多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

奥多摩は春の顔と冬の顔/棒ノ嶺、御前山

2011-04-04 12:57:26 | 自然のこと

いよいよ新年度がスタートしました。
私の方は徐々に、通常の生活に戻りつつあります。

中止になっていた登山イベントの仕事も復活。昨日3日、東京都と埼玉県の都県界、長沢背稜上にある棒ノ嶺(ぼうのみね・969m)へ行きました。奥多摩の山へ登ったのは、震災当日から数えて20日以上ぶりです。

19名が参加。やはり、登山を自粛されていた方が多いようです。日差しがあまりなく寒い1日でしたが、皆さん、早春の山の空気と植物のお出迎えに歓声を上げながら、久しぶりの山歩きを心ゆくまで満喫されたようでした。

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棒ノ嶺山頂。気温5℃。
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北東方向の展望が抜群。武甲山(ぶこうさん)や武尊山(ほたかやま)など、奥武蔵~冠雪した上越国境の山々を望むことができました。

この棒ノ嶺、別名を棒ノ折山(ぼうのおれやま)とも。
山名の由来は、
・山中に、縄文期の折れた石棒が祀られていた
・埼玉県の名栗(なぐり)側から見ると、山頂部がお坊さんの頭のように丸く見えるため「坊の尾根」→「坊ノ嶺」になった
・鎌倉時代、秩父地方を治めていた畠山重忠(はたけやましげただ※)がこの山を越えて鎌倉へ向かう際、使っていた杖が折れた
…諸説あるようです。

※源頼朝に遣えた鎌倉幕府の有力御家人。清廉潔白で「板東武士の鑑」と称されるほどの武将であったが、後の執権・北条一族の陰謀により滅ぼされた。(1164-1205)

途中で出逢った春植物。
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ヤマネコノメソウ(山猫の目草/ユキノシタ科)

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ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目/同)

このヨゴレネコノメ、葉が暗紫色を帯びているためか気の毒な命名?淡い黄色の苞(ほう=つぼみを包んでいた葉)が逆に際立ってとても美しい…なんて私は思うのですが。(笑)

ちなみに「ネコノメ」の名は、熟した果実が割れた様子が猫の目に似ていることから。この仲間は控えめながらも、早春の沢沿いを最初に彩ってくれます。本日は、同じ仲間で白花のハナネコノメ(花猫の目)も見られました。


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そのまま都県界尾根を東へ、黒山~小沢峠(こさわとうげ)まで縦走。

足元には…

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カタクリ(片栗/ユリ科)もお目見えです!

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鈴なりのアセビ(馬酔木/ツツジ科)の花と…
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ヤブツバキ(藪椿/ツバキ科)

冬から春へ-季節の移り変わりを演出する花々の競演が、楽しい1日でした。

しかし、奥多摩登山にはご注意を。
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前日2日の御前山(ごぜんやま、1405m)北面の様子。予想以上の積雪がありました。

凍結と融解を繰り返した雪は、とても滑りやすくなっています。頂上まで行けず、引き返して来たパーティも。「登りは行けても、下りが…」。正しい判断だと思います。


奥多摩はいま、春の顔と冬の顔を併せ持っています。特に、標高1000m以上の山へお出かけになる方は、しばらくの間、軽アイゼン等の冬装備をお持ちくださいね。
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