ネット依存

トイレにも風呂にも携帯電話を持ち込み、起きている時間はネット漬けになっている
と、不安になっている親がいる。
そんな親に一言言わせていただく
「時代ですよ」
印刷技術が出来れば書物に浸かり
ラジオが出来れば耳を傾け
テレビが悪いと世間で騒ぐ
その時代時代で「近頃の若い者は」と言われるのは、ずっと繰り返されているのだ。
周りの大人を見てご覧なさい
バス停で…電車で…レストランで…皆、携帯電話を見つめているではないか
これほど面白くて便利なアイテムに子供だってはまらないわけがない。
「SNSが悪い」と騒ぐ人がいるけれど、SNSが悪いのではない。
使っている人が悪ければ、それは悪となる。
そりゃ電話だってそうでしょう
ネットをしていると、本当に「色んな人がいるなぁ」と実感する。
悪口や文句ばかりを投稿する人
人に被害を加えるような投稿をする人
悪戯を面白がって投稿する人
…ほら
ネットが悪いのではありません。
使う「人」が悪いのです。
だったら、その「人」をきちんと育てれば、ネットはとても便利で人の役に立つ文明の利器になるのです。
親の力で、子供のネット時間の制限に厳しく取り締まりを受けた某有名大学の学生は、親元を離れ、一人暮らしをした瞬間に、まるで刑務所から出所したような開放感で、ネットゲームにハマるのだ。
するとどうなるか
昼夜が逆転して、単位が取れず、退学する学生が後を絶たないらしい。
自己管理が出来るようにすればいいだけの事。
「危ない」と足元の石を拾って歩くのではなく、どのように避けて歩けば良いのかを教えてあげればいいのです。
ネットの中に潜む悪を嗅ぎ分ける力をつけ、そろそろ寝ないと明日に障る…と布団に入ることが出来るようにすればいいだけの事です。
自閉スペクトラム症の人達は「切り替えが苦手」という特徴があります。
夢中になるものに取り掛かると「時間を忘れて何時間でも没頭」してしまうのです。
そして、この「切り替えの苦手」は、「寝る」「起きる」の切り替えも苦手です。
なので、やたらと「朝起きれない」子が多くいます。
目で見てわかるように、「タイムタイマー」
などを利用して、「後どのくらい」をわかりやすくするのも1つの手段です。
また、切り替えの手伝いとなるストラテラなどの薬を医者に相談されてもいいでしょう。
一日のスケジュールを書き出し、「何時から何時までは○○」「○時になったら風呂に入る」…など、円グラフなどにして、色もつけると頭の中が整理され、切り替えの手伝いになることもあります。
ただ「もうやめなさい」「何時だと思ってるの?!」「早く寝なさい」だけでは、習慣は身につきません。
あらゆる視覚的な工夫でスケジュールを整えてあげることで生活がしやすくなるわけです。
話を依存に戻します。
私は、他のことが出来ているのなら、ネットに依存していてもいいと思っています。
自身で、ネット内の玉石混交を見抜き、身を守る力をつけて使いこなすと、これ程便利なものはありません。
私が危惧しているのは
お母さんのネット依存です。
園バスを待つ子供と母親を見ることがよくあります。
その中で、子供が母親に視線を向けているのに、母親は携帯電話を見つめ、子供と目が合っていないのです。
ソーシャル・レファレンシング
生後6ヶ月から18ヶ月の間に、親や周囲の大人達から見守られていること(きちんと目を合わせること)が、その後の非行を防ぐということを、ロバート・エムディという児童精神科医が発見しました。
これを、ソーシャル・レファレンシングと言います。
子供が何かイタズラをしようとする時、必ず「チラッ」と母親を見ますね…
この時に「パチッ」と、目が合ったかという事です。
いかがですか?
ネット依存してはいけないのは子供ではなく、母親です。
子供が小さいうちは、携帯電話の電源を切るくらいがいいだろうと思う。
そしてもし、子供が学童期を過ぎているなら、母親が手本となって本を読んだり、お菓子を焼いたり、絵本の読み聞かせをすればいい。
ただ「いい加減にしなさい」と言うだけで、自分は携帯電話を見ていては、それが手本となり、子供はそれをコピーする。
