多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

ガイドの自然観察研修/三頭山周辺

2018-07-12 14:50:50 | ガイドのこと
7月6日、所属するガイド団体の研修で奥多摩/三頭山(みとうさん・1531m)周辺に行きました。

テーマは「初夏の三頭山の自然と日本の自然公園制度」。今回は、私が講師役を務めました。

あいにくの雨天となりましたが…午前中は檜原都民の森の研修室をお借りして「自然解説の目標と展開例」「日本の自然公園制度」についてお話ししました。

登山ガイドの最大の使命は「登山を安全に楽しんでもらうこと」。自然解説は、安全管理と行程管理の間に「限られた時間の中で」行うことが求められます。対象の動植物や地質・地形などの観察と解説を通じて、他の生きものとの関係性にも目を向け、“つながり”や“多様性”の大切さを伝えたい。何よりも「この素晴らしい自然を守っていきたい」と、クライアント(顧客)の意識と行動変化につなげることができれば理想ですが…頭ではわかっていても、これがなかなか難しい!

午後は、秋川源流・三頭沢沿いの「ブナの路」を歩きながら…

秩父多摩甲斐国立公園「特別保護地区」の森を観察。


ギンバイソウ(銀梅草)のつぼみ。

私が上京した2007年ころには林床を覆いつくすほどの数が確認できたギンバイソウですが、あれから11年…

防護ネットの内側(写真左奥)以外は、ニホンジカにほとんど食べ尽くされてしまいました。

奥秩父や南アルプス同様、特別保護地区内であってもこの現実。同園の解説員の方が数年前から嘆いておられましたが、ガイド仲間も、防護ネットの中と外の植生の違いに驚いていました。奥多摩湖南岸エリアにも確実に広がりつつあるシカの食害…何とか食い止める手だては無いものでしょうか?



ロープワークやレスキュー技術の研修でご一緒する機会が多いメンバーだけに、初の自然観察系の研修は新鮮でした。何よりも、得意分野も活動エリアも違う登山ガイド同士が、奥多摩というフィールドで、それぞれの視点から情報交換できたのが最大の収穫でした。私も、大変勉強になりました。

ありがとうございました。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 江戸の時代に想いはせ | トップ | ロープワーク講習 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿