つづきです。
2014年5月1日~ブログ直接投稿 「砂漠に咲く花」10
ひやっと 水のような感触が一瞬して
でも 何も手に触れなかった
つるを 引っ張ってみようとしたが
やっぱり何も つかめなかった
伸ばした手は 葉をすりぬけ壁に当たった
<つづき>
やっぱりなと 俺は思った
壁に頭と手をつけ 独り嗤った
額と手には 壁のざらざらした感触
けど皮膚が鼻が耳が 拾ってくる
水気と緑の香りと葉ずれの音を
俺は振り返って 通りを見た
花たちが 何人か歩いてて
苔まみれの車が 通り過ぎてた
辺りはいよいよ 緑が増して
俺のアパートだけが 異彩を放ってた
会社に行こうと 唐突に思った
オフィス街は どう視える
メトロカードを取りに 部屋に戻った
出がけに ふと見た鏡の中の俺は
乾いた笑いを 顔に張り付けていた
花と草の香りがこもる 地下鉄から
地上に出ると そこは巨大な森だった
ツタがビルになんて ちゃちなもんじゃない
ビルの大きさのままの 巨木が立ち並び
その間の草地を 苔の塊が走る
上空から 木のざわめきが聴こえた
俺は 蟻のように縮んだ気がした
花たちは ごく普通に草地を歩き
大きな大きな幹に開いた穴から
しきりに 出たり入ったりしてた
全てが 圧倒的な緑だった
あまりの変わりように 俺はつい
自分も植物になった気がして
自分の身体を見てみたが やっぱり
人間の身体でしかなかった
<つづく>
人気ブログランキング ← 草花がこっちを見ている・・・
変更:2018年8月1日
ツタどころでは なかった → ツタがビルになんて ちゃちなもんじゃない
しきりに 出入りをしていた → ~ 出たり入ったりしてた
2014年5月1日~ブログ直接投稿 「砂漠に咲く花」10
ひやっと 水のような感触が一瞬して
でも 何も手に触れなかった
つるを 引っ張ってみようとしたが
やっぱり何も つかめなかった
伸ばした手は 葉をすりぬけ壁に当たった
<つづき>
やっぱりなと 俺は思った
壁に頭と手をつけ 独り嗤った
額と手には 壁のざらざらした感触
けど皮膚が鼻が耳が 拾ってくる
水気と緑の香りと葉ずれの音を
俺は振り返って 通りを見た
花たちが 何人か歩いてて
苔まみれの車が 通り過ぎてた
辺りはいよいよ 緑が増して
俺のアパートだけが 異彩を放ってた
会社に行こうと 唐突に思った
オフィス街は どう視える
メトロカードを取りに 部屋に戻った
出がけに ふと見た鏡の中の俺は
乾いた笑いを 顔に張り付けていた
花と草の香りがこもる 地下鉄から
地上に出ると そこは巨大な森だった
ツタがビルになんて ちゃちなもんじゃない
ビルの大きさのままの 巨木が立ち並び
その間の草地を 苔の塊が走る
上空から 木のざわめきが聴こえた
俺は 蟻のように縮んだ気がした
花たちは ごく普通に草地を歩き
大きな大きな幹に開いた穴から
しきりに 出たり入ったりしてた
全てが 圧倒的な緑だった
あまりの変わりように 俺はつい
自分も植物になった気がして
自分の身体を見てみたが やっぱり
人間の身体でしかなかった
<つづく>
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変更:2018年8月1日
ツタどころでは なかった → ツタがビルになんて ちゃちなもんじゃない
しきりに 出入りをしていた → ~ 出たり入ったりしてた