ワヤンはバリ・ユダヤナ大学日本文学専攻の学生で22歳、卒業論文テーマ「大和和紀の漫画、源氏物語 あさきゆめみし」を執筆中。
「日本語って難しいですね、例えば蕎麦を手繰ると云うでしょ、直訳英語ではPull in the buckwheatだけどそれだと変で、eat buckwheatの意味でしょ。」とワヤンが尋ねる。
俺はPCのgoogle翻訳を見ながら「茶をすするは直訳するとSip teaだけどdrink teaだよ、タバコを咽むは直訳するとSneak a cigaretteだけどsmokeだよ。
弁当を使うは直訳だとUse a lunch boxだけど eat a boxed lunchのことで、そんな例はいっぱいあるよ」
「なぜそんなややこしいことするの」とワヤンがうんざりした顔で云う。
「そんな難しい言葉覚える必要ないよ、実用上差し支えない」と俺。
「卒論の教授はそれが大事だって言ってた」とワヤン。
「そう・・・」と俺は30年前に順天堂大学病院に入院中、ロビーで日本語を教えた若いエジプト人女性を思い出した。彼女もいち、に、さんとだけ覚えればいいものをヒーフーミーだとか難しい数の読み方にこだわっていたな。
写真はhttps://middle-edge.jp/articles/Jasyyより転載。