いつもの散歩コースをビーチに向かうと、籠バッグ屋のおやじと出会う。このところ出会わなかったのでどうしたのかと尋ねると、ウブドの近くのバツブラン村まで帰っていたという。5年に一度の葬儀のためだというので何のことか分からない。よくよく聞いてみると次のようなお話でした。
バリでは亡くなると一旦埋葬する。その後5年たってから白骨化した遺体を取り出し火葬にするのだという。村中の火葬を一斉にするので150体ほどの集団火葬になる。何故そんなことをするのかと尋ねると、費用を節約するためだという。一回に火葬に20万円程度かかるので大変な出費となる。集団で行うと一人あたりは当然安くなる。余裕のある家は個人で火葬にするのだという。
家族が白骨化した遺体を1.5メートルの地下から掘り起こすのは数時間かかるとのことだ。その模様を籠屋の親父はリアルに説明してくれた。現代の日本人だとグロテスクに感じてしまうだろうが、この親父は村の祭りのダンスの振り付けを説明するように手振りを交えて淡々と述べる。
その葬儀の珍しさよりも親父の淡々とした説明ぶりに感心してしまいました。バリ人のメメント・モリは生活の中に自然に根付いている。
2018/4/22 追記
5年というのは意味のある数字だと思う。熱帯のバリでは5年立つと完全に白骨化するのだろう。十分に白骨化していない遺体は火葬には適さないと推測する。