生状態の悪さを世に訴えたのだ
▶当時は珍しかったグラフを使い、死亡率だけではなく、軍のキャンプとロンドン市街地の人口密度の違いも説明したという(丸山健夫著「ナイチンゲールは統計学者だった!」)。統計を医療にいかす方法は進歩を続け、このコロナ危機でも様々な数字を見ない日はない
▶新規感染者数や陽性率、さらには1人が何人に感染させるかを示す「実行再生産数」なる指標も目にするようになった。数字の大切さが強調されるにつれ気になるのは、全ての土台にあるPCR検査がこころもとないことだ
▶検査の数が少なすぎるとの批判に耐えられなくなったのだろう、厚生労働省は先日、熱が4日続くまで待たせるという従来の目安を撤回した。しかし検査が受けられず苦しんだ人への釈明もなければ、検査数が増えない理由も明確に語らない。「謝ったら負け」のゲームを見せられているようだ
▶検査は実態をつかみ、手を打つためにある。患者を増やさないための関所ではない。そう考えを改めてくれたのなら、いいのだが。
天声人語 2020.5.11より
****************************
(2)「ミライの授業」では、
未来を創るための5つの法則のうちの
①世界を変える旅は「違和感」から始まる の中で、取り上げられていた。
天声人語と内容が一部被りますが、このような内容でした。
彼女が生きた時代、看護婦は汚く卑しい職業だった。
上流階級に育った彼女は周囲の反対に負けず、夢を貫き、31歳でドイツへ渡り看護の勉強をし、33歳でロンドンの事前看護施設の総監督に就任。自分で志願して34歳でクリミア戦争の戦地へ赴く。
戦地の彼女は手厚い看護をした中で、戦地の兵士が、戦闘によって負った傷にではなく、現地の劣悪な病院環境での感染症によって亡くなることに気づく。
それを政府に訴えるために、どうしたか。
彼女はどんな権力者であろうと反論できない、客観的な事実を裏付ける手法として、看護に進む前に学んできた数学、統計学を使う。
戦死者の数、死因が感染症か、負傷か、その他か、3つに分類して、月別に集計をし、更にひとめで理解できるように、「コウモリの翼」と呼ばれる独自のグラフを考案。
他にも当時イギリスで不健康な街とされていたマンチェスター市と死亡率を比較したり、兵士たちの年齢別死亡率をイギリスの平均値と比較したり、兵舎とロンドンの人口密度を比較したり、様々な統計データをそろえた。
これによって、戦場や市民生活における衛生管理の重要性が知れ渡り、看護師という仕事が再評価され、感染症の予防にも大きく貢献。
世界の医療・福祉の制度を大きく変えていったのは、看護師としてではなく、統計学者としてのナイチンゲールだった、というわけです。
未来を担う若者は、まだ大人の常識に染まり切っていない。
「大人たちには見えないもの」が見えている。
だから、日常生活で出会う、小さな「違和感」を自分の中で大切に育てて下さい。
疑うのはよくないと思われるかもしれないが、
「人を疑うのではなく、コトを疑う力」が大事。
課題発見、課題解決の力が今求められている。
ナイチンゲールのように、自分の中に芽生えた小さな違和感を掘り下げ、常識を疑い、
嘘を見破る変革者であれ。
(3)十代のきみたちへ -ぜひ読んでほしい憲法の話
この本は、大人の私にとっても憲法のことがわかりやすく勉強になり、本当に心に染みる本でした。
改めて、オススメの本でご紹介したいと思っています。
筆者の日野原重明先生は、「日本国憲法へのわたしの思い」の中で、こう話しています。
ロンドンにあるナイチンゲール博物館には、クリミア戦争でもって使われたランタンが展示されており、それは平和やいのちのシンボルとなっている。
ランタンのようにはっきりした形ではないけれど、同じようにいのちのシンボルになっているのが日本国憲法だとわたしは考えています。
ナイチンゲールのランタンのように、日本国憲法も人々にシンボルとして親近感が深まっていってほしい。
正直なところ、私はナイチンゲールといえば、白衣の天使というイメージが強くて、
統計学者としての姿は初めて知る内容でした。
今回、様々な場面でナイチンゲールという人物像に触れ、その意志・信念の強さ、逞しさ、すごさを改めて感じました。
コロナとの闘いの中で、感染症を防ぐための衛生学を確立したナイチンゲールは
今年は色々な場面で紹介されていくことと思います。
私たちが今、手洗いやうがい、清潔に保つことを当たり前のようにしているのは、ナイチンゲールのおかげなのでしょう。
ご参考
ミライの授業
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/db9c3094793714f68cdc95374a3a0a8b
是非終わりましたら感想お聞かせ下さい。
ナイチンゲールにしろ、世界にはすごい人が沢山いますね。
ナイチンゲールと統計学。
丁度読んでいるところです。
面白い話が続いてゆきそうです。