(また、ひと月前のことになってしまいましたが…)
3月5日(土)、南アルプス北端に位置する雨乞岳(あまごいだけ・2036.8m)を目指しました。
JR小淵沢駅から、タクシーで東側の石尊神社登山口(標高760m)へ。
先着の自家用車がなくシメシメ…と準備していると、犬を連れた地元の猟師さんから「え!これから登るんですか?雪あるし、結構時間かかりますよ?」といきなり牽制されてしまいました。
今回は、公共交通機関利用の日帰り雪山。東京多摩からだと、朝一で出てもスタートがこの時間になるのは織り込み済み。同行のTさんとは「まあ無理せず楽しもう」と話していました。悪しからず^^;
8:30出発。気温5℃は暖かい。
いつも思いますが…
南ア周辺の山は奥多摩などと違い…
最初から、落葉樹の森を歩けるのが嬉しい。
樹間から降り注ぐ陽光を浴びながら、一歩一歩高度を上げていくと、心身ともに生命力が満ちてくるのを実感。ただ今日は歩くと暑いくらい…防寒用のレインウェアを早々と脱ぎ、行動着のみの登高に切り替えました。
標高1200m付近から北面中心に…
待望の雪!
数日前の、1人分?のトレースあり。
1600m付近に現れた…
1600m付近に現れた…
この建物は、麓のサントリー工場の所有らしい。
森林資源管理の拠点のようで立入禁止ですが、南アルプスといえば「サントリーの天然水♪」なので納得。
11:30ホクギノ平
本日は、午後から冬型の気圧配置が強まる予報。この辺りから西風が吹きつけ始め、レインウェア上着を再び着込みました。
日帰りとはいえ、雪山はどうしても荷物が重くなります。T氏がゆっくりペースを作ってくれているにも関わらず、久々の私はお疲れ気味…^^;
12時過ぎ、ツェルト(簡易テント)を被り昼食としました。強風と格闘しながら落ち着かないひと時でしたが、プリムス保温ジャーに入れて持参したおかず入りご飯で、体力気力が7割回復。
13:10黒沢ノ頭(1797m)着。
しかし、この場所から望む…
雨乞岳は、遠く、高かった…。(上)
標高差にして残り約230m。積雪は周辺で70〜80㎝あり、先行者のトレースもこの地で途切れていました。山頂を断念されたのでしょう。
この状況だと登頂にはあと2時間はかかりそう…帰りのバス最終時刻(17:34)を考えて計画通りタイムアウトとしました。
私は、今日この日のために東高尾や奥多摩歩きを重ねて来ました。この雪山を目標に、準備してきたのです。2000m級は数年ぶりで不安もありましたが、静寂の森を無心に歩けて、1800地点まで到達できたことが純粋に嬉しく、悔いはありませんでした。
でも、このまま終わらないところがTさんとの山行^^
バックパックに忍ばせて持参した…
ワカンを装着し…
トレースのない新雪と戯れながら…
13:30水晶ナギへ。
かつて水晶を採掘したというロマンあふれる地名ですが、南の甲斐駒ヶ岳と同じく、花崗岩の山らしい開放感あふれる風景と、(日照と風の影響か)雪が全くないのが不思議でした。
そして北西風の洗礼!立っていられないほどの強風(25m/s以上)が吹き荒れ、身体が浮き上がる瞬間も…上の写真一枚を撮るのも大変でした💦
何とか撮影できた最後の一枚…
鋸岳(のこぎりだけ・2865m=第一高点)の稜線。(上)
かつてTさんと、この尾根から甲斐駒に登ったことを思い出します。カッコいいなぁ!…けど「今は絶対行きたくないね」と一致。(笑)
下山は、肩と脚に疲労を感じながら我慢の道のり。16:15登山口を経て、17:00松原上バス停着。
入念なストレッチ後、Tさんが沸かしてくれた「大人のほろ苦コーヒー」にホッ…。
全国にある…
雨乞信仰の山の中でも標高が高く、登行が厳しいとされる雨乞岳。
古の人たちの労苦を全身で感じる一方で、「積雪期の再挑戦」を、懲りることなく誓う二人でした。
〆はJR韮崎駅の…
駅そば屋。
ネギと天かすたっぷりの手打ちかけそば、鶏の山賊焼き、野沢菜の天ぷら、そして缶ビールが、身に沁み入りました〜(*^^*)
甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ・2967m、JR中央本線より)
☆本日のデータ:距離14.3㎞/最高高度1814m/累計高度(+)1295m(-)1398m/行動8時間30分☆
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