『用もないのに』 奥田英朗
新作エッセイということで勇んで予約!人気の作家の割には早めに届いたのですが
恐るべしシルバーウィーク…遊びすぎて本を読む暇、
いえ、余力がありませんでした。
読み始めるとdekochinさんのブログの書評通り、楽しめました
まず、野球編アテネオリンピックに引き続き、北京オリンピックの野球観戦記。
再び『泳いで帰れ!』が出てしまいました。
20年ぐらい前に北京に行ったことがある私としては
北京の風景の描写も興味深かったです。
当時、まだ珍しかったタクシーに乗り、筆談を駆使して
王府井(ワンフーチン)に行ったことなど思い出しました。
ニューヨークでのヤンキース観戦記とジャズの鑑賞…
これまた15年ほど前にニューヨークに行った
ことのある私としては観光記に興味津々。
奥田センセはグラウンド・ゼロ、私はWTC…
エンパイア・ステート・ビルの展望台が吹きさらしなのに
驚いたのは一緒でしたが、私は高所恐怖症ではないので景色を満喫。仙台での楽天イーグルスの開幕戦寒中観戦記は
寒さが伝わってきて『ご苦労様』としか言いようがないものでしたが、
日本のプロ野球の抱える問題点をいつもの毒舌で切りまくり、
大して野球ファンでない私をも納得させるものでした。
続いては遠足編
奥田センセ、まずは『フジロック』へ。私はさすがに行ったことはないけど
一部の方々が大変盛り上がる音楽のお祭りだということは知っています。
奥田センセはずっと行きたかったのですねぇ…なのに、雨に祟られ気の毒に。次は灼熱の『愛知万博』へ。私の住む大阪からは新幹線で1時間という
距離にも関わらず混雑にビビッて行かなかったのに、奥田センセは
自分の知らない楽しいことがあるのではなかろうかという
猜疑心に駆り立てられ行ってしまったのですねぇ…ご苦労様です。
ちなみに、その夏のTDRはガラガラで
『ラッキー!』とばかりに遊び回った私と娘。
富士急ハイランドの『ええじゃないか』にも乗ってしまった奥田センセ。
これもテレビで芸人さんが乗せられている姿をよく拝見しますが…
『めちゃめちゃ怖かったけど何が起きたのかわからない』に共感しました。
要するに眼をぎゅっとつぶっていたということですね。讃岐うどんに釣られて、四国でお遍路さんまでした奥田センセ。
確かに讃岐うどんは美味しいです…が、歩き遍路さんとはご苦労様でした。
だんなの実家が愛媛なので、帰省するとお見かけするお遍路さん。
その中でも『歩き遍路さん』は別格のようで、地元の人(義父母だけ?)は尊敬の
まなざしで見ています…観光バスで乗り付けて、添乗員さんがまとめて
朱印をもらって…というツアーも流行ってますから、ね。
最近は自転車に乗った『サイクリング遍路さん』もお見かけします。
菅笠をかぶって白衣を引っ掛けて国道の坂道をぶっちぎる自転車…
私、違う意味で尊敬します
…と全編『ご苦労様』と呟いてしまうエッセイ集なのでした
満足度: