昨夜MIFさんに「明日、どこの山行くの?」と聞かれたのだけれど、ホキ美術館の新しい企画展示が始まっていたので、リクエストしたらOKとのこと。
朝8時に自宅を出発。MIFさんと私の2人でドライブだ。
山に行くときよりはちょっと遅い時間に出発していることもあって、道路は少々混雑。
今回のルートはMIFさんの出勤ルートと半分くらい被っているのだけれど、混雑していることに驚く私に対しMIFさんは「平日の通勤時間はこんなもの」と涼しい顔だ。
さて9時45分ホキ美術館の駐車場到着。
今回の企画展示は「人思い、人想う。」というもので、ホームページでもパンフレットでも生島浩さんの「5:55」が載っている!
やったぁ!!前回(2013年12月14日)訪問時には展示がなくなってガックリしていたけれど、今回は大々的に出てきている!!
という期待たっぷりで訪れたのだ。
開館直後にまず「はなう」で予約を入れる。先にアレルギーのことを伝えておく。
さて入場。
ギャラリー1の1番最初に展示されているのが「5:55」。
そう、これを目当てにやってきたのだ。前々回(2013年6月1日)にギャラリー8で展示されていたのを見て以来だから、1年ぶりだ。
もう何度も目にしているのだけれど、新たな発見が!!
これまで展示されていたギャラリー8と今回展示されているギャラリー1は展示室の明るさが全く違うせいか、この展示室でみるこの絵画は、色調が違うように見える。
夕方5:55という時間を題材にしているので、午前中の明るいギャラリー1で見ると、仄かな背徳感(!)が感じられない…。
それにあの青い服(私には麻素材に見える)が、思った以上に色味が薄く見えてしまうのだ。
夕方の日差しで見ればまた違って見えるのだろうけれど。
これまで秘められた名作の如く、展示の最後にお目にかかれる作品だったのに、ここまでメインにされてしまうと、眩しくてたまらない。
ちょうどすぐ後に入ってきた数人の団体2組がやはり「5:55」について話していて、テレビで見ただの、ここの名物作品だとか言っていた。
でもその団体は初めて来たらしく「5:55」をしばらく見ていたけれど、すぐに他の作品の鑑賞に進んだようだ。
いつの間にか私やMIFさんを追い越していたので、私はもう一度「5:55」に戻って作品鑑賞。
静かに鑑賞するのは本当に心洗われる。
モデルの女性の心ここにあらずという表情がとてもステキなのです。
この表情に惹かれて鑑賞している人も多いのだろうな。
それにしても今回は光の当たり方がこれまでと違うので当然、印象も違ってくるわけだ。
作者の生島さんが「近くで見ないでね」と言われる意味が分かる。
ギャラリー8で見ていた時とは違って、細部まであらわになるというか光の印象は違うのは仕方が無いにせよ、すぐ近くに展示されている同作者の「Box」とは筆致というか細部の描き込み方がちょっと違っている。
キャンバスのサイズが違うからかもしれないけれど、思っていたよりも細部の描き込みの印象が違うのだ。
これは、人間の目の補完機能のせいだったのかもしれない。
人間の目はある程度、実際には書き込まれていない欠落部分をこれまでの人生経験から補完してしまうというのだ。
そんなことを思い巡らしながら見ても、この作品を1年ぶりに見られて良かった。
それと毎回思うのだが、ホキ美術館の作品にガラス板が入った作品が多くなったのが残念だ。
とくにギャラリー1。ここは、他の展示室と違って、外部の光が入りやすい。
窓ガラスには紫外線カット機能は付いているのだろうけれど、それ以上に可視光がたくさん入ってきている。
そうなると、その光の影響が強く、額にはまっているガラスに周りの風景が写り込んでしまって絵画が見にくくなる。
これは本当に残念でならない。
とくに藤原秀一さんの「待ちぶせ」は、川面の光の反射がとても美しい作品なのにそれが分かりづらい。
以前の展示では、ガラスが入っていなかったはずなのだが…。
ギャラリー2は、森本草介さんの作品群。
じつはここの作品は裸婦がモデルのことが多いのだけれど、昨年あたりからこの裸婦の作品群が楽しみの1つなのだ。
背中を描いていることが多いのだが、この背中の美しさが、最初はよく分からなかったのだけれど美しさに気がつくと、もう楽しみの1つになる。
最初こそ同じような構図で、同じモデルを使うのは何となく「習作」のように思っていたのは事実だ。
ところが少しずつ違う美しさを感じるようになると、気がつけば、同じ作者、同じモデル、同じような構図と色彩でも全く別物だと思うようになる。
ところでこのモデルさん、30年くらい前から森本さんが描いているそうだ。
私にはどう見ても裸婦時20~22歳くらいに見えるし、着衣の作品もせいぜい25~28歳くらいにしか見えない。
すると、30年くらい前に出会った頃20歳だとしても、現在50歳くらいの人では無いだろうか?
そうすると、モデルその人を描いているのではなく、写真などのフィルムに保存したモデルの女性が1番美しかった時代を描いているのでは?等と想像してしまうのだ。
それにしてもこんなに美しい人、存在するんですねぇ。
さて作品群を見終わってもランチの予約までは少し時間があった。
ゆえにカフェでちょっとお茶をして、置いてあった美術雑誌などに目を通す。
それから、ミュージアムショップで「5:55」の額絵を購入。
自宅玄関に飾っていたフレームが壊れたので、「5:55」を飾ろうと思ったのだ。
そうこうしているうちに、レストランの予約時間を少し過ぎてしまった。
でも今日は混雑していないようなので、ゆったりと食事をする。
ここはランチメニュー1種類しか無い。ただし、メインは3種のパスタとハヤシライスから選択できる。
私は、しらすや春キャベツ、からすみの入ったパスタにした。
アレルゲンは先に伝えていたので、代わりの食材などを使ってくれて、助かった。
前回は熱すぎると感じたミネストローネも丁度良い温度だ。
デザートは、マンゴーのジェラート、パンナコッタ、ベイクドチーズケーキでこれも美味しい。
今日はとても満足な絵画鑑賞の時間を持てて、美味しい食事をしてとても満足だった。