アルバイト先でのこと。
どう見ても小学生が母子で、アルバイト先のフリースペースにいた。
私は内心「ああ、昼間の時間つぶしね、ここに来るなんてこのお母さん、いいお母さんだなぁ」って思っていた。
するとアルバイトの先輩が「あの親子、また来てるよー」と呆れ顔で言う。
私 「有名な親子なんですか?」
先輩「2時間くらいここで過ごすの。ずっとここで遊んでいるのよ」
私 「そうなんですか、頻繁に来ているんですか?」
先輩「そうなの、平日だけなんだけど2~3日に一度は来てるよ」
私 「モノを壊したりしたんですか?」
先輩「それはないけど、ここに入り浸っておかしいでしょ?他に行くところがないのかなぁ」
私 「ここが好きなんじゃないですか?」
先輩「んーもー、来なくていいよー」
私は苦笑い。
先輩、気が付いていないみたい。
たぶんお子さんは、本来この時間は学校に行っているハズ。
お母さんはお母さんで、子どもになにもさせない訳にはいかない。だから子どもが興味を持ったことを理由に外に連れ出している。そしてこのフリースペースに行き着いたと言ったところだろう。
先輩はどうしてこの親子を見守れないのだろうか?
何も悪いことはしていない親子を見守ろうとしないだなんて…。
お母さんは、たぶんいろいろ迷いながらも子どもを安心して遊ばせる場所を探してやっと安心できる場所を見つけただけなのに。
私は先輩に伝えた。
私 「あの親子、2時半を過ぎたら帰ると思いますよ。そのまま見守りましょう」
先輩「なんで分かるの?」
私 「近所の子どもたちが学校から帰ってくる時間ですから、その前に帰りますよ」
先輩「どういうこと?」
私 「たぶん学校に行っていない子なので、同級生には会いたくないはずです」
先輩「えー!なんで分かるの?」
そこは笑ってごまかす。
今までの人生経験で導き出された答だから。
興味本位の人には「いいじゃん、別に」と言いたくなることが多々ある。
アルバイト先のこのフリースペース、学校に行っていない子どもたちにも、個人的にはぜひ来てもらいたい。
アルバイトごときの私が言うのもなんだがとてもいい施設なんだ。
飲食はできないが、教育ビデオ見放題、体験型の物品の展示など。大人も子どもも楽しめる展示会なので、ちょうどいい。
私は親子がここで安心して過ごせるなら、ぜひ利用してもらいたいと感じるが、先輩がたはそう思っていないことが悲しい。
監視する人が少なければ少ないほどいいと思っているのだろうか?
こういうとき、アルバイトとはなんと不自由で、なんと消極的なのだろうと感じてしまう。