20~23日、北アルプス/槍ヶ岳(やりがたけ・3180m)~天狗原(てんぐはら)のガイドを行いました。
20日。
13:50 明神(みょうじん・1520m=国土地理院地形図より、以下同)から仰ぐ明神岳Ⅴ峰(2726m=左上)。気温17℃。
徳澤園(とくさわえん・1562m)泊。
21日。雨の中、槍沢をつめる。
標高2000m付近の雪渓。
ひたすら雨とガスの中の登行。
しかし、坊主岩(ぼうずいわ=2660m)付近まで登ると…
青空が覗き始め…
目指す槍ヶ岳が頭上に。参加者から歓声。
12:35 槍ヶ岳山荘(3060m)着。ひと息入れて…
槍の穂先を往復。後方は、槍ヶ岳山荘。
14:00 山頂の気温7℃。5~10m/sの風が吹き、寒い。視界もほとんどなし。
22日。南へ、大喰岳(おおばみだけ・3101m)、中岳(なかだけ・3084m)、南岳(みなみだけ・3032.7m)の3000m峰3座を縦走。
大喰岳から振り返る槍ヶ岳。
前方に南岳(右)。左奥には前穂高岳・北尾根(まえほたかだけ・きたおね)が鋭い。
今回の核心は天狗原への下り。ヤセ尾根の上、鎖場と梯子の急坂。慎重に下降。
氷河公園・天狗池(2510m)に映る「逆さ槍」は、大自然の妙。10℃。
ウラジロナナカマド(裏白七竈/バラ科)と西岳(にしだけ・2758m=左奥)。
天狗原の紅葉はこんな感じ。
昨年は「十数年ぶりの悪さ」(地元ガイド)だった北アルプスの紅葉。今年はいかに?
槍沢ロッジ(1820m)泊。
23日。再び雨の中…
明神(写真)を経て、上高地(1505m)へ下山。
気になったこと…
徳沢~明神間で、往復ともにニホンザル(日本猿/霊長目オナガザル科)の群れに出会いました。写真は、人が行き交う歩道上で平然と毛づくろいをする二頭。
人間を恐れる様子がまったくなく、十数頭とすれ違いました。周囲にはサルの獸臭も漂っており、十数年前まではありえなかった光景。訪れる人たちに、餌付けでもされてしまったのでしょうか…?
野生ザルの餌付け禁止条例を定める栃木県日光市や大阪府箕面(みのお)市の事例にもあるように、人慣れしたサルが、エサを求めていずれ人間を襲い始めることが、今後上高地でも起こりうるのではないか…?「人間の怖さを教える」ために、心を鬼にして追い払った方が良いのではないか…?
個人的に、そう思える光景でした。
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そうですね、人間と野生動物が近付きすぎると必ず悲劇が起きる…ほとんどの場合は、動物たちが駆除されて終わるのですが。自然の中で活動する私たち登山者だからこそ、そのことをしっかり認識しておきたいものですね。
塩見岳登頂、おめでとうございます。
でも登りきった時の達成感は最高でしょうね(●^O^●)
天狗原の紅葉、緑の中に赤があり、ベストショットです^_^
人が居る所に平然と姿を現すニホンザル、普通では考えられません。
歩いていてサルに出会うと感動すると思いますが、なぜサルがそこにいるか理由を考えると感動している場合ではありませんね・・・心しておきます。
あいにくの天気でしたが、十分楽しむことができました。
ニホンザルの件は、私も、たくさんのサルに会えて嬉しい反面、彼らが人慣れしすぎることに危惧を感じていました。同時に、しぶやさんのことだから、同じ思いで、軽く石でも投げて、人間との距離の調整を図るのではないかと思ったりしていました。
またガイドしていただける機会を楽しみにしています。
槍ヶ岳は、今や誰もが気軽に訪れる山になりました。が、決して、誰でも簡単に登れる山ではないのですが…最近は事故も多く、心配しています。このクラスの山に登るのなら、低い山から高い山へと段階を踏んで、しっかりとした体力と技術を身に付けて挑戦してほしいものです。
そう、野生動物はペットじゃないんですよね。「かわいいから」「かわいそうだから」と軽い気持ちでエサをやったことが人馴れを引き起こし、思わぬトラブルになった事例は枚挙にいとまがありません。彼らの生活を尊重して、ドキドキして遠くから眺めるだけの、憧れの存在でいてほしいものですね。(笑)
コメントありがとうございます。
槍ヶ岳では大変お疲れ様でした。足の具合はすっかりよくなりましたか?
あの時、気持ちとしてはよほど大声を出してサルを追い払おうかと思ったのですが…恐らく個人山行であれば、(人がいない時を見計らって)やっていたでしょう。ガイドとしてお客さんを連れているとなかなか…まだまだ修行不足ですね(苦笑)
今後もよろしくお願いします。