わたしがかねてから興味を持っている唱題、セロトニン、倍音をふくむ高音のガムランに関連する論文を読んだ。大事なことは頭で考えるだけよりも体を動かすことや刺激することで得られる。大変興味深い。
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/40261/20160609102907479741/k6893_3.pdf
セロトニンとは神経伝達物質でこれが弱ると鬱病・パニック障害・摂食障害などの症状が現れるという。
有田は座禅時の僧を対象に実験をし瞑想に入るとセロトニンの分泌量の増加が影響していることを発見した。
有田秀穂『歩けば脳が活性化する』ワック株式会社、2009 年)
有田は歩行のリズム運動に集中する方法として、「『南無妙法蓮華経』など唱題をとなえたり、御真言をとなえればいい」と述べる。
自己抑制の回路というべきものがセロトニン神経の中にあり、この自己抑制が強いとセロトニン神経の働きは弱まり、不活発になる。逆に自己抑制を減らすとセロトニン神経が活性化。
セロトニン受容体が減少することで自己抑制が減り、結果的にセロトニン神経の働きが恒常的に高くなる。
自己抑制のセロトニン受容体の減少には遺伝子レベルがからむ問題であることから、90日ほどの期間が必要となるという。
「座禅をしようが、お経を唱えようが、脳内の変化は同じことが起こる」
散文や偈文よりも、ひたすら繰り返す唱題において、前頭極の血流変動が一番大きかったのである。
原理は母音の共鳴音が出す倍音としての超高周波を利用したもので
あり、その原理を大橋力の『音と文明』を引用して説いている。
美しく快い自然音の中には、人間に音として聞こえる周波数上限を何倍も上回る超高周波成分をもつものが珍しくない。バリのガムランはそのなかでも特別な音楽だ。
知覚を超える高周波成分に富んだ音がもたらすこの部位を活性化する効果は、物質レベルでみるビタミンや微量元素さながらであり、まさに「必須音」と呼ぶにふさわしい
高周波成分に富んだ音が脳基幹部を活性化させることで、脳波が β 波から α 波に変わり、神経伝達物質である「エンドルフィンやドーパミンを分泌させて精神を安定させ、また、うつ病を防ぐといわれるセロトニン、さらに睡眠を促進するメラトニンなどが出ること」になる。