昨日14日(日)、登山イベントの仕事で東京都と山梨県の境にある三頭山(みとうさん・1524.5m(西峰))へ行きました。御前山(ごぜんやま・1405m)、大岳山(おおたけさん・1266.5m)と並ぶ、奥多摩三山の一つです。
コースは、山梨県側の鶴峠(北都留郡小菅村=きたつるぐんこすげむら、875m)から頂上に立ち、東京都側のヌカザス尾根を奥多摩湖畔(西多摩郡奥多摩町、560m)へ抜ける、尾根主体のロング・ルート。23名が参加しました。
あいにくの曇り空でしたが、標高差約1000mの中に、ブナやミズナラ、各種カエデ類など恵みの森林(もり)の紅葉と、葉が散りはじめた木の間越しからの展望-秋から冬ならではの山の魅力を、感じることができました。
8:50鶴峠を出発。
標高900m付近。
1100m付近。現在、この辺りまでが紅葉の見ごろでしょうか。
1300mまで登ると、落葉した木の間越しから、北に奥多摩の山並みを望むことができました。
写真奥、右端のなだらかなピークが雲取山(2017.1m)。尾根伝いに左側の一番高い山が飛龍山(ひりゅうさん・2077m)です。
三頭山屈指?のブナ(橅/ブナ科)。胸高直径1.5mはあります。推定樹齢は200~300年でしょうか。
また、この尾根上では…
多くのクマ棚を確認することができました。
(クマ棚については、本ブログの10/29「水源の森林は冬の気配」の記事をご覧ください)
ほとんどがクリ(栗/ブナ科)の木でしたが、クマによって折られた枝を手に取ってみると…
クマの爪(牙?)跡がくっきり。少し圧倒されますが、同時に、野生動物の息遣いを身近に感じられるこの山の豊かさを、改めて実感しました。
ナツツバキ(夏椿/ツバキ科)の樹皮も美しい。別名シャラノキ。
頂上直下、もうひと息です。
11:45三頭山西峰着。
静かな尾根道から、一転、大賑わいです。秋の行楽シーズンたけなわ。100人を超える人たちで、腰を下ろす場所を探すほどでした。
秋川の源流域にあたる三頭山周辺は、交通の便が悪く、長らく「東京の秘境」と呼ばれたそうですが、奥多摩周遊道路の開通と都民の森の整備により、様相を一変させたとのこと。ちなみに、東京都側の檜原都民の森から登ると、三頭山頂上まで1時間半ほど。現在、利用者の大半は都民の森から入っています。
南側に目を転じると…
静寂優美な富士山。まるで水墨画を見ているようで、しばし見とれてしまいました。
こちらは、山頂にあったサラサドウダン(更紗灯台/ツツジ科)の冬芽(写真真ん中左)と裂けた果実です。
この標高の樹木たちは、もうすっかり冬支度をしていました。
12:30下山開始。
三頭山屈指の長く、険しいヌカザス尾根。写真は、通称「おつねの泣き坂」と呼ばれる急坂です。
落葉で地面が覆われているため、隠れた木の根や岩に足を取られないように、細心の注意を払いながら下りました。日暮れの早さとともに、この季節ならではの気をつけたいポイントですね。
16:15奥多摩湖畔へ全員、無事に帰着。ホッ…。
7時間以上の行程と下りの緊張感に、皆さん、さすがにお疲れ気味のようでしたが、紅葉と展望を満喫し、さらに達成感が加わったその表情は、どれもみな満足そうでした。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます