まさおレポート

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ATコマンド ハッキングの世界でも歴史は繰り返すのだ。

2018-09-13 | 日常の風景・ニュース

1980年代、NTTデータ通信本部大阪勤務の時代にATコマンドをアナライズできるスーツケースほどの測定器を担いで滋賀や京都にまで出向いていた。NTTデータ通信本部が販売在庫管理サービス用に販売する2400ビットの端末が普及しだした頃で顧客から「うまく作動しない」との連絡を受けてこのスーツケース大の測定器をごろごろ引っ張って電車に乗り込み、はるばる京都や滋賀まで向かうのだ。

大抵のケースではモデムと端末との間の信号のタイミング調整で回復した、つまり連続したATコマンドの間隔が狭すぎると誤作動する、そこで信号間隔を測定器を見ながら調整してやるだけで解決した。

次の記事を見てにわかに上述のATコマンドを思い出した。

フロリダ大学、ストーニーブルック大学、サムスン・リサーチ・アメリカの研究チームは、1980年代に開発されたモデム用の命令体系である「ATコマンド」を利用して、Android機器に危害を加えられることを発見した。USB経由でスマートフォンに接続してコマンドを送り込むことで、端末の乗っとりやデータの抜き取りまで可能になるという。

このATコマンドは実は携帯電話でも使用できるとある。つまりUSB接続でATコマンドを送り込めるのだ。モデムと電話回線を制御するこのATコマンドは、もともとは電話をかけたり切ったりといった指示を送るために使われていたが今日ではスマホでのSMSや3G、LTEプロトコルにも利用され、カメラやタッチスクリーン制御のカスタムコマンドにも使われるようになったという。スマホの大半は、USBポートを通して誰でもコマンドを利用できるという。ハッカーは改造された充電ケーブルから端末の乗っ取りやデータの抜き取り、ロック画面のすり抜けができてしまう。ATコマンドは「タッチ・イヴェント」を利用してデータにアクセスし設定を変えることが可能になる。

ところで1970年代の電話時代にもATコマンドを利用したハッキング、たとえば長距離を無料でかけるハッキングで名を轟かせた男たちがいる、そうした古いハッキング技術が現代においても行われているとは驚きだ。ハッキングの世界でも歴史は繰り返すのだ。


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