まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 29

2013-10-31 21:18:08 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
皆さま、ハロウィンナイト、楽しんでいますか。
今年のハロウィンは平日なので、そうそう今日で盛り上がるのは
難しいかとは思いますが・・・


さあタビィの物語は、いよいよ最大の山場です。
お楽しみ下さい。

とは言え明日からもまだまだ紆余曲折で続きますので、
明日からの展開も、お楽しみに!

ハッピー・ハロウィン!


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その29

  ただ 影をなめてるようだったけど
  タビィは 光に浮かぶ泣き顔を
  何度も何度も なめ回した
  泣かないで と意識で言った
  あのときの笑顔を どうか見せて

<つづき>

ふいにざらっと 柔らかな肉の感触
子供の顔が タビィを見ていた
ありがとう と細い声
蒼白い光は 暖かな色に
そのまま ぱあっと広がって消えた

タビィは 次の光に飛びついた
どうしてと怒る 女の顔
どうしてと慄く 老人の顔
みんな タビィを見てくれなかったけど
何度も何度も タビィはなめた

蒼白い光の球は 一つ一つ消えていった
宙に吹き上がる大渦の中では
あまりにも わずかな量だった
だけど タビィはやめなかった
ありがとうと笑う 皆の笑顔が嬉しかったから

やがて なめる光の顔は
知らない顔が 多くなった
けど最後には どの顔も
ほっとした顔で 笑うから
タビィは 夢中になってなめ続けた

意識の舌が 痛み始めた
闇が離れたときの衝撃も
ずきずき 意識に響いてた
次の光に 移ろうとして
タビィは もう飛び移れなかった

タビィの意識は 堕ちていった
闇の柱が 雄叫びを上げた
これで死ぬんだと 思ったけれど
タビィはとても・・・ 疲れてた
もうどうでもいいや とタビィは思った

タビィは 静かに堕ちていった
柔らかな何かに 沈んでいった
闇も光も音も 何もない
ただ包み込む 温かな何かに 
静かにゆるやかに 堕ちていった

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 28

2013-10-30 21:40:26 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
いよいよ明日ハロウィンですよ、ドキドキしますね。


今日まかろん、食後のデザートに
スーパーで買ったチルドデザートを食べました。
毎日パンプキンパイだのカボチャクッキーだの食べてて、
さすがに胃がもたれてきたもので。

で、あっさりめのを、と思って、えーと、
3種のベリーのムースとかなんとか、
というのを食べてたんですが、少し酸味を加えたくなって、
手持ちのブラッドオレンジシロップをかけてみました。

ビタミンCを身体が欲してるということかもしれないと思って、
一緒に飲んでたミックスジュースにもたっぷり入れました。

そしたら。

「淡雪(生クリーム)の園に飛び散る真っ赤
 の凝り(イチゴゼリー)はぷるぷると血の池に震え、
 何とも分からぬ物体(果物)が、流れるにまみれ、
恨めしそうに見上げてた・・・」

という、なんともホラーな状態に。

ぎゃー、と思って飲み物を見ると、そこには 
鮮血ジュースが。

ブラッドオレンジシロップ、すごい威力です。


さて、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その28

  タビィの身体は 形を失い
  意識は再び 元の小さな猫となった
  力をよこせと喚く 暗光の渦
  もみくちゃに されながら
  タビィは 見知った顔を見た

<つづき>

それは街で 牛の乳をくれてた人間たち
女や老人子供たちが 痛い怖いと喚いてた
どうして と女たちは怒っていた
どうして と老人たちは慄いていた
どうして と子供たちは泣いていた

いつもの 白い手の猫だと
笑って抱きあげてくれた 子供たち
一緒に行こうと 街を回ったランタンの夜
猫ちゃんの分も とお菓子をくれた人間たちと
それを渡してくれた子供たちの 笑顔

みんな いまはゆがんでた
生きてたかった死にたくなかった
変な光が どうしてどうして
まだしたいことがやりたいことが
まだ死ぬはずじゃなかったのに

どの光も わめき慄いて
タビィに 気づくものはなかった
当てどなく ただ飛び回り
だんだん 大きな七色の闇の渦に 
引きずり込まれていった  

待って とタビィは手を伸ばした
それは 白い片手だった
黒猫たちが さげすんだ手
なければ良いのに と憎んだ手
だけど 人間たちは笑ってくれた

タビィは 渦に向かう光の一つに飛びついた
どうしてと泣きわめく 子供の顔
タビィは 意識の舌でその顔をなめた
何故か つるんと冷たい感触ばかり
見えてる涙をなめ取ることは できなかった

ただ 影をなめてるようだったけど
タビィは 光に浮かぶ泣き顔を
何度も何度も なめ回した
泣かないで と意識で言った
あのときの笑顔を どうか見せて

<つづく>



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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 27

2013-10-29 21:28:49 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、変な天気ですね~?
皆さま、お元気ですか。


ハロウィン月もあと3日、ということで、
どうですか、皆さまハロウィン気分楽しんでいますか。

ハロウィンもだいぶ市民権を得てきたようで、
やっぱりあちこちで関連のものを目にしたりします。

今日、山手線に乗ったら、
次の駅とか表示するテレビみたいのがありますよね?
あれで天気予報も流してるんですが、
イラストが魔女の絵でした♪ やった☆

それは良いのですが、
問題はあちこちの店で関連グッズ(カボチャ!)やら
お菓子(パンプキン☆)やらを売ってることで・・・。

かなりヤバいです、
まかろんの財布と体重が。

だって、今だけ!と煽ってくるんですよ、卑怯ナリ・・・。


ま、それはともかく、
今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その27

  力をよこせ と光る球たちは言った
  力をよこせ と抜け出ようとする何かも言った
  無様にのたうつ ちっぽけな肉塊たちを余所に
  世界は 湧き立つ欲望の合唱となった
  もっと力をもっと力をもっと力を力を力を!

<つづき>

魔女たちはすでに 虫の息だった
南の魔女は ひゅーひゅーと
耳障りな音を たるんだ首から出していた
西の魔女は 色艶なくした白髪の間で
縮んだしわだらけの顔と身体を 痙攣させてた

北の魔女は 枯れ木のように転がっていた
恐怖に開いた目と口は 虚ろな洞窟のようだった
黒騎士の鎖帷子は むざんにちぎれ
ねじ曲がった身体に まとわりついてた
抜きかけの剣が 震える手からこぼれ落ちた

黒魔道士の目は 見えない何かに見開かれ
骸骨のような指を まだ徒に伸ばしてた
黒司祭の巨体は 綿のようにゆるみ
僧服の中で泳ぐ たるんだ身体は
急速に どす黒い斑点に覆われていった

蒼白い球の波は 怒涛となって
倒れるタビィたちを 呑みこんだ
彼らから抜け出かけてた 闇のこごりは 
冥い歓喜の声を上げ 宙に向かって
七本の 暗く輝く柱と変じた

柱はそれぞれ 色をもっていた
蒼白い球たちは 我先にと柱に飛び付き
あるいは 吸い寄せられ
柱はますます膨らみ つながった
不気味に七色に光る柱が 鋭く天地を突き刺した 

空は すっかり濁っていた 
雲が激流のように 流れる合間を
月が 弱々しい朱い光を投げていた
蒼白い光が 森から空の向こうから次々飛び込み 
柱はいっそう猛り うなりを上げた

魔女たちの身体は もう抜け殻だった
意識の核は 闇のこごりに引きずられ
吹き上げる暗光のどこかに 散っていた
タビィの中の魔女もまた 悲鳴を上げて
自分が殺した 猫たちの意識と共に裂かれていった

タビィの身体は 形を失い
意識は再び 元の小さな猫となった
力をよこせと喚く 暗光の渦
もみくちゃに されながら
タビィは 見知った顔を見た

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 26

2013-10-28 21:24:44 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
お今晩は~。月曜ですよ、皆さまいかがお過ごしですか。

ハロウィンもいよいよ近づいてきましたね。

まかろんの住んでる辺りでは、
昨日ハロウィンのイベントがあったらしく、
仮装した子供たちがたくさん!歩いてました!

イエイ☆

なんですけど、商店街にあるケンタのおじさんが、
ハロウィン本番はこれからだ、ってのに、
ハロウィンの衣装を脱ぎ捨てて、もうサンタの格好をしてるんですよ。

ケンタのXmasメニューの予約が10月24日からという広告のため・・・、
というオトナの事情ってヤツなのかなぁ、と思うのですけど。

サンダースおじさん、

まじめにハロウィンやろうよ。


さて、そんな遊び心が分かんないおじさんは放っておいて。

皆さま、2日間待って下さって、本当にありがとうございました!

今日からガンガン行きますよ!

今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その26

  誰もが 小さく息をついた
  月を見上げ 降る穏やかな光に身を浸した
  痛みも誇りも虚勢も 全て
  身の裡に飼う 冥いうずきも
  全ては 清浄な月の光に溶け去るようだった

<つづき>

しまった と南の魔女が叫んだ
賜物が・・・!
どくん と身体の奥が脈打って
深く深く 根を張っていた闇のこごりが
根こそぎ 抜け出そうとしていた

ぐりん と庭は紙のように
彼らに向かって丸まって
彼らを呑みこもうと 襲いかかった
背後の城は みるみる崩れ
庭と一緒に 丸まっていった

臓腑を無理やり 引きちぎられるような
耐えがたい痛みを タビィは感じた
タビィは口を開け 叫んだが
その音は 引き裂かれる苦痛にかき消され
自分の耳にも 届かなかった 

魔女たちも皆 顔をゆがめて喚いてた
全身がへしゃげるような 激痛の中で
誰もが地面に倒れ もがいてた
タビィはバキンと 身体の奥で
骨が砕けるような衝撃を 感じた

庭や城は ぼろぼろと崩れ
無数の 蒼白く光る球となった
一つ一つに 顔が浮かんでは消え
怒りや苦痛や恐怖や恨みを 訴えながら
もがく魔女たちに 押し寄せた

力をよこせ と光る球たちは言った
力をよこせ と抜け出ようとする何かも言った
無様にのたうつ ちっぽけな肉塊たちを余所に
世界は 湧き立つ欲望の合唱となった
もっと力をもっと力をもっと力を力を力を!

<つづく>


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お知らせです。

2013-10-25 22:07:15 | お知らせ
ども、皆さまお今晩は~。

長々続いてる今回のお茶菓子に、お付き合い下さいまして、
いつもありがとうございます。


さて、当お茶会は明日明後日の2日間、お休みいたします。
(今日は更新してますよ!是非ご覧になっていって下さい)

昨日、この連載中の茶菓子をどこで切るか、ハロウィンまでの計画を立ててみたところ、
ハロウィンの日、10月31日にどーしてもここの部分を出したい!
というのに合わせると、2回分、どうやっても足りなくて。

なので、まあ、ちょうど今日の更新がすごくキリが良いところで、
しかも金曜なので、
土日でお休みして、
来週月曜からハロウィンのクライマックスに向けてガーッと突っ走ろうかな、と。

来週は期待してて下さい。


で、実はハロウィン向けに作ったこの茶菓子、
ハロウィン終わっても続きます・・・。

11月1日からまた新展開、という予定です。

是非、11月の展開も楽しみにしていて下さい。


では、素敵な週末を~。
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