まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「消えたカボチャをさがせ!」最終回

2012-10-31 21:53:24 | 「消えたカボチャ~」 2012ハロウィン
ども、お今晩は~。
いよいよハロウィンです、イエイ☆

でもまあ、大方の社会人にとってはただの月末の仕事日だったと思われるわけで、
皆さま、今日はいかがお過ごしでしたか。

ハロウィン、ということでネットを検索してみますと、
この日はケルトで言うところでは

「あの世とこの世とを隔てる門が開いてつながる日」

なんだそうで、それで魑魅魍魎が跋扈するので、
危ないから仮装してお化けのふりをしましょ、
と、現在知られるところのイベントにつながるわけですね。

なんですが、「あの世とつながる日」なので、
魔法が一年で一番効力を発揮する日なんだそうで、古来より
この日に行う恋まじない、なんてのがあるそうです。

恋まじないはともかくとして、
皆さんも、今日ばかりは何か小さな魔法、使えちゃってたりするかも。
知らないうちに、ほら?


さあ、アビーばあさんはどうなったでしょう?


2012年10月1日~10月31日ブログ直接投稿
 「消えたカボチャをさがせ!」 最終回

  そのとき遠くで クッカドゥードルドゥ
  暁を呼ぶ オンドリの声
  も一度近くで クッカドゥードルドゥ
  朝よ光よ太陽よ 夜は終わった目覚めの刻
  寿げ光を 幸い満ちよ
  物みな全てに 降り注ぐ光
  喜びの朝 やってきた

<つづき>

アビーばあさん はっと目覚ます
たいへん あれから眠ってしまった
カボチャがないまま 一晩過ぎた
可愛い孫たち どうしただろう
魔物におそわれなかっただろうか
お菓子もなくて がっかりしたろう
ダメなばあちゃんじゃ ゆるしておくれ  

ふと見渡すと 見なれた部屋
低いてんじょう すすけた木のはり
そまつなベッドに 朝日があたる
はっと見やった鏡には
よれよれ寝巻のおばあさん
よたよた台所に降りてみりゃ
昨日のままの 大きなカボチャ

カボチャ畑を見てみれば
いつもとおんなじ まるまるカボチャ
早起きダニーは畑仕事
マシューものろのろ 牛の世話
おおいダニーよ 今日はなんにち
おいおい 寝ぼけているのかい
今日はハロウィンの日だろが  

アビーばあさん 頭をふって
ランタンつくりに とりかかる
魔物がびっくりする顔 つくろう
それができたら カボチャ菓子
たっぷり バターに卵にクリーム
魔物もぐんにゃり とけるような
いたずらされたら かなわない

かたんと裏口 音がして
かりかりかり ひっかく音
なにかと裏口 開けてみりゃ
大きな黒猫 にゃおんと一声
するりとことこ 台所のなか
アビーばあさんを じっと見て
ナーゴと も一度声あげる

そんなこと あるわけないけどねぇ
アビーばあさん つぶやきながら
ミルクとクリーム 出してやる
黒猫 ぴちゃぴちゃ満足げ
あんた カボチャ菓子も食べてくかい
これ終わったら つくるけど
黒猫 くわぁとあくびして
ごろり うたたねを始めた   

<おわり>

1ヶ月お付き合い頂き、ありがとうございました!
また来週お会いしましょう!

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※変更:2018年7月29日
魔物もぐんにゃり とけちゃうような → ~ とけるような
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新作 ~ 「消えたカボチャをさがせ!」その9

2012-10-29 21:21:20 | 「消えたカボチャ~」 2012ハロウィン
ども、お今晩は~。

日暮れがますます早くなってきましたね。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

10月頭からご紹介してきたハロウィン茶菓子も
いよいよ後2回となりました。

最終回である次回は当然、10月31日に開店します。

さあ、やっとこさ城の台所まで戻ってきたアビーばあさん、
無事このまま帰れるのでしょうか?


2012年10月1日~10月31日ブログ直接投稿
 「消えたカボチャをさがせ!」 その9

  すごいなばあさん 美味いじゃないか
  黒猫ごろごろ ご満悦
  そうかいあんた いける口だね
  ミルクやクリームもご馳走したいねぇ
  なんだいそりゃと言いながら
  黒猫 ごろりと床に寝そべり
  くわぁとあくび うたたね始める

<つづき>

さあ今のうちと 思ったとき
身体が ぼぼんと大きくなった
ネズミたちチューチュー 大騒ぎ
なんか変だと覗いた 銅なべに映った
人間の背丈の 服着たネズミ!
どうしようかと思っていると
奥の扉がバタンと開いた   

お前のせいだね このまぬけ
ネズミ遣い魔女 アビーに叫ぶ
失敗菓子などよくも出したね
食べた皆さま 苦しんで
吐いたり倒れたり 大騒ぎ
主さまは 大不興
おん前でお前を殺してくれるわ

魔女 アビーばあさんの腕つかみ
階段の方へと引きずってゆく
楽には死なせてやらないよ
地獄の責苦のフルコース
たっぷりふるまってやるからね
そう言ったとき がこん!
びんが 魔女の頭に降ってきた

びんをくらって 魔女はばたん!
がしゃんと割れたびんからネズミ
トーリスガリよ 大丈夫か
わしをだましたお前も悪いが
地獄の責苦は ひどすぎる
わしもこやつにウンザリじゃ
わしをここから連れ出しておくれ  

そうだよばあちゃん とにかく出よう
ネズミもチューチュー言ったとき
大きな闇が広がった
愚かなり 卑しい動物たちよ
我から逃げられると思うてか
その人間を引き渡せ
さすれば そのまま捨て置いてやろう  

アビーばあさん 縮まってゆく
大きな大きな闇の中 
小さく小さくなってく心
わしは愚かで醜く卑しい・・・ 人間
大きな大きな闇の中
小さく小さく輝く心
わしは愚かで醜く卑しい・・・ 人間  

光はどんどん強まってゆく
神の似姿 与えられても
何もできないこの身体
ここまで来るのも 友達頼り
知恵も力もありはせぬ
それが人間 愚かで醜く卑しい存在
わしは人間 愚かで醜く卑しい存在

大きな闇は ゆらめいて
くやしくないのか 人間よ
もっと強くはなりたくないか
もっと高貴でありたいだろう
神の似姿もつ そなたなら
百獣従え 王ともなれる
それが人間の宿命ぞ   

闇はどんどん溶けてゆく
愚かで醜く卑しいことに
なんの障りがあるものか
こうして わしはここまできた
王にならずとも ここにいる
そなたを赦そう 無知なる王よ
そなたの無知は わしのもの   

そのとき遠くで クッカドゥードルドゥ
暁を呼ぶ オンドリの声
も一度近くで クッカドゥードルドゥ
朝よ光よ太陽よ 夜は終わった目覚めの刻
寿げ光を 幸い満ちよ
物みな全てに 降り注ぐ光
喜びの朝 やってきた

<つづく>

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新作 ~ 「消えたカボチャをさがせ!」その8

2012-10-25 20:49:30 | 「消えたカボチャ~」 2012ハロウィン
ども、お今晩は~。

寒くなってきましたねぇ。
ハロウィーンはいよいよ来週です。

この茶菓子を出し始めた10月始めには、まだこんなに寒くはありませんでしたよね。

時は流れています。


さて、この茶菓子も残るは後3回です。
ネズミになってしまったアビーばあさんは、この後どうなるのでしょう?


2012年10月1日~10月31日ブログ直接投稿
 「消えたカボチャをさがせ!」 その8

  アビーばあさん こっそりチューチュー
  黒猫や もっと美味いの欲しかないかえ
  わしは 今日の台所係ネズミ
  今日の材料 なめ放題じゃ
  いつもと違う材料あっての
  そりゃあ 死ぬほど美味い味
  一緒に台所行って 食うてはみぬか

<つづき>

黒猫じとっと 目をくれて
俺に ご主人様のもと離れろと?
菓子が美味くて ネズミ食う気に
なれずにいたが つまみに
一匹くらいは 食っても良さそうだ
ぐわっと 大きな口あけて
鋭い犬歯を がちがち鳴らす

いやいや その菓子に入れたもの
ほんとのほんとに特別なんじゃよ
わしの主人がやっとで用意
来年はあるか分からぬ珍品
夜会はまだまだ ご主人方もお楽しみ
わしも台所 一緒に行って
ちょっとかじって すぐ戻ろう

黒猫 カボチャ菓子のかけらを眺め
ネズミの話に乗るのはしゃくだが
確かに美味いし 夜会はこれから
すぐに そいつを出せるんだろな?
もちろん わしが係と言うたじゃろ
よし決まった すぐ行こう
黒猫 アビーばあさん咥えて走る  

階段ささっと 走り抜け
戻ってきました 台所
まだ残っていたネズミたち
黒猫を見て チューチュー騒ぐ
静かに静かに ネズミたち!
わしじゃよアビーじゃ 大丈夫
わしらに バターを出しとくれ   

ネズミが一匹 寄ってきて
ばあちゃんばあちゃん よく戻ったね
でも その姿はどうしたの
時間がないんじゃ バターを頼む!
ネズミはあわてて 取りにゆく
ごとっと置かれた 大きなボウル
たっぷりバター バターミルクにちゃぷちゃぷ

広間の方から 騒ぎ声
盛り上がっているなと 黒猫いう
そりゃ ハロウィンの夜だもの
広間の騒ぎは いっそう大きく
今年はずいぶん騒いでいるな
そりゃ あの菓子が大ウケなのさ
さあさあ 一口食べてごらん

黒猫ふんふん バターミルクぺろっ
妙な味だなと 不満顔
そっちじゃないよ 固まりの方さ
ほら こうして食べてごらん
アビーばあさん かじってみせる
黒猫も がぶっとかじりつき
のどをごろごろ またかじる   

すごいなばあさん 美味いじゃないか
黒猫ごろごろ ご満悦
そうかいあんた いける口だね
ミルクやクリームもご馳走したいねぇ
なんだいそりゃと言いながら
黒猫 ごろりと床に寝そべり
くわぁとあくび うたたね始める

<つづく>

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※変更:2018年7月29日
確かに美味いし 時間はない → ~ 夜会はこれから
バターミルクと 柔らかバター → たっぷりバター バターミルクにちゃぷちゃぷ
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新作 ~ 「消えたカボチャをさがせ!」その7

2012-10-22 20:48:46 | 「消えたカボチャ~」 2012ハロウィン
ども、お今晩は~。

10月も後半に入りました。
どんな風にこの月をお過ごしでしょうか。

魔物だらけの大広間に引っ張り込まれたアビーばあさん、
無事に脱出できるのでしょうか?


2012年10月1日~10月31日ブログ直接投稿
 「消えたカボチャをさがせ!」 その7

  たちまち 服が真っ黒に
  さあ出迎えだと 引きずられ
  よたよた 広間の中すすむ
  男がぴたっと足をとめ
  アビーばあさんの腕 離したとき
  大きな大きな 冷たい闇が
  広間いっぱいに 広がった

<つづき>

頭のなかに とどろく声
よく来た悪しき 我がしもべ達よ
今宵はハロウィン 我らの日
人界に出て 思う存分騒ぐが良い
我に 人間どもの悲鳴を聞かせよ
我に 人間どもの血の海を捧げよ
まずは我が力を その身に受けよ  

とたんに大きな火柱 ふきあがり
四方八方 火の粉を散らす
魔物たちは 奇声をあげて
火の粉 浴びようと押し合いへし合い
さあ この隙に帰ろうと
アビーばあさん 歩き出したら
火の粉ひゅん! 身体を直撃!

あれあれ なんだか変な気分
気持ちが小さく小さくなってく
大きな大きな闇のなか
小さな小さな無力な自分
愚かで醜く卑しい・・・ ネズミ
アビーばあさん 周りを見回す
たいへん ネズミになっちゃった!  

とにかく逃げなきゃ 出口はどこ
うろたえ惑って チューチューチュー
ギャーオと鳴き声 大きな黒猫
にったり笑って 飛びかかる!
そこにふわんと 小さなテーブル
お菓子やなんやら たっぷり載せて
あちらこちらに 降りてくる

黒猫 がしゃんとテーブル激突!
飛びちる お菓子やカップやお皿!
そばの悪魔は 誰の猫だと顔しかめる
今だ アビーばあさん駆けだした
出口は出口は出口は どこ
その時 ひょいっと黒衣の腕が
アビーばあさん 逆さづり

おやおや ネズミがこんな所に
片づけとけと言うたのに
ほんに若い者は頼りにならぬ
主さまに代わって仕置きをせねば
じゃがその前に こやつの始末
アビーばあさんのしっぽをつかみ
魔女はぎょろり 辺りを見渡す

おうおう いい子じゃ可愛い猫や
ハロウィンのご馳走 くれてやろう
魔女はぽいっと 黒猫へ!
だけど黒猫 カボチャ菓子まみれ
とろんとした目で ナーゴと鳴く
ぼふっと当たったアビーばあさんを
興味なさげに ころころ転がす   

ああもう そんじゃ好きにおし
もうカボチャ菓子に手をだすとは
しつけの悪い 使い魔だねぇ
ほんに近頃の者は使えない
魔女はぶつぶつ 文句を言い言い
自分もカボチャ菓子食べようと 
近くの他のテーブル 向かう  

アビーばあさん こっそりチューチュー
黒猫や もっと美味いの欲しかないかえ
わしは 今日の台所係ネズミ
今日の材料 なめ放題じゃ
いつもと違う材料あっての
そりゃあ 死ぬほど美味い味
一緒に台所行って 食うてはみぬか

<つづく>

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※変更:2018年7月29日
ちょうど上から 小さなテーブル → そこにふわんと ~
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新作 ~ 「消えたカボチャをさがせ!」その6

2012-10-18 21:10:16 | 「消えたカボチャ~」 2012ハロウィン
ども、お今晩は~。

雨がすごいですね。
皆さま、お元気ですか。

さあ、変な老婆が消えたと思ったら、怪しげな男が!
アビーばあさんはどうなるのでしょう?


2012年10月1日~10月31日ブログ直接投稿
 「消えたカボチャをさがせ!」 その6

  うんにゃ 気がつかなかったよ
  それより これからどうしよか
  言ったその時 バタンと奥の扉開いて
  ずかずか 黒づくめの服きた男
  じろっとアビーばあさん見やって
  そろそろ 夜会が始まるぞ
  カボチャ菓子は もうできたか 

<つづき>

言うなり 菓子はふわっと浮いて
次々 城の奥へと消えてゆく
それじゃこれでと アビーばあさん
部屋から出ようと 背中を向けたら
男はぶつぶつ つぶやいて
けど なんにも起こらない
おい お前ネズミじゃないな  

はてはて ネズミとはなんのこと
わしはネズミ遣いの魔女じゃ
ほれ こいつらみんなわしの手下
男はしかめっつらで言う
ネズミを元に戻してこいと 
あんたが言ったと聞いて来た
自分で来るなら 言えばいいのに

おうおう それはすまなんだ
主さまのご用で 駆けまわり
ついつい 頼んでいたこと忘れてた
他のネズミも片づけてゆくで
お前さんは先に夜会にお戻り
もうすぐ 始まる時間じゃろう
すると 男はぎょっとした顔

おいおい ばあさん正気かい
夜会の始まりに みんなでいないと
不敬の罰で 俺たち全員殺されるぜ
お客さまたちも 次々おいでだ
あんたも一緒に来るんだよ さあ!
アビーばあさんの腕つかみ
男はずんずん 階段のぼる

ずんずんどんどん 階段のぼって
出た先 広―い大広間
ろくに 明かりも火の気もないが
魔物たちで 広間はいっぱい
角を生やした悪魔たち
オオカミ男にヴァンパイヤ
コウモリ飛び交い 黒猫にゃあ   

幽霊ひやっと 通り過ぎ
アビーばあさん はっくしょん
ばあさん外衣はどうしたよ
早く黒衣に その服変えな
男は言うが はっくしょはくしょ
そうか 俺がせかしたせいだな
男はもごもご 手をしゃらん   

たちまち 服が真っ黒に
さあ出迎えだと 引きずられ
よたよた 広間の中すすむ
男がぴたっと足をとめ
アビーばあさんの腕 離したとき
大きな大きな 冷たい闇が
広間いっぱいに 広がった

<つづく>

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