石に翁と媼を刻んだ素朴な石像で苔むしている、サヌール舗道にあり10年前から気になっている、無造作に路傍に置かれていて由緒ある像ではあるまい。
気になっているのは能高砂のシテとツレを連想するからだ、ルーツが異なるが似ているとは嬉しい。
由緒ある像ではあるまいといったが頭部の巻き物の彫り方といい、この彫師只者ではない気がしてきた。
昔、この浜に2本のカタパンの樹があり、夜になると若い恋人同士となり昼は樹に化身してサヌールの人々を強い太陽から守っていた。
あるとき強い嵐がやってきて2本のカタパンの樹が倒され海に流されてしまった。
強い太陽から守ってくれた樹が無くなりサヌールの人々が困っていたところ、50年後に又強い嵐がやってきて浜に2体の石像を打ち上げていった。
サヌールの人々は石像が2本のカタパンの樹の化身だと、浜に安置した、するとその横にカタパンの樹が生えてきて立派に育った。
日陰を提供するカタパンの樹
能 高砂