自閉スペクトラム症の特性を持つ人は、日本をとても不便に感じている。
なぜか
それは「不文律」や「お世辞」、「愛想」「社交辞令」などが多いからだ
彼らは、言葉通りに受け取るし、「曖昧」も気持ち悪いと感じる。
だから「今度遊びに来てね」などと言われると
「今度とはいつですか?」と、聞いたり
「行けません」と、はっきり断ったりしてしまう。
また、ルールや規則に忠実で真面目なため、融通が利かず、ズルや反則が許せない。
そして空気が読めないために
「なぜ嫌いだと言ってたのに一緒に遊んでいるの?」などと本人達を前に言ってしまう。
また、数人のお友達が次々と展開させながら飛び交う会話もついていけない…
話を飲み込んだ頃には、もう別の話になっていたりする。
さらに、「大丈夫?」と聞く意味がわからないといったこともよく聞く。
「大丈夫?」と、言ったところで、傷が良くなるわけでも、痛みが取れる訳でもないのに、なぜそんな意味の無いことを言うんだろう…と疑問に思うのだそうだ。
そういう訳で「転んで血が出たよ~痛い〜」と訴えられても、「今、絆創膏は持っていない」とか、「保健室はあっちだよ」と言った具合に解決策に思考が向かっていくのだ。
つまり、相手の「心の言葉が読み取れない」「相手の気持ちになって考えるのが苦手」ということだ。
だから「こんな事を言ったら傷つくだろうな」という想像が出来ないし、「なぜ泣いているのか分からない」などが続き
「仲間はずれ」になったり「いじめの対象」になることがあるのだ。
自閉スペクトラム症の特性を理解していれば
「ちゃんとして」「もっと」「しっかりしなさい」「頑張って」「早くして」…
などの言葉は「伝わらない」ので控えるべきだ。
具体的に短い言葉で見えるように伝えることです。
しかし、これは何も自閉スペクトラム症の人だけでなく、ただ「わかりやすく」工夫しているだけなのだから、もちろん定型発達の子供たちにも充分当てはまる。
例えば
「ちゃんとして」→「靴のかかとは踏みません」
「早くして」→「30分に家を出ます」
「静かにして」→「お母さんと同じ声の大きさで話してね」
「もっと綺麗に」→「このシミが取れるまで」
…などなど全て具体的に伝えられると、とてもスッキリするのです。
基本的に自閉スペクトラム症の特性を持つ人は、真面目で、嘘がつけず正直です。
お互いがスッキリ出来るように工夫するのはこちらです。
何度も言うが、目が悪い人に「訓練したら目が良くなる」とは言いませんね、メガネをかけるでしょう…
あなたがその「メガネ」になるのですよ
自閉スペクトラム症の人達は、たくさんの生きずらさを抱えて生きています。
これからも少しずつ発達障害の「痒いところ」を伝えていきたいと思います。