母との思い出はたくさんある・・・・
つくづく良い母だったと思う・・・・
でも、小さい頃の母はこわかった。
悪いことをすれば、ものさしでたたかれたし
押入れや 物置に入れられた・・・
だっこしたり、なでたり、ほおずりしたり
そういうスキンシップはなかった。
「そんなことは嫌いだ」と生前もいっていた。
でも、母の愛情を疑ったことはなかった。
母は、母なりに こよなく私たちをいつくしみ育ててくれたと思う。
洋裁が得意だった母は、よく私たち姉妹に洋服を作ってくれた。
たしか2年生のときだったと思う・・・・
明日から夏休みという終業式の前の日・・・・紺と白のストライプの生地で、終業式の日に着ていくワンピースを一晩で縫ってくれたことがあった。
ウエストのところに切り替えがあり、ちょうどそのまんなかにリボンがついていた・・・
「明日の終業式に着せてあげる・・・」といって、母はミシンにむかっていた。
子供心に、うれしかったけど「まにあいっこない、あの服は夏休みどこかにお出かけするときに着ることになるだろう」と、思っていた、それでいいとおもっていた。
でも、終業式の朝・・・・ワンピースはできあがっていた、かわいいりぼんがついて、えもんがけにかかっていた。
わたしは当然のように、そのワンピースを着て学校へ行った。
「ありがとう」もちゃんと言った記憶もないし
喜んだ様子をしたわけでもなかったと思う・・・・
でももう、40年以上も昔のことだけど
あのワンピース・・・・えもんがけにかかっていたワンピースを鮮明に覚えている。