多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

夏 到来-「沢登り」の季節に想う

2010-07-18 15:24:56 | 山のこと

昨日17日、九州北部~関東地方にかけて梅雨明けが発表されました。関東地方は平年より3日早く、昨年よりは3日遅いとのこと。いよいよ夏の到来ですね。東京地方では今週、連日30℃以上の真夏日になる予報が出ており、今度は暑さとの闘いになりそうです。
〈梅雨末期の豪雨により広島県や島根県など西日本を中心に甚大な被害と犠牲者が出たことに胸が痛みます。心からお見舞い申し上げます〉

「天然の涼」を求めてではないのですが、梅雨明け前日の16日、西多摩郡奥多摩町のシダクラ沢を訪れました。奥多摩三山の一つ御前山(ごぜんやま)の西にある惣岳山(そうがくさん・1341m)を源流とする沢。約900mの標高差で多摩川へ直接流れ込んでおり、奥多摩では初心者を中心に人気があります。

入渓間もない標高450m付近。
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清流と苔、木々の緑と木漏れ日のハーモニーが心地いい…。

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沢沿いには、ギンバイソウ(銀梅草/ユキノシタ科)が凛と咲いていました。

「銀?の梅の花」が名の由来です。葉の先端が大きく二つに分かれるのが特徴。奥多摩では、山地の沢沿いで普通に見ることができます。

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小滝が連続し、次第に沢らしい雰囲気に。

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標高700m付近に現れた4m滝?
(遡行図=沢の地形や滝の場所を簡略に示した概念図=より)

6mはありそうですが…滝の落ち口が意外にいやらしいので、初心者がいる場合はロープを出した方が良さそうです。

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沢の源流部、標高900m付近です。

昨年9月に遡行した時は、標高750m付近で水がほぼ涸れたのですが、今回は梅雨どきということもあり、最後まで水流が豊富でした。

少しは「涼」を楽しんでいただけましたか?(笑)

ここから惣岳山の頂上までは、ザレ場の急登で(結局)汗だくになりました。奥多摩の場合は、幸か不幸か、下層植生があまりないため地方の山岳では定番の「藪こぎ」をしなくてもよいのが救いです。ここでも、あちらこちらに獣の臭いが漂い、ニホンジカの糞や樹皮剥ぎが見受けられました。本ブログの読者なら、「藪がない理由」おわかりですよね…?

奥多摩は「沢登り」が盛んなエリアです。
沢登りは、
・原始に近い自然を味わえる
・自らルートを切り拓く
といった魅力がある反面、
・進むべきルート、進退はすべて自分たちで判断する
・行動の責任は、すべて自分たちで受け入れる
という厳しさも求められます。

さらに、人工物(登山道・休憩施設・トイレ・ゴミ箱…)がない自然のまっただ中に入り込むわけですから、一般登山に求められる以上のマナーが必要ですよね。
・自然を壊さない
・痕跡を残さない
…等々。

沢登りや雪山登山は、人間の都合で自然を変えるのではなく、人間の側が努力する大切さを教えてくれます。まさに「(自然の中で遊ばせてもらう)登山の総合力」が試されるスタイルと言ってもよいかもしれませんね。

ウンチクになってしまいました?が…シーズン・インのいま
、沢登りについて少し考えてみました。

下山中、涼しげな光景に出逢いました。
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何かおわかりですか?
これも、本ブログの読者ならご存知の植物です。

実はこれ、6/7の「嬉しさと奥深さ…サイグチ沢」でご紹介したハンショウヅル(半鐘蔓/キンポウゲ科)の果実です。私も最初はわかりませんでした。が、葉っぱを見るとまさにその3出複葉(1枚の葉が3枚の小葉から成る)…ビックリしました。あの「半鐘」のような花が、こんな風車の如く颯爽とした果実になるなんて!高山植物で有名なあのチングルマ(稚児車/バラ科)の果実みたいで、嬉しくなりました。

まだまだ知らないことばかり…改めて、自然の「奥深さ」を実感しました。



















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