まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

「夏の終わりに」 (# 66)

2011-08-29 22:00:16 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
鈴虫の声を聴きながらのあっぷです。
皆さまお元気ですか。

8月中、夏休み期間、というテーマでお送りしてきましたが、
8月のあっぷも今日で最後です。
(今年はね~。来年やってるのかな、このブログ・・・)

社会人の方にはあまり、夏休み!と言っても、
そんなものもあったなぁ、みたいな気分の方が多かったのではないかと思います。

どっちかというと、
スーツを夏用にすることだったり、
汗や不意のクーラー攻撃にどう対処するかということだったり、
外回り中に自販機の冷えた缶コーヒーをぐびっと飲むことだったり、が
リアルな夏の情景として馴染み深いものだったりして。

それが大人ってもんです。

それはそれで、大人の証、ってやつで、楽しいことだと思うんですよね。
いつまでも子供じゃ、大したことできないし。

歳を重ねて、経験を重ねて、
自分という意味が、世界が、変わっていく。
巡る季節も意味を変えて。
子供のころの春は、夏は、秋は、冬は、
もうそのままでは存在できない。

変わることは悪いことじゃないと思うんですよ。

変わる中に生がある。
だけど、そう、その奥に。
変わらぬものがある。

どちらも楽しんで生きていけたら良いですね。


さてさて、前置きが長くなりましたが、
そういうわけで8月最後のあっぷです。

ひと夏を振り返って。
この季節と重なる遠い季節。
今の自分と過去の自分。
変わった自分と変わらない自分。

お楽しみあれ。


2010年8月23日ついったー投稿 「夏の終わりに」

ラムネの泡 かき氷
 
はじける花火 暑さにかすむ空
 
思い出の夏は その鮮やかさと裏腹に
 
いつでも先への不安で一杯だった
 
あと何回この季節を迎えるのか知らないけれど
 
夏が来る度に うずくまった小さな子供は
 
私の心に現れて 私を過去へと引き戻す
 
まだあの夏は終わらない



人気ブログランキング ← まだかき氷も終わりません・・・!
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「星堕つる丘」 (# 65)

2011-08-25 21:15:32 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
どもども、お今晩は~。

まだ8月だというのに、夏なんだか秋口なんだか分からないような天候ですが、
皆さま、いかがお過ごしですか。

本日は「星堕つる丘」です。

夏はそんなに星が見える時期ではないのですが。
街中では特にね。

それでも、8月終わるまでまだ1週間ある今日、
夏休みの自由研究やらプラネタリウム、子供のころに感じた夜空の神秘、
夜風に香る草いきれ、そんなものを思い出して頂けたら、
と思って選びました。

楽しいよね。
夏って。

この甘い夜風が。
見えないけど確かにある星空が。
心の耳に届く星の歌が。

あなたに届きますように。


2010年8月6日ついったー投稿 「星堕つる丘」

星が堕ちるよ 星が降る
 
しゃらしゃらぱりんと音立てて

大人になりたかった子供が
 
堕ちる星に手を伸ばす
 
子供でいたかった大人が
 
砕けた星のかけらに指焦がす
 
見果てぬ夢の幻に 囚われ浮かされ
 
どこにも行けずただ立ち尽くす


星堕つる丘を知ってるかい?
 
星のささやきを聴いてはいけない
 
星の輝きに魅入ってはいけない
 
大人になった大人は
 
痛みを振り捨て丘を降り
 
そうして 

永遠なる地へと 歩を踏み出すのだ



人気ブログランキング ← お菓子のささやきを聴いてはいけない・・・。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「老いぼれ剣奴の唄」 (# 64)

2011-08-22 21:27:37 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

夏と言えば、
と言っても、これぞ夏!というのは人それぞれでしょうが、
夏の風物詩としてまかろんが思い出すのは、
お昼の12チャンネルでやってる洋画番組や、
夜9時からやる洋画番組が子供向けの内容になることですねー。

子供向け、と言っても案外大人が観ても鑑賞に堪える内容だったりして、
そんなのをクーラー効かせてカーテン閉めた部屋で昼から観てるのは、
夏休みだぁー、という気がしましたっけ。

そんな夏の思い出に寄せて、
今週2回はお話テイストのお茶菓詩をお届けします。

昼間の太陽を締め出して家で日中から映画を観る、
そんな子供の贅沢なドキドキ気分と一緒に。

お楽しみ下さい。


2010年8月1日ついったー投稿 <加筆>「老いぼれ剣奴の唄」

もう誰のためにも闘わない

身代わりはもうごめんだ
 
振り上げる刃 地を駆ける脚
 
沸き起こる賞賛 つかの間の

全ては明日もう一日生き延びるため

あんたが俺に何を見ていたか知らんが
 
自分の栄光は自分で掴みな
 
俺の栄光はあんたにくれてやる
 
奴隷に栄光なんてあるとしたらな


酒場の隅で老いぼれ男が 今日も喚く
 
もう俺を呼ばねえでくれ 旦那
 
彼を知る者など誰もいない
 
薄汚れた酒場の隅で

ひとりぼっちで
 
とおに彼を見放した主人を

罵倒し蔑み恋焦がれ



人気ブログランキング ← 夏と言えば怪談もつき物ですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夏の窓」 (# 63)

2011-08-18 21:27:20 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

16日まで休み、とか17日まで休みとかいう会社が多かったようですね。

今日はお仕事でしたか?

毎日暑いですが、今日は都心で今夏一番の暑さを記録した、とか。
皆さま、休み明け早々、お疲れ様でした。
お風呂でも入って、冷えたビールでも飲んで、
(まかろんは水出しアイスティーでお相伴させて頂きますが)
ゆっくりなさって下さいね。
すぐまた週末です。


ということで、本日の茶菓子は新作から。

まだ金曜もあるというのに、あまり勤労意欲をそそる作品ではなくて
恐縮ですが、まあ、これも夏の醍醐味、ということで。


あ、体の冷やしすぎには気をつけて下さいね!
「じくじく冷」やしちゃ、ダメ!
のんびり詩を読んでる場合じゃないから!
早く冷房ないとこ行くか、服乾かして!

<本日の茶菓子は、上記の使用上の注意↑をよくお読みになった上で、お楽しみください。>
なんちゃって☆


2011年8月18日 ブログ直接投稿 「夏の窓」

じりじり暑い日の中を
一日出たり入ったり
一生懸命 仕事して
夕立ちなんかにも遭ったりして
じんわり湿った服と靴
じくじく冷えてく 文明の利器
もうすぐ今日の仕事も終わりと
窓から外を眺めやる

雨色かすむ夕焼け広がる遠い空
通り過ぎた夕立ちが まだ滴る眼下の街は
はっきりしない天気も光も
仕方がないさと 地に低く這い
変わらぬ暑さに潤んでる

窓のこちらは 蛍光灯の
白々とした光で 満たされて
ひんやり乾いたクーラーの 
空気が すみずみにまで行き届く

冷たく乾いた 白い部屋
ガラス一枚向こうには
暑さに潤む 猥雑な世界
暑さも音も匂いも何もかも
窓一枚の こちらとあちら

クーラーの音 低く鳴る
それだけを伴に眺めてる
冷たく乾いて暑さに潤む
夕立ち後の夏の街


人気ブログランキングへ←でも、熱い空気をただかき回しても、ねぇ・・・。 やっぱ、クーラー万歳。


※変更:2017年3月16日
通り過ぎた 夕立ちがしたたる眼下の街は→通り過ぎた夕立ちが まだ滴る眼下の街は
仕方がないと 地に低く這い → 仕方がないさと~
白々とした隈なき光で 満たされて → 白々とした光で~
白く冷たく乾いた部屋→ 冷たく乾いた 白い部屋

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「健やかな夏の朝」 (# 62)

2011-08-15 21:20:37 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
まかろんのお茶会の時間です、皆さまお元気でしたか。

お盆も終わり、8月も半ばです。
8月15日、というと終戦記念日であったりもして、
いろいろ想うところの多い方もいらっしゃるかと思います。

ところで、その前日までの3日間、12日から14日まで、
「コミックマーケット(通称コミケ)」というイベントが東京ビッグサイトで行われました。

このイベント、ただのイベントとあなどるなかれ、
35年の歴史を経て、今回で80回目、現在50万人以上を集める、
日本最大の(たぶん世界有数の)同人誌即売会となっております。

ニュースによると、今回は54万人の来場を記録したそうです。

54万人。
プラス、売り手の人たち。
プラス、運営をしてくれているボランティアの人たち。
(この驚くべき規模のイベントは、全て無料奉仕のボランティアで成り立っているのです)

これだけの人が、何の強制もなく、何の名誉もなく、何の見返りもなく、
ただただ、「自分はこれが好きだ」という気持ちだけで
(それも、その「好き」の対象は皆見事にバラバラで!)
何の争いもなく集い、また別れていく・・・。

なんて平和なんでしょう。

なんてありがたいことでしょう。

コミケで平和を語るなんて、大仰すぎる、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが・・・。

平和、というと何か肩怒らせて、腕振り上げて
禁欲的に訴えなきゃいけないような雰囲気がありますが
(そう感じるの店主だけですか?)、

みんな自由に好きなことやって、
その総体が何だか知らないけど勝手に「平和」になってる、
そんな社会になったらいいな、と思います。

戦争反対、じゃなくて。
平和万歳、そんな世界に。


まあ、ともかく。

平和っていいな、って話です。
なので、今日はどの茶菓子出そうかなー、といろいろ悩んだんですが、
本日はこちらを。

お楽しみあれ♪



2010年8月8日ついったー投稿 <修正>「健やかな夏の朝」

こもる熱 べとつく身体

何もかも鬱陶しい朝
 
君の笑顔だけが爽やかな光を放つ
 
昨日 真っ白に清潔な 墓場のような病院で
 
何も分からぬ君だけが笑っていた

その光はいつも通り どこまでも澄んでいて

だけど

どこまでも悲しかった
 
今日このべとつく自宅の朝に
 
君の笑顔が涼気を呼ぶ
 
震える小鳥のような君の鼓動を胸に抱き
 
今日の朝を感謝する



人気ブログランキング ← くじら~。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする