まさおレポート

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世界の風景7 食い物 南米編

2017-01-31 | 紀行 チリ・アルゼンチン

 

 

南米アルゼンチンやチリでは牛肉がうまい。シンプルなステーキのうまい店が多かった。塩と胡椒だけで食べる。体がこのような風土に適応してしまうのか肉を要求する。魚は体のことを考えて意識的に食べる。しかし、日本料理店は行かないので刺身は望むべくもない。切り身の焼き魚になるが、ツナステーキなど、やはり肉の代用品と考えている気がする。

レストランの窓からさばいた羊肉がぶら下がる。肉を張り付ける鉄製の十字架はアサドールと呼ばれる器具でアサード(焼肉)を作ることからこの名がついている。この後パタゴニアのレストランでたびたび見かけることになる。湿度の低いせいで肉がからりと乾いた色調が一層うまそうだ。

 

 アルゼンチン名物アンガス牛ステーキがうまい。スコットランドのアンガスが原産地でやわらかい肉がステーキに向いている。この店のボーイが私に名前を漢字で書いてくれと。サルバドーレと自己紹介する。思いつくままに猿婆道礼と書いてあげたら笑顔になり非常に喜ぶ。

バスの出発時間は午後13時でケクタ・ホステルのチェックアウトは10時。それまで時間が3時間あるのでケーキタイム。レモンパイとアップルケーキがでかい。しかも甘い。ランチ用にミートパイなどを買ってバスに乗り込む。

 

ホテルにチェックインして西部劇の街並みのようなあたりを散策すると生ビールが飲めるお店があった。

ハイネの登山観光客が停泊するところで、西部劇のスタジオのような街のたたずまいが印象に残っている。舗装はされていない上に大平原からまともに吹いてくる風が強いので車が走り去った後は猛烈な砂埃が立って周りが見えなくなる。そんな道路沿いに間口の小さなレストランがあり、ガラス越しに生ビールが飲めることを確認して嬉しくなり思わず入った。

日本を出てから初めての生ビールに感激する。ここで明日のトレッキングのルートを検討し結果、ツアーには参加せず自分たちで行ってみることに決定した。旨そうなスープの匂いにたまらず豆のスープロクロを頼み、食べると味に体にしみこむような感動がある。料理法は簡単なもので、豆とスジ肉と岩塩くらいのものだろう、ただ柔らかく煮てあるだけのシンプルな調理で、片田舎の小さなレストランに実によく合う。


グレイ湖からパイネ・グランデの最高峰クンブル・プリンシパル(3,050m)が見える。グレイ氷河から流されてきた氷山がグレイ湖に浮かぶ。氷河は南パタゴニア氷原に続いている。氷河を見ながらランチタイムで自作のサンドウィッチ&ピクルス&リンゴを食べる。

おつまみの立派なオリーブとソーセージが美味しい。レベルの高さにびっくり。

フィレステーキを食べると、ちょっと物足りない感じがした。やっぱりここでは、ごついサーロインが似合う。デザートはカラファテの実のムース。


ホテルまで送ってくれたタクシードライバーにおいしいレストランを教わり、ホテルの斜め向かいの海沿いのレストランへ向かい海の幸の盛り合わせを。魚、いか、たこ、貝類など、盛りだくさんだ。久しぶりの魚介を食べる。


ホテルの受付に聞いて、海沿いのレストランへ。そして、魚介のフィットチーネと海沿いのレストランなのに、ステーキをオーダーする。いずれもすごいボリュームだ。

近くの旅行代理店で明日のバルデス半島1日ツアー+ボートクルーズのオプション付きをオーダーする。1人約60USドルで朝の7時半にホテルまで迎えに来てくれる。

町のスーパーマーケットで明日のランチボックス用にりんごやバナナ、ハム、チーズ、パン、マスタード、お水、お菓子、ワインなどを仕入れる。最近の私たちは特製ランチに凝っている。売っている中で一番高いハムと一番高いチーズを買うと、かなり高級ないいお味のサンドウィッチが出来上がる。一番高いといっても、ハム10枚で700円くらいだがこれにフルーツのデザートを加えるとランチボックスが出来上がる。

おとぎの国のチョコレート屋。

 

生ハム、サラミ、ベーコンが並ぶ。さすがアルゼンチンだ、充分に熟成された生ハム が塊のまま何本も吊るされている。

 

 

精肉店の豚。日本の肉屋と異なり肉塊がぶら下がる。彼らは日本人が鮮魚をみてと同じでこれを見て食欲がわくのだ。

 

椎茸を発見。名前もSITAKEと書いてある。この店には日本の角屋のごま油や亀甲満醤油まで売っていた。椎茸の奥にあるのは干した唐辛子チリだろうか。

 

うまそうなドライフルーツの店でデイツを発見。モロッコでデイツを食べて以来見つけると買う。モロッコの次はイタリアで見つけた。そのあとはアルゼンチン。味はモロッコのデイツほどではない。他にイチジクのドライフルーツやくるみを買う。

今日は満月だがこの後完全に日が沈むと真っ暗な世界が待っていた。この宿は電気を節約していてディナータイムは宿泊者全員でダイニングテーブルを囲みろうそくの明かりで夕食をとる。メニューは野菜スープとパスタと簡素だ。1人2食つきで20USドルの宿で贅沢はいえない。宿泊している人全員が顔をそろえまるで日本人宿の宴会のようで楽しかった。

今日のランチメニューはインカの伝統食だ。とうもろこしの粒が大きい。そらまめの上にある黒いのはドライポテト。その横の別のお皿にあるのはトラウトでゆでたまごの横にあるのは小魚のフライだ。これは日本食に通じるものがありボリボリとかじる。




バスの中ででてきたディナー。白いご飯に牛肉のいためもの。一応あたためてある。

旅の予習では経済破綻、債務不履行国の代表のように言われているアルゼンチン、果たして私の皮膚や胃袋で感じた経済事情はどんなものであったか。

外務省のHPから抜粋してみると現在でもかなりひどい経済状態らしい。

「メネム政権時代(1989-1999)には、兌換制(1ドル=1ペソの固定相場)の下で、自由開放経済政策、民営化・規制緩和策を促進。この結果、1990年代には高い成長率を達成。しかし、1999年1月のブラジル金融危機の影響もあり、デラルア政権時代の2001年後半には金融危機や経済危機に転化し、途中退陣。これを受けて、続く政権は対外債務のモラトリアム、兌換制の放棄(自由変動相場制への移行)を行い、IMFとの交渉を行ったが、現キルチネル政権下の2003年9月に合意に達する。キルチネル政権は、2004年8月にIMFとの合意に基づく経済構造改革を中断。IMFとの再交渉、再合意による経済再建と債務問題解決が重要課題。」

しかし、経済成長率は-10.9%(2002年)、8.7%(2003年)、9.0%(2004年)、9.0%(2005年)と、既にマイナス成長は脱しここ数年は順調に成長してきている。国民一人あたりGDPは3,720ドル(2004年、世銀)とある。チリの5800
ブラジルの4300ドルと比べると、かなり低い。

ブエノスアイレスからパタゴニアに飛び、バスで北上しボリビアまで抜けた印象では、アルゼンチンの経済状態は悪くなかった。むしろ、チリのほうがインフラ等が進んでいないように感じたのだが、国民一人当たりでは、1.6倍だ。

あえて、チリのほうがよかった点を上げると、ホテルの朝飯だ。これはチリが圧倒的によかった。アルゼンチンの朝食は、どこへいってもパンと紅茶のみ、一方チリはパンにハム、チーズが食べ放題だ。胃袋で感じる経済状態だ。


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