まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「異国に揺れる蒼い花」最終回

2012-05-05 21:25:01 | 物語詩 短編 2011/2012
ども、お今晩は~。

GWも終わりに近づいてきましたが、皆さまいかがお過ごしでしたか。


日常、というものは我々にいろんなことを要求してきます。

あれしろ、これしろ。

仕事、というのは誰かのための道具となる契約なのですが、
人間社会では賃金が正義という考えが、
道徳観念としてまかり通っているので、
「誰かの都合通りの私」が仮面であることも分からなくなってたりします。

なので。

このGWで、ふぅっと一息。

誰のためでもない自分、というのと仲良くしたら、
なにかもっと大きな自由なものにも出会えるかもしれない。


・・・という話とはあまり関係ないですが、
GWスペシャル最終話、お出しします。

お楽しみ下さい。


2012年5月3・4・5日ブログ直接投稿 「異国に揺れる蒼い花」

   乙女 疲れし身体を振り絞り
   戦士を水より引き上げんとす
   気配に戦士 眼を開き
   濡れそぼりし乙女にかく告げる

<つづき>


我に構わじ 川辺の乙女よ
我の天命 極めたり
流れるこの血は君がため
されど この地を汚すまじ

清らなる川 清らなる君
さらば 愛しき我が花 我が愛
ただ望むは 君が幸い
とき常しえに 我 祈らん

言い終わるや 大水が
再び ごうと押し寄せる
乙女 戦士を掴みしが
大水 無情に奪い去る

我も連れよと 叫びし乙女
大水轟き 声ぞ掻き消す
乙女 その身を投げんとしたとき
ふいに水引き 流れ静まる

乙女呻けど 如何ともならず
水 ただ清かに流れるのみ
叫びと煙も今は絶え
空 平らかに蒼く輝く

戦に去りし男衆 
一人二人と帰り来る
その身に付きし煤と血糊も
今は平らな流れに洗わる

戦の傷も今は癒え
民は集いて 水は流れる
川辺に咲く花 いつしか戻り
清けき水色 映して揺れる

乙女 その花 手に取りて
その色 愛でし戦士を想う
清けきこの水 守らんと
想い残りし花 川辺を埋める

水は清かに流れ続ける
空は平らに蒼く輝く
その色映した 蒼い花
遠い異国の空の下
川辺に揺れる 蒼い花

<おわり>



人気ブログランキング ← ざぶ~ん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「異国に揺れる蒼い花」その2

2012-05-04 21:04:46 | 物語詩 短編 2011/2012
ども、お今晩は~。

今年のGWは雨が多いですねぇ。

残念っ、だけどひょっとして、
皆さまのいろいろお疲れなエネルギーが溜まってきていて、
それの浄化なのかも、ね。


ではでは、茶菓子の続きをお届けします。


2012年5月3・4・5日ブログ直接投稿 「異国に揺れる蒼い花」

   煙と血臭 纏いし乙女
   川の流れに踏み入らん
   我はいまや花にはあらじ
   只人として君の元 参らん 

<つづき>

乙女 水面に触れんとした時
叫びはにわかに 死に絶える
煙と血の色 濁りし空に
音なき音ぞ 貫き渡る

不穏なる空 その下で
懐かしき声 乙女を止める
朱に染まりし雄雄しき戦士
乙女の祈りに 千里の道を越え来たる

ああ やうやう!
叫びし乙女 止めるを聞かず
渇きし流れに 足踏み入れる
戦士よ いざ我が元にて憩い給え

刹那 ごうと呻りを上げて
大水 乙女に襲いくる
戦士 あなや!と叫びを上げて
川中入る 血染めのままで

怒れる流れ 二人を責める
我を見捨てよ 愛しき勇者
我はすでに花にはあらじ
力ある君なれば 天の怒りも跳ね除けん

戦士答えず 乙女を抱え
川辺に向かう 水の中
清らなる水 怒りに濁り
押し流さんとす 抱き合う二人を

大水 さらに狂えども
川辺 ついには乙女を迎えん
乙女 戦士を振り返り
懐かしき地に誘(いざな)わんとす

見やりし戦士 水の中
浅瀬に伏して 身じろぎもせず
覆いし血は 水に流れ
蒼白き肌 朱の水中花

乙女 疲れし身体を振り絞り
戦士を水より引き上げんとす
気配に戦士 眼を開き
濡れそぼりし乙女にかく告げる

<つづく>

人気ブログランキング ← 朱色もこういうものなら良かったのですが。


※変更:2018年7月29日
乙女 疲れし身体に鞭打ち → ~ を振り絞り

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「異国に揺れる蒼い花」その1

2012-05-03 20:54:54 | 物語詩 短編 2011/2012
ども、お今晩は~。
GWです、大型連休ですっ。

お茶菓子でちょっと長いのがありますので、
GW恒例の3日連続配送フェスタ、やっちゃいましょう!

まあ、休み中のおなぐさみに。

お楽しみ下さい。


2012年5月3・4・5日ブログ直接投稿 「異国に揺れる蒼い花」
 
遠い異国の空の下
川辺に揺れる 蒼い花
戦地へ去りし恋人 想い
乙女 川辺に独り佇む

川の此方の君のため
我 彼方へ出で行かん
水清かなるこの地と君を
炎と血から 我守らん

乙女 川辺に咲く花を
戦士に贈り 無事願う
傍に居られぬ我が身に代わり
愛しき君の盾となれかし

戦士 小さき花を押し戴きて
川の彼方へ去り行かぬ
君が想いこそ 我が盾 我が剣
されば行かん この花と共に

乙女 戦士と別れし川辺で
川の彼方を日夜望めど
恋うる戦士の影はなし
ただ煙と叫びが届くのみ

煙の色は濃くなり勝る
水は清かに流れ続ける
愛しき君よ 今いずこ
乙女 川辺に独り佇む

煙いよいよ濃くなり勝る
叫びは水面(みなも)を揺り動かす
乙女 彼方を望めども
此方の花ぞ 揺れるのみ

煙はいまや 空覆う
叫びは天を揺り動かす
血の香りは川をも越える
清らなる川 水少なし

煙と血臭 纏いし乙女
川の流れに踏み入らん
我はいまや花にはあらじ
只人として君の元 参らん

<つづく>



人気ブログランキング ← 戦争がないってやっぱり有難いですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「魔女の子ケイティー」 最終回

2011-10-24 21:14:33 | 物語詩 短編 2011/2012
お今晩は~。

ハロウィーン気分🎃もいよいよ盛り上がってきましたね。
あと1週間となった今日、皆さまはいかがお過ごしですか。

さあさあ、お茶のお時間です。
今宵は骸骨くんにサーブしてもらいましょうか。
お茶は血のように紅いバラで淹れたローズティーで。
お茶菓詩は前々回からの、童話🔮仕立ての最終回です。

どうぞ、おくつろぎ下さい。😊


2011年10月24日 ブログ直接投稿 「魔女の子ケイティー」最終回

  子供喜び ほうきにまたがる
  そのまま 地上にさようなら

<つづき>

夜空は一面 お星さま
魔女と黒猫 かぼちゃ頭
月のない空 冷たいけれど
いつもは寒い背が温かい
星はきらきら さざめいて
夜の秘密を ささやいている

ケイティー 子供に場所聞いて
村はずれに 子供をおろす
零時の鐘が ごぉんと鳴る
さあ着いたわ 帰りなさい
ハロウィーンはお終い 魔族も帰る 
魔法の時間も もうお終い
ケイティー 使い魔呼び寄せる
星の光も 遠くて弱い

ケイティー ほうきに乗ったとき
子供ごそごそ ローブをさぐる
何かつかんで ケイティーに
トリック・オア・トリート!
ねぇ言ってよ
トリック・オア・トリート!
ケイティー びっくり口ごもり
意味分からず 口にする

子供 ローブのポケットから
キャンディー取り出し 
ケイティーの手に ぽとんと落とす
魔女のいたずら 怖いから
トリートあげなきゃ
これでかんべん
ケイティーぽかんと 手の中見つめる
お菓子もらったの 生まれて初めて

子供 かぼちゃの目の奥で
にっこり笑って 手を振って
村の小道を歩き出す
そうそう 僕も言ったよ
トリック・オア・トリート
だからまた来て お菓子ちょうだい
そう言い 小道に消えていく
バタンと閉まる ヒトの子の家

ケイティー キャンディーしまいこみ
静かに空に 浮かびあがる
魔女の子ケイティー
猫とキャンディー
夜空はきらきら 星の歌
パン種おいしくする呪い
どこかの本になかったっけ
ハロウィーン終わった 静かな空で
魔女の子ケイティー 考えていた

<おわり>


人気ブログランキング ← またねー!
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新作 ~ 「魔女の子ケイティー」 その2

2011-10-20 22:51:42 | 物語詩 短編 2011/2012
お今晩は~。
急にぐっと寒く🥶なりましたねぇ。

寒いのは辛いですけど、
暖かかった先日は、何か、物足りないような気がしませんでしたか。

秋の気分🍁を返せー、ってね。😅

暖かい時期にはそれなりの。
暑い時期にはそれなりの。
涼しい時期にはそれなりの。
そして、寒い時期にもそれなりの、風情があって。

そんな折々の「いま」の素敵さを、
皆さまにお届けしたいと思います♪😊



2011年10月20日 ブログ直接投稿 「魔女の子ケイティー」その2

  魔女の子ケイティー 人みしり
  闇にまぎれて 知らんぷり

<つづき>

そのとき使い魔 にゃぁっと鳴いて
村の子供に走り寄る
ケイティー止めても もう遅い
お姉ちゃん ここどこ知っている?
見かけないけど どこの人?
なんで独りでここいるの?
ケイティー困って 空見上げると
魔女たちご機嫌 夜空をご帰還
使い魔たちも 飛び回る

ケイティー慌てて 子供をつかんで
杖をひとふり 呪いをかける
げこげこ蛙をつかまえたとき
おやおや ちびちゃん何してるのかえ
空を飛ぶのもできないの
蛙と猫の相手が 似合いさね
魔女たち 空で大笑い
使い魔引き連れ 遠ざかる

ケイティーほっと 一息ついて
杖をひとふり 蛙は子供に
そのままほうきで さようなら
ねぇ待ってよ 僕いま変わった?
お姉ちゃんが 今のやったの?
お姉ちゃんって ほんとの魔女なの?
子供がほうきにつかまって
ケイティー行けない 大弱り

ケイティー 困って地面に降りる
子供を降ろして 怖い顔
使い魔 よそ向き知らんぷり
あんた あたしが怖くないの
も一度 蛙にしてやろうか
そしたら すぐに蛇のえさ
子供が何か言おうとしたとき
遠吠えの声 闇夜に響く

ケイティーあきらめ ため息をつく
子供にも一度 呪いをかける
ヒトの気配を消す 魔法
ぐずぐずしないで ほうきに乗って
あんたの家まで 送ったげる
かぼちゃ頭ははずさないで
子供喜び ほうきにまたがる
そのまま 地上にさようなら

<つづく>


人気ブログランキング ← いや、ここまでは飛ばない。


<変更>2019年12月28日
蛙と猫の相手が似合いね → 蛙と猫の相手が 似合いさね
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする