まさおレポート

当ブログへようこそ。広範囲を記事にしていますので右欄のカテゴリー分類から入ると関連記事へのアクセスに便利です。 

バリのマシン供養 鉄は偉大なのだ

2009-08-16 | バリ島 文化・風習・葬祭・ヒンドゥ・寺院・宮殿

知人のマデが一昨日「明日はマシンに祈るお祭りの日だ」というのを聞いた。ある程度バリ通を自認している私にも、そんな祭りは初耳だ。この日はバリで一斉にマシンつまりカーやミシン、電動ポンプその他身の回りにあるマシンに祈るのだそうだ。他にマネーの日も有るというが、冗談か聞き間違いかも知れないと半信半擬でいた。

昨日8月15日の朝、プールサイドでベビと遊んでいるとビラのアグースが頭にウダンをかぶり、腰にサルンを巻いてやってきた。今日はマシンの日だという。やはり本当にマシンの日だったのだ。そこでかねての疑問をぶつけてみた。
「アグース、マシンの日というのは昔からあるトラディショナルな祭りなの、それとも新しい祭りなの。昔はマシンなんて無いよね」と私。
アグースはマシンの日はトラディショナルだという。そしてなかなか物知りな回答をくれた。

元来は剣や農機具などの鉄器を祭る日であったという。言うまでもなく鉄は古代からハイテクの産物であり、極めて貴重で生活に欠かせないものだ。お祭りをするのも自然だ。そこから金属を使うもの全般になり、そして金属を多用する自動車や電化製品を祭る日になったという。日本にも針供養などの小さな祭り事が有ることとよく似ている。そうかマシンの祭りというよりマシン供養がふさわしい。

宮崎駿の「もののけ姫」はたたらの里が舞台になっている。鉄は日本でも昔から神聖視されてきている。島根県の鉄の博物館で見た刀剣用の玉鋼には現代人がもつ鉄のイメージ=安物、さびる、ありふれた金属を一新してくれる凄さがあった。鉄は偉大なのだ。この時の感銘がバリのマシンの日と結びついた。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。