高校で複素関数を習って以来虚数に強く惹かれている。最近は複素数が仏教の空のメタファになるとの思いをますます強めている。
法華経は見宝塔品だとか久遠だとかイマジナリーの世界に思いを致さなければ理解不能だ。そしてイマジナリーの世界はリアルと対等な世界であると思わないとこれまただめだ。
つまり虚=イマジナリーを十分に理解しなければ現代人には理解不能だ。
イマジナリーナンバーに虚数という訳語を当てたのは誰だろう。虚を口でいえば嘘になる、なんだか嘘っぽい観念を植え付ける。
次の記事は複素数が単なる便宜上の虚構ではないことを一層わからせてくれる。
https://gigazine.net/news/20211222-imaginary-numbers-need-describe-reality/
「2乗するとマイナスになる数」虚数 量子力学においては純粋状態を表す波動関数の一部に使用されています。
量子力学で用いられる方程式で虚数が用いられるのは「虚数がなければ方程式が成り立たないから」なのか
2021年12月15日に学術誌のNatureに掲載された研究
「量子力学が正しいとするなら、虚数が存在しなければ現実は成り立たない」
虚数は世界を不思議で満たす
西洋の一次元的な見方を数直線に譬えれば、東洋のそれは複素平面、大小を超越した虚数の世界にある、といえよう。虚数の情緒とは、この意味なのである 吉田武「虚数の情緒」
スタイナーは虚数要素を「幽霊」又は「幾何学の暗黒面」などと罵っているが、それは偏狭である。 高木貞治の「近世数学史談」
世間虚仮は実はポジティブな視点ではないか
虚という漢字に対する意味解釈からくるのではないか。試みに漢字ペディアで虚を調べてみるとネガティブ言葉ばかりが並ぶ。虚空、虚実皮膜に少しポジティブな響きを感じるが、しかしよく見ると虚数があった。虚数は複素数と呼ばれ、複素関数として現代数学や物理学の基礎であり、宇宙の始まりから量子力学などこれなくして成り立たない、いくらありがたがっても足りない貴重な人類の知恵の結晶の概念だ、そしてこれに虚という冠がついている。最近富にお目にかかる特異点つまりシンギュラリティーも複素関数からきている。