本日仕事で、おなじみの大岳山(おおたけさん・1266.5m/西多摩郡檜原村、奥多摩町)へ行きました。北側にある御岳山(みたけさん・929m/青梅市)からの往復です。
山が冬支度を整えるこの季節は、例年、ちょっと気になることがあります。
御岳から大岳への道。本ブログの11/4、ほぼひと月前にご紹介した紅葉はもう終わり、樹間からの眺望が楽しい季節になっていました。
南東方向には、馬頭刈尾根(まずかりおね)。あきる野市十里木(じゅうりぎ)付近まで続く、長く歩きでのある尾根です。
足元のメグスリノキ(目薬の木)の落葉が、秋の名残り。
面白い名前ですが、その樹皮を煎じて洗眼薬にするためこの名があるそう。ちなみにこのメグスリノキ、こう見えてれっきとしたカエデ(もみじ)の仲間です。
今日の大岳山頂はひっそりと静まり返っていました。
そして今年も…
大岳山名物?の「野鳥の餌付け防止標識」がお目見え。
この山頂は以前から、奥多摩で野鳥の餌付けが活発に行われている場所の一つ。特に自然界のエサが少なくなる冬期には、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、時にイワヒバリなどもやって来て、登山者・ハイカーからピーナッツやパンくず、お菓子、みかんなどをもらって食べています。コガラなどは、人の手の上にも平気で乗る始末。
今日も、私たちが山頂にいるだけで「ジェー、ジェー」とコガラが甘えるように?寄って来たので、大声を出して追い払いました(苦笑)。
「エサがないのでかわいそうだから」「寄ってくるとかわいいから」という気持ちは、私にもよくわかります。
しかし、
・人間が野生動物に(人間の)食べ物を与えることが、本当に彼らのためになるのか?
・人間に慣れることが、彼らにとって良いことなのか?
・生態系全体に与える影響は?…
グッと踏みとどまって、みんなでもう一度考えてみたいものですね。
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それが当の野生動物にとってどういう影響を与えるかまでをきちんと考えていただくには、やはり』啓発活動が必須なのかもしれません。
我が地元、六甲山では、少々増えすぎたイノシシが人を襲って食べ物を奪うというケースが頻発し、“有害獣駆除”という哀しい結末になっています。
奈良県の大台ケ原では、草食動物でおとなしいはずのシカが単独の人や少人数の女性などを囲んで(威嚇的に?)エサをねだるといった事態も起こっています。
各地で出没しては駆除されてしまうツキノワグマも同じ基本的には同じ構造・・・
森林荒廃、環境悪化といった大きな問題もさることながら、
「人間のいるところには食べ物がある」という学習をさせてしまった人間の側の責任ですよね。
人間のエゴで“野生の尊厳”を損なうことのないようにしたいものですね。
コメントありがとうございます。
六甲山のイノシシの件、TVニュースで見ました。大台ケ原のシカも、日本三景・安芸の宮島のシカと見事にかぶります。宮島でもかつて、観光客の持ち物を奪ったり、夜にみやげもの店を荒らしたりして問題になりました。
すべては、人による餌付けが原因だったんですよね。
相手が小さな小鳥でも同じだと思います。安易な餌付けを続ける限り、いつか、どんな形になるのかはわかりませんが、「人と野鳥の付き合い方のバランスを崩す」恐れがあります。
まさか、鳥が人間を襲い始める…なんてことは想像しにくいですが、ヒッチコック映画の「鳥」のような事態が起きて初めて問題にするようなことは、避けたいですね(苦笑)。その知恵を持っているのは、私たち人間なんですよね。