まさおレポート

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バリ ブラックマジック 嫉妬の対象は新築の家

2009-11-21 | バリ島 文化・風習・葬祭・ヒンドゥ・寺院・宮殿

バリのブラックマジックについて、その動機をバリ人に話を聞いてみると、今まで聴いたバリ人3人とも、その動機はジェラシーと応える。なにかの恨みかと予想していたのだが意外だった。この言葉で、すぐさま男女の嫉妬かと早合点するが、多くの場合、実は違う。例えば隣人が新しい家を建てたから、近所の誰かが嫉妬でマジックをかけた、かけられたと言う話を2回聞いた。このあたりのマジック=呪い事情、だいぶ日本と違う。日本だと子の刻に頭にろうそくを立てて、神社の木にわら人形を打ち付けるシーンがポピュラーだが、大抵男女問題のからんだ恨みが動機だろう。それがバリでは、近所で家を新築しただけで、ときととして(滅多にはないことのようだが)嫉妬の対象になる。ところ代わればマジックの種類も変わる。

この話をベビーシッターのシシにすると、嫉妬されるほどの家でなくても、そう思いたがることもあると笑っていた。なるほど、見栄でマジックをかけられたと思う心情がありそうだ。もてていると勘違いしている男がなにかの事情で病気になったときに、「だれか他の男が俺の事を嫉妬して、マジックをかけた」と思いたがる気持ちは確かにありそうで面白い。

他の国にも嫉妬でマジックをかける国は多そうだ。モロッコにも邪視と称する、いわばブラックマジックがあり、他人の成功や裕福ぶりを妬むという話を聞いた。それを防ぐためにヘンナという植物性の染料で手の甲などに入れ墨をする。

南米のアマゾン地域の原住民にもそういった話はある。コリン・ウィルソンの著作にも、白人の雇い主が、解雇されると勘違いしたメイドからマジックをかけられる話が紹介されている。この場合もやはり、白人の下着がメイドに持ち去られて、かけられたことが判明したという。そして、ホワイトマジックで快癒したという。

インドネシアとアマゾン、こんなに離れていても、ほぼ同類の文化が存在する。マラリアの薬も南米と同様、植物から作るという。

ところで、日本には人を呪わば穴二つ」ということわざがある。人を呪う=人にマジックをかけると、その影響は我が身にもブーメランのように戻ってくるということで、いかにもバランスのとれた言葉で気にいっている。しかしバリ人に聴いてみたが、どうもそのような考え方はなさそうだ。日本特有の考え方かもしれない。しかし、よくよく聞いてみると、似ている点もある。

マジックをかけた方のパワーよりも、防御側のパワーが強いと、かけた方にダメージを受けるという話も聞いた。この考え方など、似ていると云えば似ている。



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