多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

遠かった…雨乞岳

2022-04-04 16:15:37 | 山のこと
(また、ひと月前のことになってしまいましたが…)

3月5日(土)、南アルプス北端に位置する雨乞岳(あまごいだけ・2036.8m)を目指しました。

JR小淵沢駅から、タクシーで東側の石尊神社登山口(標高760m)へ。



先着の自家用車がなくシメシメ…と準備していると、犬を連れた地元の猟師さんから「え!これから登るんですか?雪あるし、結構時間かかりますよ?」といきなり牽制されてしまいました。

今回は、公共交通機関利用の日帰り雪山。東京多摩からだと、朝一で出てもスタートがこの時間になるのは織り込み済み。同行のTさんとは「まあ無理せず楽しもう」と話していました。悪しからず^^;

8:30出発。気温5℃は暖かい。

いつも思いますが…
南ア周辺の山は奥多摩などと違い…
最初から、落葉樹の森を歩けるのが嬉しい。

樹間から降り注ぐ陽光を浴びながら、一歩一歩高度を上げていくと、心身ともに生命力が満ちてくるのを実感。ただ今日は歩くと暑いくらい…防寒用のレインウェアを早々と脱ぎ、行動着のみの登高に切り替えました。

標高1200m付近から北面中心に…
待望の雪!

数日前の、1人分?のトレースあり。

1600m付近に現れた…
この建物は、麓のサントリー工場の所有らしい。

森林資源管理の拠点のようで立入禁止ですが、南アルプスといえば「サントリーの天然水♪」なので納得。


11:30ホクギノ平

本日は、午後から冬型の気圧配置が強まる予報。この辺りから西風が吹きつけ始め、レインウェア上着を再び着込みました。

日帰りとはいえ、雪山はどうしても荷物が重くなります。T氏がゆっくりペースを作ってくれているにも関わらず、久々の私はお疲れ気味…^^; 

12時過ぎ、ツェルト(簡易テント)を被り昼食としました。強風と格闘しながら落ち着かないひと時でしたが、プリムス保温ジャーに入れて持参したおかず入りご飯で、体力気力が7割回復。

13:10黒沢ノ頭(1797m)着。

しかし、この場所から望む…
雨乞岳は、遠く、高かった…。(上)

標高差にして残り約230m。積雪は周辺で70〜80㎝あり、先行者のトレースもこの地で途切れていました。山頂を断念されたのでしょう。

この状況だと登頂にはあと2時間はかかりそう…帰りのバス最終時刻(17:34)を考えて計画通りタイムアウトとしました。

私は、今日この日のために東高尾や奥多摩歩きを重ねて来ました。この雪山を目標に、準備してきたのです。2000m級は数年ぶりで不安もありましたが、静寂の森を無心に歩けて、1800地点まで到達できたことが純粋に嬉しく、悔いはありませんでした。

でも、このまま終わらないところがTさんとの山行^^

バックパックに忍ばせて持参した…
ワカンを装着し…
トレースのない新雪と戯れながら…
13:30水晶ナギへ。

かつて水晶を採掘したというロマンあふれる地名ですが、南の甲斐駒ヶ岳と同じく、花崗岩の山らしい開放感あふれる風景と、(日照と風の影響か)雪が全くないのが不思議でした。

そして北西風の洗礼!立っていられないほどの強風(25m/s以上)が吹き荒れ、身体が浮き上がる瞬間も…上の写真一枚を撮るのも大変でした💦

何とか撮影できた最後の一枚…

鋸岳(のこぎりだけ・2865m=第一高点)の稜線。(上)

かつてTさんと、この尾根から甲斐駒に登ったことを思い出します。カッコいいなぁ!…けど「今は絶対行きたくないね」と一致。(笑)

下山は、肩と脚に疲労を感じながら我慢の道のり。16:15登山口を経て、17:00松原上バス停着。

入念なストレッチ後、Tさんが沸かしてくれた「大人のほろ苦コーヒー」にホッ…。

全国にある…

雨乞信仰の山の中でも標高が高く、登行が厳しいとされる雨乞岳。

古の人たちの労苦を全身で感じる一方で、「積雪期の再挑戦」を、懲りることなく誓う二人でした。

〆はJR韮崎駅の

駅そば屋。

ネギと天かすたっぷりの手打ちかけそば、鶏の山賊焼き、野沢菜の天ぷら、そして缶ビールが、身に沁み入りました〜(*^^*)

甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ・2967m、JR中央本線より)

☆本日のデータ:距離14.3㎞/最高高度1814m/累計高度(+)1295m(-)1398m/行動8時間30分☆


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初春の雪と植物 | トップ | 3度目の春 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿