「がんばる」って

　試合中はとてもよく「がんばっている」メンバーがおります。
が、練習中は集中力が弱い面が見えます。

　気持ちが乗っている時はどんな風にでも練習をやりきるのに、気持ちが乗らない時は別人のように脱力してしまいます。

　突然、あきらめてしまうのです。

　それで、この子だけを呼んで、ゆっくり話を聞いてみました。

　でも、この時点ですでに集中できなくなっていて、話をしている私の方をきちんと見ることすらできず、足はずっと動かし、視線も止まりません。
話しかけても「あ～、うん」と張りもありません。

どうしてかなぁと、原因をいろいろ考えて、いくつか心当たりはあるものの、こういう事は子供なりにけっこう微妙な問題でもあります。

ただ、「がんばるって、どういう事かわかるかな？」と尋ねたら、
「う～ん、わからへん・・・」との答えでした。

それでもう少し話を聞いていくと、勉強にしても運動にしても、「あ、もうあかん」「しんどい」「わからん」と思えてしまうと、「やめてしまう」と言います。

「もうちょっとやってみようと思わへんかった？」と聞くと、「思わへんかった。」と下を見ながら答えてくれました。

「そっか～、そこができてなかったんやなぁ」と二人で納得しながら、
「じゃぁね、これからの練習中にね、『あ、しんどい、もうあかん！』って感じたら、そこで『でもあと１回だけ続けてみよう』ってやってみようか。あと、そんな時に大きな声を出してみるのもやってみようか。そうやってちょっとづつ続ける時間が長くなるといいね」と、とりあえずは部分的なことから始めて見ることにしました。

　小学生なりにも、友達と比べて、自分はなんかおかしい、なんでできひんのかな、がんばれってどういうことなのかなと、いっぱい考えて悩んでいるのだと思います。

　何がわからないのかがわからない状態ほど、しんどいものはありません。

　この子とも、これからゆっくりじっくり付き合って行きたいと思っています。

　本当にガンバリ屋のいい子なんです