あなたの想いはあなたそのもの

おばあちゃんの知恵袋!

宝塚歌劇 桜嵐記を観劇して

2021-06-29 18:24:53 | 日記

珠城りょうの退団公演 桜嵐記

太平記で有名なお話

楠木正成の嫡子、楠木正行の死ぬと分かりつつも武士の子であるが由の宿命に付き従い滅びをよしとして受け入れ戦う

 

 

 

珠城りょうの集大成にふさわしい

 

 

 

上田久美子先生、作、演出

南北朝という混沌とした時代

一つの時代の終わりを美しくも切なく

しかし強く激しく美しく生き

そして死んで行った者たちのお話

 

 

一目千本と言われる吉野山の桜

南朝という存在のもの哀しい吉野の侘び住まいが一瞬だけ華やぐ

燃えるような桜が下から上へと次から次へと咲き誇る

 

そんな吉野の桜が死に行く若者たちの人生と交錯しより一層この舞台を盛り上がる

 

 

 

上田久美子先生の演出がまたまた憎い

わかっている物語の終わりも先生の演出でなんとも美しい

 

 

 

美しい桜の如く楠木正行と日野俊基の息女の弁内侍との淡い恋

 

 

後村上天皇は正行に弁内侍を妻とするよう勧める

しかし正行は弁内侍を想うがゆえに戦いで命を落とすであろう身で契りを交わすわけにはいかないと拒む

想うがゆえの正行の切ない決断

 

 

狂おしく嵐のように舞散る桜の花びら

桜の嵐の中を正行は己の選んだ道に向かって付き進む

 

 

 

 

私は以前から太平記はなんとなく知ってはいたが南北朝の動乱期は苦手だった

 

こんなにも美しい南北朝の終焉を見たことがなかったから

 

さすがは宝塚

 

こんな小難しい南北朝のお話をこんなにも美しい舞台にしてしまうとは

 

 

 

今回も宝塚歌劇団、月組の皆様

素晴らしい舞台をありがとうございます

 

 


宝塚歌劇 ヴェネチアの紋章を観劇して 

2021-06-15 09:09:12 | 日記

6月11日姫路から大好きな宝塚歌劇を観劇に名古屋に向けて朝6時に主人と二人、我が家を出発

待ち望んだ心踊る公演

宝塚歌劇団雪組のヴェネチアの紋章

この公演がプチお披露目

神奈川、愛媛、愛知を巡る全国ツアー

 

 

トップは我らが彩風咲奈

 

 

やっとやっとトップになった咲ちゃんの姿を見る事が出来る

コロナの影響で一年間、全国ツアーが自粛に

一年ぶりの雪組からの再びの全国ツアー

なんと嬉しい事か

 

 

彩風咲奈

 

 

舞台にすっと立つとなんとも美しい

タカラジェンヌ随一の美しさ

だと私は自信を持って思っている

 

 

そして若い頃には女が男を演じるなんて気持ち悪いと言っていた主人が咲ちゃんならと名古屋まで私に付き合ってくれる

宝塚には主人と幾度も足を運んだが名古屋は初めて

咲ちゃんならいいよ

頑固な主人も納得の咲ちゃん

 

 

私は民放テレビFNSの咲ちゃんが忘れられない

以前から咲ちゃんは、かなりのお気に入りだったけどFNSの振り切った咲ちゃんのダンスに、もうクラクラ

心臓はバクバク

心をぐっと鷲掴み

その日はもう興奮して眠れない

 

 

そんなこんなで咲ちゃんにはまりまくり

今に至ります

 

 

そんな私を今は主人も優しく受け止めてくれています

感謝です

 

 

愛知県芸術劇場

オペラも上演できる素晴らしい劇場

ホテルは劇場のすぐ近くにとる事が出来た

 

 

PM1:30開演

ヴェネチアの紋章が幕を開ける

ヴェネチアの紋章は塩野七生先生の小説を元に花組の大浦みずき、ひびき美都のサヨナラ公演として1991年に上演され初演から30年を経て新たな演出により上演

 

 

時は16世紀前半のイタリアのヴェネチア共和国

スペイン、フランス、トルコの国々の狭間で揺れ動く

彩風咲奈が演じるのはアルヴィーゼ.グリッティ

彼はヴェネチアの元首グリッティの子だが母メリーナはトルコ国籍を持つギリシャ女性

つまりアルヴィーゼは嫡子ではない

それゆえ唯一手に入れる事が出来ないもの

それはヴェネチア本国での貴族の身分

そしてヴェネチアでは貴族でなければ政治家にはなれない

父譲りで誇り高く政治的野心の強いアルヴィーゼ

いつの日か必ず自分の手で一国の王になりヴェネチアが決して彼に与える事のない紋章を手に入れるという野望に燃えていた

 

 

彼には貴族の名門コルネール家の血筋であり10年にわたり密かに愛し続けるリヴィアという女性がいる

しかしヴェネチアでは貴族ではないアルヴィーゼと貴族の出であるリヴィアとは正式な結婚は望めない

そのためアルヴィーゼは一度はリヴィアを諦めコンスタンチノープルへ渡り持ち前の才覚で大貿易商となる

10年後、姪の結婚披露宴に出席するためヴェネチアに帰って来たアルヴィーゼは10年を経ても愛し続ける名門貴族プリウリの妻となったリヴィアと情熱的にモレッカを踊る

アルヴィーゼは愛するリヴィアをそばにおくために準備を進める

コンスタンチノープルに戻ったアルヴィーゼはトルコの属国であるハンガリアに侵攻を開始オーストリーの動きを封じるためトルコ国王の信頼を得て軍を率いてハンガリアへ進軍することとなる

ハンガリア遠征の司令官から総督そしてハンガリアの王へ

愛するリヴィアを取り戻すため

自分自身の誇りのため

紋章への強い執着のため

一国の王となるため

愛する人のため

 

 

アルヴィーゼは立ち上がる

 

 

彩風咲奈と朝月希和の静かだが情熱的なダンスが心を揺さぶる

 

 

二人の情熱がひしひしと伝わる

 

 

咲ちゃんのダンスはとにかく伸びやか

そして色気も

 

 

私この咲ちゃんのダンスに心奪われる

 

彩風咲奈と朝月希和の情熱的なダンスが二人の思いを語り尽くす

 

 

人生での生きる意味

愛する人を手に入れる

 

 

そのために人は生きる

 

 

アルヴィーゼはまさにその人

 

 

だがトルコやフランスは助けてはくれなかった

アルヴィーゼたちは孤立無援となり儚くも散って行った

それを知ったリヴィアも彼の後を追って海に身を投げる

アルヴィーゼとリヴィアとの間に生まれた子供をアルヴィーゼの無二の親友マルコに託して

 

 

1991年の初演の時には存在しなかったアルヴィーゼとリヴィアの愛の結晶

 

 

今回の公演の演出で儚くも悲しい二人の結末に一筋の光が

二人が愛し合った証としての子供が

この切ない物語を希望へと導く

 

 

この演出がたまらなくにくい

 

 

悲しみだけを残して終わるのではなく明日へとつながるこの演出に涙しつつ感謝して舞台を観終える事が出来た

 

 

 

そしてショーはトップコンビの真っ赤な衣装が映える二人が美しい

咲ちゃんがトップになって雪組のダンスが更にスタイリッシュ

 

思う存分、ダンスを楽しめた

 

 

久々の全国ツアー

名古屋名物ひつまぶしを食べて観劇

その日はホテルに泊まり翌日、熱田神宮へ参拝

帰りの高速で鈴鹿サービスエリアでお気に入りのドラコンフルーツのソフトクリームをいただき大津サービスエリアでいつもの京都の柿の葉寿司をゲット

奈良の柿の葉寿司より京都の柿の葉寿司が上品なお味で好き

特に柚味を利かせた鯛が美味しいのでお薦め

 

 

咲ちゃんを堪能して名古屋もちょっと観光

美味しいものもたくさん食べて最高の二日間でした

 

 

 

切ないけれど一筋の希望を残してくれたヴェネチアの紋章

 

咲ちゃん

雪組

最高!!

 

 

宝塚歌劇団、雪組の皆さん、スタッフの方々

幸せな時間をありがとうございます


宝塚歌劇 アウグストゥスを観劇して

2021-06-13 08:28:18 | 日記

私は宝塚歌劇が大好き

そして歴史も大好き

特に古代ローマの歴史がお気に入り

そして今回、花組で古代ローマの最も有名なお話

カエサルの死から、その養子オクタビィウスへ

壮大な歴史の転換点を田渕先生の作.演出で

古代ローマの長い長い内乱の時期に終止符を打った

ガイウス.オクタビィウス

彼は戦いを好まず理性的な戦略を持って

ローマを治めようとした

世間体に縛られず混迷のローマを導いた

その偉大な人物の若き日を演じるのが

花組の柚香光

 

田渕先生いわく

どんな状況でも理想に向かって歩み続ける孤高のトップスター

そんな彼女のイメージと想像するアウグストゥス帝の

精神世界を重ね本作品を描くに至ったと

 

 

どんな事があっても理想に邁進したオクタビィウス

後にアウグストゥス尊厳者という称号を得る

 

そんな世相の価値観を超越した英雄像が

孤高のトップスター柚香光と重なる

 

そしてオクタビィウスが古代の伝承によると

生涯にわたって容姿には気品があり

まれなる美男子であり人目を惹いた

 

いわゆるイケメン

 

そんなオクタビィウスと柚香光の姿が重なる

 

オクタビィウスを演じる柚香光が美しい

 

 

そしてオクタビィウスの親友アグリッパを水美舞斗

カエサルの政敵となり命を奪われたポンペイウスの

娘を今回で退団となる華優希が演じる

 

そしてクレオパトラを愛してしまうアントニウスを

今回で退団となる瀬戸かずやが演じる

そしてクレオパトラを凪七瑠海

 

カエサルを暗殺することになるブルートゥスを

永久輝せあが演じる

 

宝塚歌劇は出演者それぞれに皆が美しい

演者としてのバックボーンをしっかり抱えながら

それでも宝塚歌劇は美しい

 

 

残虐な戦いのシーンも暗殺のシーンも

それでも宝塚で演じると全てが美しい

 

 

今回も複雑な感情と歴史が交錯する舞台だ

それでも、やっぱり宝塚の舞台は美しい