まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 41

2013-11-12 21:18:05 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

ついにこの日を迎えてしまいました。

10月1日が遠い昔のような気がします。

とにかく書けるだけ書いてみよう、と9月に書き出して・・・
ここまで拙いなりに辿り着けて、良かったです。

皆さまにもお楽しみ頂けたなら良いのですが・・・


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?

そして、また何かで(多分11月中に1回はお茶会すると思うのですが)
お会いしましょう。


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その41

  じゃあ・・また と黒猫は言った
  じゃあまた とタビィは応えた
  猫と老人は 見つめ合った
  猫はそれから 外へと消えた
  タビィは ゆっくりとゆりいすを揺らした

<つづき>

あの娘は だんだん強くなってるな
タビィは 二人が出て行った戸口を見つめた
もうあの娘には わしらは必要ない
周りの 自分と似た痛みを癒したい気持ち
だけど もっと大きな世界があの娘を待っている

導かれて行け 愛しい子よ
どこまでも 心の翼を広げて
この地上を 飛んでいけ
柔らかな心を 広げてゆけ
世界は どこまでも広大だ

わしらを振り返るんじゃないよ 可愛い子
わしらの痛みなんか 超えてゆけ
一つの痛みで 世界を縮めちゃいけないよ
もっと大きな世界が 見つけられるのを待っている
わしらはいつでも 光の世界で待っているから

タビィは だんだん薄れていく
東の魔女の 面影を想った
それから あの悪夢のようだった夜の
七つの力を求めて 集っていた面々を
闇の力に 引きちぎられた者たちを想った

きっと 貴方たちも大丈夫だ
舞い集う光の粒子に 身を任せながら
タビィは 宙にささやいた
痛みを知らない無垢な赤子の寝顔が 浮かんだ
きっと 貴方たちも大丈夫

どこで何になってるのか 知らないけど
穏やかな波動を 感じるよ
もう知ってるんだろ 大きな世界を
ああ愛おしいね 嬉しいね
楽しいね 愉快だねこの世界は

痛みと恨み 滅する力を・・・

タビィは 耳の奥で
風のような声を 聞いたと思った
それは たった一つの力
喜びの力 赦しの力 慈しみの力
タビィは宙に微笑んで 一つの光に溶けていった

<おわり>



人気ブログランキング ← 読んで下さった皆さま、ありがとうございました!
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 40

2013-11-11 20:44:49 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

寒くなってきましたね~。

昨日まかろん、石焼き芋売りの声を今季初めて聞きましたよ。

寒いのは苦手だけど、
新しい季節が始まるんだなーと思うとわくわくしますね。


さて、今日はお茶菓子の分量が多いので、前振りはこの辺にしておきましょうか。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その40

  女の子は 一生懸命世話をした
  薬を与えて 身体を温め
  毎日毎日 撫でて声かけ抱きしめた
  両親二人も 参加した
  街の人々も 何かと寄って様子を聞いた

<つづき>

トビアスじいさんは 傍らを見た
片手のない黒猫が 影に隠れてた
あの娘のところに 戻ってやれよ
トビアスじいさんは 猫に言った
あんなに 心配してるじゃないか

帰るよ あんたの顔見たからね
老猫は しわがれた声で言った
あの娘にも 世話になった
最期は あの娘のところで逝こうかね
全く 息子は頼りにならんねぇ

老猫はよたよたと 立ち上がった
帰るなら わしが連れてくよ
トビアスじいさんは 慌てて言った
余計な体力 使うんじゃない
老猫は かぶりを振った

孫に べったりしすぎて
娘夫婦と 折り合い悪いじゃろ
まだ 2,3日はこの世にいるから
最期の折りは 来ておくれ
老猫は とてとて戸口に向かった

あんたの話が聞けて 良かったよ
老猫は 振り向いて言った
別れたあとで どうしてたか
最期に 聞いておきたかったんだ
あんたは 一族いちばんの黒猫だったね

わしはもう そういうのには興味ないよ
トビアスじいさんは 静かに言った
知ってるよ と猫は言った
あの娘が そうであるようにね
あの娘は良い子だ 最期まで幸せにしてやりたいね

母さん とトビアスであるタビィは言った
生まれてくれて ありがとう
出逢ってくれて ありがとう
また・・ 逢えるといいな
黒猫は タビィに微笑んだ

逢えるさ と黒猫は言った
いつでも あの世界でね
黒猫は息をついて 言葉を続けた
あの娘もそのこと 分かってたらね
私らがいなくなったら 泣くだろねぇ

ああ あんたの病気で心痛めてる
獣医になるって 言ってるよ
あの娘は きっと頑張るよ
そしたら あの世界なんて知らなくても
あの娘は わしらと逢っているんだ

黒猫は 大きく嬉しそうに笑った
そうだね それでいい
それでいいんだ
あの世界じゃなくったって
私らは つながってるようなものだもの

じゃあ・・また と黒猫は言った
じゃあまた とタビィは応えた
猫と老人は 見つめ合った
猫はそれから 外へと消えた
タビィは ゆっくりとゆりいすを揺らした

<つづく>


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※変更:2018年9月1日
あんたは 一族一の黒猫だったね → ~一族いちばんの~
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 39

2013-11-10 21:05:45 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
皆さま、11月も上旬が過ぎようとしていますが、いかがお過ごしですか。

この茶菓子、今となっては半分忘れそうだけどハロウィンの作品なんですよね。

10月1日公開に間に合わせようと、今お出ししてる辺りを書いてる頃は、
徹夜をしたり毎日かなり睡眠時間削ってました。

なので、夜明け前から起きてることが多かったのですが、
気が付くと家の玄関前に毎日、猫が寝てるんですよ。

特に騒ぐでもなく、家の者が起き出す頃にはいなくなってしまう、という
たいへん大人しい様子だったので、放っていたのですが。

この茶菓子の最後を書きあげた翌日から、
ぴたっと来なくなりました。

黒猫ではなかったですけど、
この茶菓子を書く応援に来てくれてたのかな、と何となく思ってます。


皆さまも、ここまでお付き合い下さいまして、ありがとうございます。
(あ、今日で終わりじゃないです、もう少し続きます)

さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その39

  トビアスは… タビィは子猫に
  もう一度 そぉっと手を差し出した
  一緒に 幸せになろう
  みんなで一緒に 幸せになるんだ
  子猫は立ち上がり タビィの手に身を寄せた

<つづき>

それからまた 何年かの年月が過ぎた
女の子と猫とトビアスじいさんは
おおむね 愉快に過ごしてた
女の子は変わらず よく猫の世話をした
けど 入浴の世話にはびくびくしてた

女の子は ハロウィンには仮装して
大きくなった猫を連れて 練り歩いた
女の子と猫は 悪びれずにこにこしてたので
ハロウィンの 変わったコンビとして
街中で ちょっとした人気者になった

だけど 最初の無理がたたったのか
猫は 大きくなっても身体が弱かった
だんだん 食欲が減っていき
吐きもどすことが 増えていって
動けないように なっていった

女の子は 一生懸命世話をした
薬を与えて 身体を温め
毎日毎日 撫でて声かけ抱きしめた
両親二人も 参加した
街の人々も 何かと寄って様子を聞いた

<つづく>



人気ブログランキング ← お風呂は身体に良いですね~ はぁ~。

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 38

2013-11-09 21:40:06 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、週末ですねー、お今晩は。

まかろん今、つぎの作品書いてましてね。
えーと、先日書いたように結構ネットの辞書引きまくりです。

で。

撹拌、って言葉のもっと易しい言い方ないかな、と
googleで「撹拌」と打ったら。

Yahoo知恵袋 「『ぼくは昨日友人を撹拌しました』使い方あってます?

・・・あってるわけない。

しかも、この人がどーゆー状況で「こういう言い方ありなのかなー」と考えたのか、全く見当がつかないのが、とってもシュールです。

いや、この人がハンニバル・レクターだというなら分かるのですが。
アー、ニホンゴ、ムズカシイネ!


さ、それはともかく、今日はタビィはどうなるのでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その38

  おじいちゃん タビィをおどかさないで!
  女の子は 声を上げた
  そんなに騒いだら 死んじゃうわ!
  トビアスは 子猫に聞いてみた
  その手は あの娘がやったのか

<つづき>

それは違う と声はまた哀しげに言った
これは罪 お前を守らなかった私への罰
死んでからずっと 悪いと思ってた
お前に謝りたいと 思ってた
気がついたら この身体で生まれてた

だったらもういい と
トビアスは 意識の声で言った
俺は 東の魔女の苦しみを視たよ
俺と 似たような苦しみだった
子猫は それを聞いて苦しそうにした

そして どんなに努力をしたか
努力すればしただけ 苦しかったのも
そして それでも最後には
絶望と激痛の中 死んでいったのも
俺は全部 視たんだよ

この娘は 何も覚えてない
俺は それが嬉しいんだ
俺は この娘の幸せを守りたい
この娘が幸せなら 俺も幸せで
いられるような 気がするから

だから 母さん
もしあんたが 俺に悪いと思うなら
この娘と一緒に 幸せになってくれないか
この娘は あんたを助けたいんだ
その身体で苦しむのを 見たくないんだ

トビアスは… タビィは子猫に
もう一度 そぉっと手を差し出した
一緒に 幸せになろう
みんなで一緒に 幸せになるんだ
子猫は立ち上がり タビィの手に身を寄せた

<つづく>



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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 37

2013-11-08 22:04:40 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。金曜ですねっ。
皆さまいかがお過ごしですか。

まかろんは物語が大好きです。

好きな小説、凄い小説も世の中いっぱいあるけど、
自分で紡ぐのは小説、じゃなくて物語を紡ぎたいです。

どう違うのかは分からないけど。

わくわくできて、ほっとできる、そういう世界をお届けしたいです。

そんな楽しさを皆さまに。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その37

  人間の自分に 猫の魔法が使えるか
  自信は 全くなかったが 
  かすかな昔の感覚 呼び起こし
  聴こえた声に 波長を合わせ聞いてみる
  あんたはいったい 誰なんだ

<つづき>

子猫はおびえて 縮こまった
仕方がないので さらにそぉっと
意識の声で 聞いてみる
ごめんなさいって どういうことだ
それは 俺に対してなのかい

子猫は 観念したように
起き上がって トビアスを見た
ああやっぱり 私の子
逢いたかった… 逢いたくなかった
立派になって と声は言った

俺があんたの子? と意識は聞いた
なんかの 間違いじゃないのかい
いいえその気配は覚えてる と声は言った
私が生んだ 白い手の子
私が見捨てた 白い手の子

子猫は また小さく震えた
長老たちにすぐ 取り上げられて
でも私も 大して抵抗しなかった
できそこないだと 思ったから
仕えてた魔女に 知られる方が怖かった

子猫は 大きく身を震わせた
私はほんとに ばかだった!
魔女は そんなこと関係なく
私をつかまえ 薬にいれた
子猫は 心配そうにしている女の子を見た

あれは 東の魔女だろう!
子猫は ギャーッと声を上げた
私を連れ帰って 世話をして
何をいったい たくらんでいる!
お前も あいつの仲間なのか

おじいちゃん タビィをおどかさないで!
女の子は 声を上げた
そんなに騒いだら 死んじゃうわ!
トビアスは 子猫に聞いてみた
その手は あの娘がやったのか

<つづく>



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