雑記帳

日々の雑記帳です。

京劇鑑賞

2010年05月28日 | 日記
三国志で有名な「赤壁の戦い」。今日、愛知県芸術劇場大ホールで京劇を見てきました。日本の歌舞伎に近いものでしょうか。
つい最近、映画で「レッド・クリフ」の上下がありましたが、それが「赤壁の戦い」です。

例年、この時期に友人から京劇の案内があり、チケットを手配してもらいます。今回の席は1階の6列目ということで、役者の顔がはっきり見えました。

今日の内容は、赤壁の戦い後半部分です。
魏の曹操、呉の周瑜(しゅうゆ)、そして蜀(しょく)の劉備とその軍師の諸葛孔明(しょかつこうめい)。もちろん三国志の主役は諸葛孔明ですが、今回は各々にスポットライトが当たっていました。

曹操は長江(揚子江)に船体を繋いだ船団を組んでいます。諸葛孔明が「術」でこの時期に吹くはずのない東南風を起こします。船団は呉の武将、黄蓋(こうがい)が放った矢で炎に包まれ、曹操は大敗します。

大敗した曹操は中原に逃げますが、諸葛孔明は曹操の退路を断つための命令を下し、趙雲(しょううん)を烏林に、張飛は葫蘆谷に潜伏させ、最後の要所華容道には曹操とゆかりのある関羽を待ち伏させます。その関羽が、義を重んじて曹操を見逃すというラストシーンの仕上げです。

諸葛孔明の思惑通り、関羽は曹操を見逃します。人の心理を知り尽くした孔明という人間に、改めて感動しました。その演出がさりげなくされていて、幕が下りても観客を心地よい余韻に包みました。その証拠に拍手が鳴りやまず、演者の表情からも満足さがうかがえました。

芝居と芝居の間を中断せず、幕を下ろして、舞台準備の間は役者がその前で演じる。今までの京劇にはなかったようなテンポの速さです。
火責めの時は、火と水を象徴的に描き、戦いの場面を水色と赤で表現していました。

京劇にも決まりというものがありますが、それを知らなくても十分楽しめる構成、わかりやすい演出になってきたような気がしました。

途中1回15分の休憩がありましたが、あっという間の2時間でした。

いつも切符を手配してくれる友人に感謝です。


劇場を出るとテレビ塔がとてもきれいでした。